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自由筆記と題するもの

【文字数:約1,000文字】

 先週あたりから長編用のプロットを考え始め、おおよその流れをイメージできるようになった。

 仮のタイトルが決まっておらず、こんな話にしよう的なものを列挙する段階において、そうしたメモには「自由筆記」と題している。


 何かしらの起点を始まりにして、ああしたい、こうしたいと書き連ねていくのはムダが多く、「これ形になるのか?」などと疑うこともしばしば。

 自信が持てないのはしんどくて、まったく進まない日は時間を酢漬けのち保存したくなる。

 どうにか進めて類自作と思しき展開をイメージして被らないよう、良さげな所は頂きながらプロット制作を続けていくと、ある時点で閃きが得られたりする。

 それは書き連ねたものを読み返したときだったり、息抜きという名の逃避をしたときだったりと、機械のように効率的とは言い難い。

 とはいえ、物書きの端くれを自称するからには火薬さえ手に入ればよく、おおまかなストーリーで育てた爆発物に点火して、得られた火力と燃え具合から章分けまで済ませてしまう。

 あくまで仮のものだけど、漠然と「〇〇が××な話」に留めておくよりもイメージがしやすく、物語の箱を先に用意する感覚だろうか。

 それらを導火線にして細かいエピソードを考えつつ、とにかくメモに書いて良かったら採用するコンペ方式なので、使わずに死蔵されるネタも多い。

 過去作のメモを読み返すと「こいつ天才、いや転載か?」と悩むことが多いけれど、これが今の自分に合ったやり方だと思っている。


 数ヵ月前、#宇宙SFで考えていたのが駄作、よくて凡作になると判断して凍結したけれど、今回は自分の中で「これを書きたい」という雛形のある話だ。

 作家にとって必ず書きたいテーマがあると聞くけれど、今回のは始めて長編に取り組もうと思ったものだけに、だいぶ肩に力が入っていた。

 初期作は思い返せる部分だけでも粗い出来だし、とりあえず形にしただけで評価されないのも当然ながら、形にしたこと自体は後悔していない。

 それを今回リメイクするにあたり、同じようなストーリーで作る気にはならなかった。

 そもそも半分ノンフィクションみたいな作りで、障害者差別と読まれても仕方がない展開は、とてもじゃないけれど公開できない。

 むしろ公募用だったから表に出ていないだけで、webに掲載していたら炎上していたような気さえする。

 若気の至りと呼ぶには老けていたし、そのあたりを考慮できるようになったのは成長なのかもしれない。

 昨年と比べれば余裕のある盆だから、今のうちに試作版を作りたいものだ。 

なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?