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投稿サイトで付き合いはじめた人はいま、どうしているだろう

【文字数:約1,300文字】

 小説投稿サイトで活動していた頃を思い出し、そういえば2組のカップルが成立していたような。


 2組のうちの1つ、あえて「たぶん」とする男性側と多少のやり取りがあったので祝福を述べたものの、私には不思議でたまらなかった。

 作品を読んで内面に惹かれ、そのうち自分自身についてもやり取りを始めて、という流れはnoteにもあるようだし、究極にはリアルで会うオフ会に発展するのも理解できる。

 男性側の投稿していたものはコメディ日記のようなもので、おもしろさにファンもそれなりに存在しており、相手とのやり取りもコメント欄で見ることができた。

 投稿サイトがやり取りを密に行いやすい環境なのもあったし、SNSと連携させて音声による公開ラジオ、stand.fmとかみたいなので交流する人もいた。

 白と黒の文字だけでなく、個人が伝わりやすい音声でのやり取りができたのが、交際への手助けになったのは想像に難くない。

 ただし、いつの間にか交際が始まり、いつの間にか疎遠になって「別れた」とか書いているのを見かけた。

 その頃にはもう私自身、投稿サイトで活動するのが億劫になっていたのもあり、いたわりの言葉などをかけることはなかった。

 別れた理由は不明だけれど、先の音声配信の設定が間違っていたのか、発信元の国が分かるときがあって、それが中央アジアの「〇〇スタン」みたいな国だったのは無関係ではないような。

 どうか国際ロマンス詐欺の一種ではなかったと思いたい。


 もう1組は親交のある人がやり取りをしており、交際を始めたという書き込みに対して、これまた親切心の延長でもって祝福を述べた。

 すると本人だけでなく、なぜか男性側から次のような返信が来た。

「(女性側の名前)を祝ってくれてありがとう。これから2人で生きていきます」

 表向きは謝意を返しつつ、私と直接のやり取りをしたこともないのに、なぜアナタに御礼を言われなければいけないのか。

 ひっかかって2人のプロフィール、やり取りなどを見てみると女性側は病による弱気な書き込みを続けており、それを男性側が励ましていたのが交際へと発展したらしい。

 流れとしては分かるんだけど、やり取りしたことのない人間に御礼を言うのは「オレの彼女に手を出すな」みたいな感じを受けて、私の中では黄色信号が灯った。

 決定的なのは、付き合い始めたから投稿サイトを辞めるとしたことで、いやそれDV彼氏彼女のやりがちな交際相手の孤立化じゃないのと。


 始めに投稿サイトから付き合うのを「不思議でたまらなかった」と書いたけれど、リアルの等身大が分かるフェイスブックならともかく、投稿サイトは自分自身すら創作できてしまう。

 もちろん創作はその人の一部でもあるから、やり取りをして親交を深めてオフ会に、というのが存在するのは良いことだ。

 ただ、先の2組が交際を始めたのはコロナ禍のまっただ中であり、「ガイシュツヲ、ジシュクセヨ」が強い影響力を持っていた。

 反動のようにwebを通してのやり取りが増え、その中の1つとして2組の交際がふくまれるのだろう。

 人が人を想うのは素晴らしい。

 けれども私は彼らに対して、次のように思っていた。

「リアルじゃないんだし、わざわざ報告しなくていいから!」



なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?