POM
この部屋から音がたくさん出るときが一番生活感が出て落ち着く
蛇口をひねる音レンジの音トイレの音窓を開ける音
僕が寝てからこの部屋は一気に生活感を取り戻す
生活感を取り戻した瞬間に僕の一日の生活は終わりを迎える
同じ家の中にいても別の世界にいるのではないかと感じるほど会話というものはなかった
幸い食料はたくさんあるし飲み物も困らないほど家にあったので神山と僕はお互いに食料と飲み物をあまりが多いほうからホームレスに献上することにした
次の日僕が食料を持っていき神山は飲み物を持参した
僕が持って行ったのはパンで神山は大きめのペットボトルでお茶を持ってきていた
ホームレスに渡すと「おう」と言われ基地に使えばといい段ボールをもらった
だがこの段ボールお酒の匂いが染みついているのか何のにおいかはわからないがとにかく使いたくなかったので近くのスーパーでしこたま段ボールを仕入れた
店員に不審がられながらも用途を聞かれとっさに出た言葉が学校の宿題で使うからという嘘で我ながらファインプレーだなと思っていたら
追撃でなんの宿題?と聞かれて2秒間ぐらいの沈黙が流れ神山がぼそっと
「ず、ずがこうさく」といった
するとそっか運ぶの気を付けてねと言われ奥から段ボールをたくさん持ってきてくれた
僕はこの時ほど神山に救われたことはない
もらった段ボールはおむつが入っていたであろう大きい段ボールと食料の段ボールだったこれでとりあえず壁を作り基地っぽくする構想を二人で考えていた
雨風はしのげるとはいってもところどころ天井が空いていたりするのでその対策も考えないといけないと話していると奥からホームレスの友達らしき人がきて片手に持っている食料を掲げてありがとなと言ってきた
満面の笑みで言われて満面の笑みでこちらこそと言おうと思ったら友達は歯がなくて僕は顔面が引きつっていた
神山は作業中だったので何も見ていないがあれは少年の僕にはちょっと衝撃的な出来事だった
基地を作る上で必要になるのは水でもガスでもなく電気だった
この廃墟には当然電気が通っていないため僕たちは壁を作り終わると同時に天井からの雨漏りと電気を使えるようにするというリフォーム業者さながらのミッションに挑むことになった
ちなみに電気の使い道は基地の中でゲームをしたりギリーを充電するのに使いたいというしょうもない理由だった
冷静に考えて電気を通すっていうのはかなり難易度が高いのでバッテリーを仕入れればいんじゃないかという話でまとまっていたがホームレスが電気が使えるなら条件を緩くしてやると言ってきたのでできる限り頑張ってみることにした
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