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『星的現象論序説』を経て、新たなスタートへ。


はじめに

前回、『星的現象論序説』について、ざっくり振り返った。

その過程で、なんというか、振り返りすぎたというか、省みすぎたというか? 
そんな感じで、揺らいでしまった決意や志etc.があったように思った。

端的に言うと、言いわけくさい文章になっていたのだ。

しかし、上のツイートにも書いた通り、返ってきたものはぜんぶ引き受けて進んでいかないと、同じ時間を過ごした仲間たちに失礼でしょう。

よって、この記事で塗り替え、新たなスタートとしたい。

前回の記事を消すのではないのがミソである。
あくまで書いた文章は、吐いた唾だと考え飲みこまず、残しておく。

これは僕の、決意表明だ。

男1は翻弄されていた

ではここで、知り合い以外のお客さまからいただいた中で、「おっ」と思った感想ツイートを挙げつつ、すこし物語面を深掘りしていこう。

(いちいち感想を挙げるのは、自分から語るのが照れくさく、他人の解釈をとっかかりにしたいためです)

地球というスケール感の大きな話題を切り取っていたことと、主人公にあたる拗らせ男性(と私は受け取った)がいかに自己や周囲に翻弄されているか、展開のスケール感も大きく感じたので、大きな会場でこそ見たかった。そうしたら、映像も相まってさらに凄いのに発展しそう。

おそらく若い方だと思うのですが、「主人公にあたる拗らせ男性がいかに自己や周囲に翻弄されているか」と解釈しているのは鋭いと感じた。

そう、男1(勇人)は翻弄されていたんですよ。環境にも、女たちにも、自身にも。
そしてやがて「ひとは独り」だと悟り、部屋から出ていく。

「ひとは独りじゃない」で幕とはしなかったのがポイントかな。

部屋にこもっていたときのほうが、誰かに期待していた。
己を含めてたくさんの相手と闘っていた。

出ていくときは、独りだけど、孤独じゃない。
まわりの人も同じだと気づいたから。宇宙の片隅の存在だと気づいたから。

今回、ランタイムの都合上、けっこうな量の台詞をカットしました。

それでも、意図したところがしっかり伝わっているとうれしくなりますね。

歪だが、耳当たりのよい会話

次に、健康くんという知り合いの感想。

面白かった。かなり好きだった。 文学的で歪にもみえる会話が何故か耳当たりがよくて、心地いい空間がずっと流れてた。伊藤さんの本も役者さんたちにも有難うの気持ちでいっぱい! 観に来て正解だったなあ。

これもうれしかったなぁ。

当日パンフレットにも書きましたが、僕の本は「会話をしているが、通常の会話ではない」といった傾向があります。

ただ、だからといって聞いていてしんどい、観ていてキツい、そういう空間にはしたくないので、

「心地いい空間がずっと流れてた」との言葉に、ホッとしましたね。

このツイートを読んだ小島さんも、「うん、確かに耳当たりはいいよな」とつぶやいていて、演じた俳優側もそう感じていたんだ……とその時に知れました(笑)。

意外だった、若い人からの反響

『星的~』で意外だったのは、若い人からの反響です。

「おもしろかったです!!」「見入りました!!」みたいな、率直に肯定的な反応をくれたのは、20代前半の方ばかりだったように思います。

今までの作品はそうではなくて、年上の方々にはそこそこ評価されるけど、同年代や年下には「わけわからんかった……」とか言われることが多くて、僕の「今まで」が10年前であることを差し引いても、内面で変化した“なにか”があるのかもしれないなー、と思ったり。

作風は意識して変えている部分とそうでない部分があるのですが、前者が刺さる層を変えたのだと考えると、それはポジティブに捉えたいですね。

もちろん、歳をとったせいで気を遣ってもらう立場になった可能性もなきにしもあらず。
また、逆の反応も真摯に受けとめ、今後に活かしていきたいです。

おわりに

簡潔にまとめるはずが、思ったより長くなってしまった。

でも、書いてよかった。

前回、いろいろ振り返って、「ここはこういう方法もあったんじゃね?」的なことも考えたけど、「いやいや、すべて上演したままでオールオッケー。現時点でのパーフェクト」と思えた。

やっぱり、終わってすぐの疲れた脳で反省なんてするもんじゃないね。

ん? これも言いわけか?

わからなくなってきたけど、とりあえずよかった。この先も、いい作品をつくっていこう。

ラブアンドピース? あんなの、目じゃないですよ!!

(了)

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