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手間という自分への愛情

5年前に付き合っていた元彼の言葉が今でも忘れられない。

「そのネイルと、マツエク辞めたらデート代払えるよ?」

彼は自分には惜しみなくお金を注ぎ込むが
彼女に対しては果てしなくケチ野郎だった。

誕生日もなし、記念日もなし、普通のデートだって必ず割り勘か私が払う。

しかしながら、まだ若かった私は
それでも彼のことが好きだった。
(今となっては思い出すだけで殴りたくなるけど笑)

話は戻るけど私は、ジェルネイルが大好きで
毎月必ず通って、必ず彼氏に見せていた。

そんな感じで、ダラダラ付き合ってたんだけど
私も年齢を重ねて、毎回デート代の割り勘・全て私が払うっていうことに
我慢ができなくなってきた。

ある日私は、彼にカマをかけた。
「今月お金ないから払って欲しい」

恋人にこの言葉言うのってちょっと勇気がいると思う。
なんというか、恥ずかしさもあるし。

だけどそれよりも、毎回こちらが多く払うとか
本当に我慢の限界で出てきた言葉だった。
(これが作戦)

だけど、彼の反応は予想を斜め上行った。

「おまえのそのネイルとマツエクはいくらかかってんの?」
「それやめたら払えるんじゃん」

私はこれを言われた瞬間
目の前の階段から足蹴りで突き落とそうかと思った。

脳みそが震えるくらい殴りたかった

まず、なんでおまえのために
大好きなものを辞めないといけないのか。

自分は、アニメやゲームオタクで
借金をしてまでも趣味に金を落としているくせに。

ネイルやマツエクが無意味なことにお金をかけていると思われていたが
私は、誰のためでもなく自分のためにしている。

辞めるのも続けるのも自分の判断。
もちろん、そのお金だって自分のお金。

彼氏だったら、「女の子にとって大事なことだもんね」とか
気の利いた一言がなにひとつ出てこないのか。

いまさら何を言っても変わらないけど
その彼は、ファッションセンスもなし。

30過ぎの男が
中学生がよく着ているような、英語が書かれたシャツを着るような人だった。

こーゆうの

ひとそれぞれのセンスがあるし価値観があるから
直接本人には言わなかったけど
ハッキリ言うと、こういう服を着ている人は好きじゃない。

もっとドン引きする話をすると
髪を3日間ほど洗わない。

本人は、「頭皮の治安を守るため」と言っていたが
私は知っている。

「風呂がめんどくさいだけ」
(って付き合いたての頃自白していたことを私は忘れていない)

そんなこんなで、自分に対する美意識がゼロである彼に
否定されたくなかった。

私は、「自分に対する手間」って私にとっては自分に対しての愛情だと思ってる。
彼のためじゃなくて、自分のため。

極端に自分の「見た目」に気を遣わない人は
他人の美的センスが理解できない。
だけどそれを否定するのは違うと思う。

今では、価値観が合わない人とは付き合わないと決めているので
こんなクズ男と出会うことはもうないけれど
「彼女」という大事なポジションに相手がいるのであれば

理解ができなくても、否定はしてはいけないと思う。

本人の前でこれやりたいね

自分にとって「手間、無駄なこと」だと思っていることも
相手にとっては大事なことだったりする。

もちろんこれは、私自身にも言えることだけど
せめて大事な人だと思っている人の価値観は
理解できなくても否定はしたくない。

そして、「自分磨き」するということは
自分への愛情だと思うし
自分を大事にできなかったら、相手に対して敬意もなくなるだろうし
大切にすることもできないと思う。

私はそういった考え方だから
元彼の「そのネイルと、マツエク辞めたらデート代払えるよ?」という言葉は信じられなかった。

あんまりここまで失礼な人って出会うことがないから
この話は今後も、反面教師として
酒のつまみとして語っていくと思う。笑



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