再起動 リブート

著 者:斉藤徹
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2016年12月15日
きっかけ:Facebookのタイムラインで知人が薦めているのを見て。

すごくざっくりとしたあらすじとしては、著者である斉藤さんが新卒で入社したIBMを辞めて起業し、バブル、金融危機、資金繰りなど幾多の困難を乗り越え、現在に至るまでの道のりが書かれた自伝です。

あまりこの手の本は読まないのですが、登場人物の中に間接的に知っている人がいて、当時の自分を思い出したことでぐっと親近感がわき、読んでみました。

斉藤さんは現在(株)ループスコミュニケーションズの代表取締役社長(2005年創業)で、企業のソーシャルメディア活用に対するコンサルティングなどを手がけています。本の後半では、茨城発祥のスーパーカスミがモデルケースとして登場します。話はそれますが、カスミは東日本大震災の被災地支援にも積極的だったので、その背景にはこういう改革もあったからかなと推測しました。

2010年とか2011年とかそれくらいの頃に、Facebookをビジネスでも活用しよう!みたいな会社命令にめんどくさいなーと思いつつ本やセミナーをあたるとだいたいループスの名前はよく見ました。今の事業内容だけ聞くと穏やかに見えますが、ここに至るまでの道のりはまるでジェットコースター。息つく暇もないほど一難去ってまた一難。

会社の資金繰りにあえいでいるある時期、藁をもつかむような思いで経営に参画してもらった”巨漢の経営コンサルタント”にそそのかされて、会社経費で高級マンションや外車を買ってしまう心理状態ってどんなものなのでしょうか。

このコンサルタントは紹介元からも”毒には毒をもって制す”人物と紹介されているのですが、こういう力を持った人が実際にいるんですね。自分にとっては非現実的すぎて、昼ドラでも見ているかのようでした。

斉藤さんは、前述の経営コンサルタントと、最終的にはきっちりと堅気のやり方で決別しているのですが、被害者ぶらない点に斉藤さんの人間性を見た気がします。そして、どんなに流行だとか儲かる内容とはいえ、家族や友人に胸を張って言えないことは事業化したくなかったと踏ん張った点に共感しました。


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