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4 Focus

著: 青砥瑞人

自分の集中力をうまく使うための解説本です。とてもわかりやすい書き方なので、スルスル読めます。ストレスが多かったり、集中力にムラがあるなとか感じている方は読んでみると、結構発見があるんじゃないかと思います。

脳の仕組み
記憶が定着するとそれを無意識下でも使える、というか注意を向けられるようになる。だから、ポジティブな記憶を記録し、上手くいった経緯や自分がハッピーに感じた理由を整理しておくことで再現性が生まれる。それを無意識下で再現できるようにすらなる。そうするとモチベーションも上がってくる。人はネガティブなことに注意が向きやすく、しかもそれは集中力を妨げるから、意識的に自分のポジティブな感情を記録、整理していくことが大事。できれば、そのポジティブな出来事を共有するとなおいい。そうすると記憶に定着しやすい。

心理的安全性が集中力には大事。心理的安全が損なわれると前頭前野の働きが悪くなる。前頭前野は思考、創造性、集中力、感情のコントロールをする部分。

心理的安全が損なわれる場面に遭遇したとき、例えば、会議前に緊張するとか、そのストレス反応に気付いて意識を向けることが第一歩。心理的危険性を抱えたときはこれをする、という自分がリラックスできる対処方を用意しておく。自分の場合は、漫才を見る、サウナいく、とかかな。その不安の解消方があるという記憶が心理的危険性を遠ざける。1日を振り返って心が乱れたときを自覚する、またうまく集中して取り組めたときそのやり方を整理しておく。

交感神経がアクセル、副交感神経がブレーキみたいなもん。このバランスが凛とした脳の状態を作るには必要。息を吸うとき交感神経が活発になり、吐く時副交感神経が活発になる。なので、緊張状態のときほどそれをちゃんと自覚して、息を深くゆっくり吐くといい。心地よい姿勢で、半目の状態からでやるといい。呼吸する前のルーティン所作を作ると記憶がこれから呼吸するよーって想起するのでさらにいい。ルーティンは独自性があるといい。バッターボックスに立つ時のイチローみたいな。

1日を振り返って、自分は安心するとアイデアが出やすいとか、好きな人と話すと心理的安全性を感じるとな、どういう環境だとどうなる、みたいな自分の癖や法則性を言語化していく。そして自分が心理的安全性を感じることを毎日のスケジュールに組み込む。

多分、だから自分の内側と向き合って、緊張状態なのかリラックスなのか自覚する。そして、悪い状態から抜け出す呼吸法、良い状態を再現できるルーティン、を日々の振り返りの中から、見つけて確立する。

4 Focus: 4つの集中モードについて
集中には下記4つのモードがある。

入門集中 外に狭く 
新しいことを学んだりするときなど、目の前のことに注意を向ける状態。

記銘集中 内に狭く
一つの課題に対して自分の中で思考し続けている状態。

俯瞰集中 外に広く
外のことを全体的に俯瞰的に見て、大局的に捉え、直感的に動ける状態

自在集中 内に広く
ぼーっとしているようで、無意識下で過去の経験や記憶から、妄想し創造している状態

これら4つを組み合わせて使うのがいい。外に狭く、から入りインプットし、外に狭くでインプットを応用しよう思考して、環境を変えて散歩したときとかに外に広くが働いて、アイデアが思いつく。よく聞くケースだけど、これが一連の流れであることを理解しておくと、外に狭く思考しているときにうまくいかなくても焦らないし、ネガティブなイメージを持たなくて済むのじゃないかと思う。

例えば本を読むときに、書いてあることをインプットするのは入門集中だけど、それを過去に自分もこんなことあったなーとか、話流れ的に次はこんな話だろうと予測したりするのは、記銘集中(内に狭く)。この2つを同時に走らせるのがすごくいい。

内に狭くの集中をするためには、自己分析みたいになぜ自分はこれをするのか深掘りして、深く納得することが必要。

インプットする際に何かを連想させて覚えるというのがあるけど、これは入門集中でインプットして、関連する事柄を記銘集中で考える、という2つの集中を使っているということ。これ、いい。

内に狭く思考しているときに堂々巡りするのは必要なプロセスだから問題ない。

外に広く、は全く無知な状況では働かない。ある程度練習や経験を積んだ上で、無意識下の処理をうまく活用するのが大事。

今後AIが発達していくと外に狭くや内に狭くの思考では人間は敵わない。内に広く、外に広く、の思考が優位性がある。多分、だから無意識下の思考をうまく使えるのが人間にとって必要なんだと思う。

集中力を研ぎ澄ますには、①ドーパミン+それを出やすくするβエンドルフィン、②ノルアドレナリンが必要で、①は好奇心から来るもので、②は締切とかストレスによる集中力。両方、長続きはしない。まぁ結局うきうきわくわくする状態を作るのがいい。

だから多分、こうなりたいとか未来や理想を想像して、イメトレすることで、いい状態に持っていける。ワクワクしてドーパミンによる集中、次に不安を乗り越えるためノルアドレナリンによる集中がくる、みたいにバランスよくあるのがベスト。

まずはドーパミンによる集中から入るのが大事なので、自分が何にワクワクするのか自分を普段から観察して、ワクワクしている事柄に気づくことがとても重要。何かを欲している状態の方が、手に入れたときより、ドーパミンが出る。好きなコーヒーを淹れる準備をするとか、自分がドーパミン出る行動を自覚して、日々の生活に取り入れることで、それが仕事の集中力にも好影響する。

よく遊びよく学ぶ、はとてもいいことで、でもその本質は、よく遊びそこで培った集中力を学びにも生かす、である。

20,30分くらいのジョギングや筋トレなど体に負荷をかけるとβエンドルフィンが出て、その後集中力が持続しやすくなる。テンションあがる曲を聴いて体を動かして(足をバタバタさせる)、ゆっくり呼吸するのもいい。


気づき、所感

呼吸してリラックスするときの所作や、集中するときのルーティンなど、自分なり方法を意識的に作っていくことと、自分がどういう時にポジティブな気持ちになるのかやどういう時にアイデアが浮かびやすいのか自己分析して言語化していくこと、が集中力を意識的に高めるために必要なことなのだと思う。

目先のことでストレスを感じたり悩んだりしがちですが、遠くの理想像に思いを馳せて、アドレナリンを出す、というような自分の脳を意識的にコントロールしていくという発想を得られますし、また、具体的にどうすれば自分の脳をコントロールできるのかのヒントも得られます。最終的には自分で自分にあった方法を見つけないといけないのですが、なんかできそうだなと思わせてくれる本です。

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