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【HSBG】2022年ロビーレジェンドまとめ(前半)

全国1億人のバトグラプレイヤーの皆さん、こんにちは。rinkです。

2022年も終わりが近付いて来ましたね。個人としては、去年の終わり頃にバトグラコミュニティと接点を持ち始め、この1年でバトグラを通して多くの方と交流することができました。皆様大変お世話になりました。ありがとうございます。


さて、バトグラコミュニティにおいて2022年最大の話題といえば、初の公式世界大会「ロビーレジェンド」の開催でしょう。年間賞金総額50万ドルを争い、世界中の凄腕プレイヤーたちが熱い戦いを繰り広げました。日本人プレイヤーの活躍も目覚ましいものがありましたね。

少し前まで所謂「見る専」であったこともある私にとっては(現在でも、バトグラを自分でプレイするより、他人のプレイを見ている方が楽しいと思っているくらいです)、いちプレイヤーとしてはもちろん、視聴者としても楽しみな催しでした。最終的に全9回の本戦の大部分をリアルタイムで視聴し、見られなかった部分のアーカイブも全て視聴するに至りました。

そこで、2022年のロビーレジェンドの結果と内容を振り返るとともに、個人的に印象に残った出来事等を記録しておこうと思います。これを読めば来年のロビーレジェンドをより一層楽しめる……かも?


第1回:レイドリーダー(4/3〜4/4)

大会結果

優勝:BeNice
出場日本選手:ponpata07(8位)、SeseiSei、keromon、Satellite

初の公式世界大会開催!

満を持して始まったバトグラ公式世界大会。今までのコミュニティ大会とは桁の違う賞金、そして初の公式世界王者を決めるとあって、プレイヤー達の気合いの入り方は並々ならぬものがあったように記憶しています。

また、チェックルールと呼ばれる独特のルールや、今まで謎に包まれていた中国サーバーのプレイヤーのプレイが見られるということもあって、大会配信も特に注目を集めましたね。

日本からは4名が本戦に出場。まさに日本コミュニティの四天王と呼ぶにふさわしい並びに胸が躍りました。以前からその実力と活躍を知っている方が世界と戦うというのは、やはりアツいものがありますね。

超ハイレベルなプレイの応酬

さて、肝心の大会の内容ですが、強いプレイヤーばかりのロビーはここまでゲーム展開が違ってくるのか、と驚かされた人も多いのではないでしょうか。大会当時のバディ環境はヒーローによって非常に強い動きや構成が存在しており、覚えることが特に多い環境でした。トッププレイヤーたちはそういった知識はもちろんのこと、長年培われた感覚をフル活用し、とてつもなくレベルの高い盤面を作っていきます。

そんなハイレベルな戦いの中、日本人選手ではponpata07選手が見事Day2に進出。Day1の3戦目、Day2進出には1位を取ることが条件の極めて厳しい状況で、「義足の義賊」を並べて1位を取りきった瞬間のガッツポーズは感動的でしたね。

ちなみに私はこの時、大会のパブリックビューイングをしていたDiscordに、試合を終えた直後(配信上では約20分後)のponpataさんが明らかにウッキウキの声で入ってきたことでネタバレを食らっていたので、全然感動しませんでした。

史上最短での決着

Day2は注目のチェックルールでの決勝戦。チェック状態のプレイヤーが1位を取るまでゲームが続くという形式上、長期戦になりやすい点や、下位のプレイヤーにも最後まで逆転のチャンスがある点が面白いルールです。

しかし、長期戦が見込まれていたDay2はたったの5戦で決着。4戦目でチェックをかけたBeNice選手が続く5戦目でそのまま1位を取り、早々と優勝を決めました。結局、これは今年の全9回のLL決勝では最短のゲーム数でした。

日本語配信の解説ネゲターさんは、以前これによく似たルールのコミュニティ大会で理論上最速で優勝を決めて大会を一瞬で終わらせてしまったことがあり、そこを散々ネタにされていましたが、伏線回収といったところでしょうか……。

日本人以外のプレイヤーとしては、準優勝した中国のhof選手のプレイが日本プレイヤーから特に注目を浴びていたように記憶しています。世界にはまだまだ未知の強者が大勢いることを予感させましたね。

第2回:ノーブルガーデン(5/14〜5/15)

大会結果

優勝:Maks7k
出場日本選手:梁瀬(3位)

ナーガ一強環境での大会

第2回のLLは、新シーズン開幕直後というタイミングでの開催となりました。まだ環境の習熟度が高くない段階での大会、出場者たちは一体どのような立ち回りを見せてくれるのか期待が集まり……

という展開には全くならず、新種族のナーガがあまりにも強すぎたために、最速で6発見して「潮の貴婦人アジッサ」「哨蛸オルゴゾア」のどちらかを手に入れることが最善とされる、非常にバランスの偏った環境での開催となってしまいました。

本戦出場者がその現状を理解していないはずもなく、ほぼ全員が最速6発見することしか考えていないような展開。しかもタチの悪いことに新環境序盤限定で全てのBANでナーガが必ず登場する状態であったために、本戦の1位構成はほぼ全てナーガ構成に染まってしまいました。

運ゲーの中に見えた光

個人の感想ですが、はっきり言って今年のロビレジェで一番つまらない(というか、しょうもない)大会だったと思います。優勝を決めたMaks7k選手が最速6発見を成功させた時点でガッツポーズしているのを見て、ガン萎えしたのを覚えています。くじ引きを見ている気分でした。

そんな惨憺たる様相の中で、日本から唯一本戦出場した梁瀬選手は、異端とも言うべき戦略を見せます。他プレイヤーと必ず競合するナーガ構成を無理に狙うのではなく、ナーガ構成をメタることができる編成で戦うことを一貫しました。結果Day2ではナーガ構成を一度も使用せず、当時日本人最高位の3位という好成績を収めました。

個人的に、本大会の梁瀬選手のプレイングの冴えは他選手と比べて頭一つ抜けていたように思いました。この予感は、後に現実に証明されることとなります。

第3回:エターナルナイト(6/25〜6/26)

大会結果

優勝:Waterloooooo
出場日本選手:keromon(8位)、キジル博士、あれっくす

バランスの取れた環境

ナーガ一強だった第2回の環境とはうって変わって、第3回LL開催時の環境は様々な種族が活躍できるバランスの良い環境と言われていました。4分の1の確率で出現する「ダークムーンの景品」を除けば、かなりシンプルな環境でもありましたね。

今大会では初の試みとして、大会中に次回アップデートで追加されるミニオンの発表がありました。良環境に水を差しそうな不穏なミニオンの数々に、プレイヤーからは不安の声が多く聞こえていましたが……。

XQN、降臨

今大会は、世界最強プレイヤーの一角と名高いXQN選手がついにロビーレジェンド本戦に初登場。そのプレイに大きな注目が集まりましたが、運にも恵まれずDay2進出とはなりませんでした。今後の大会でもXQNは苦戦する場面が目立ち、「XQNはDay2に行けない」というジンクスが生まれることになってしまいます。

日本勢は3名が出場し、唯一2度目の出場となったkeromon選手がDay2に進出。ロビレジェ出場者の多くが、過去に出場経験があると比較的楽な気持ちで臨めるとおっしゃっています。複数回出場者にはそれだけのアドバンテージがあると言ってもいいかもしれません。

古株が実力を発揮

優勝したのはWaterloooooo選手。バトグラ黎明期からランキングトップを争っていた古株の優勝は、個人的に感慨深いものがありました。

余談ですが、Waterloooooo選手の視点には自分の顔を映すカメラがなく、しかも代わりに映されていた選手写真が無表情かつ棒立ちのものだったため、無感情にノミエレメンタルを回して他のプレイヤーを蹂躙しているように見えて、ちょっとシュールでした。

また、日本コミュニティにとっても親しみのある台湾のプレイヤー、大頭皮選手が第2回に引き続き2連続準優勝という記録を打ち立てました。この大会のルールでの準優勝は純粋なアベレージの高さを意味しますので、今後の活躍にも期待したいですね。

タスクキル疑惑?

一方で、今大会中には大会のルールに不安を感じる場面もありました。

Day2において、とある選手が「ホガアァァ船長」を使用した海賊構成にて、大会ルールで禁止されているタスクキルをしていないとありえないと思われる挙動がありました(ここでは具体的な選手名は挙げません。アーカイブで確認できます)。

結局この挙動に関してどのような判断がなされたのか正式な発表はありませんでしたが、「タスクキルが故意である」という証明ができない以上、このルールで失格とすることはできないのではないか、と思います。今回は勝敗に大きな影響はありませんでしたが、ゲームの仕様とルールの乖離が少しずつ浮き彫りになってきた回でした。

第4回:炎の祭り(7/10〜7/11)

大会結果

優勝:KidFive
出場日本選手:Satellite(3位)、Aioisp、キジル博士

調整が難航していた時期

第4回LLの時期は、バトグラの環境調整が特に難航していた頃でした。特に『進化するクロマウィング』は度々能力を変更され、開発が調整に苦心していたことが伺えます。まあ明らかに悪さをしそうな効果の『妙ちくりんな薬剤師』を追加したり、運ゲーの象徴こと『変身者ゼラス』を何故か復活させたりしてるのが悪いんですが……。

謎に包まれた日本人選手

日本からは、第1回に出場したSatellite選手、第3回に出場したキジル博士選手が本戦へ。キジル博士選手は日本人初の2大会連続出場となりました。

今回はこの2選手が日本代表……と思いきや、本戦出場者のAioisp選手が日本からの出場であるという情報が公式からもたらされ、コミュニティからは驚きの声が上がりました。SNS等で捕捉されていない強豪プレイヤーが国内にもまだまだ隠れているということでしょうか。結局「Aioisp」は何と読むんですかね?

金ゼラス3連発

 今大会で印象的な出来事ととして、「ユードラ船長」と当時の環境で復帰した『変身者ゼラス』に関する珍事がありました。

Day1の試合でSatellite選手が「ユードラ船長」を使用した際、ヒロパから入手したのはなんとゴールデンの『変身者ゼラス』。ゼラスは手札に抱えることを前提とするミニオンであるため、ユードラの持ち味である最速のグレード6発見ができなくなってしまったこと、さらに次ターンにそのゼラスがグレ6の『ウーサー』に変身したことが、ロビレジェ始まって以来の驚きと笑いをもたらしました。

と思いきや、この後ユードラを使用したKidFive選手がヒロパから入手したのはまたしても金ゼラス。さらにさらに、次にユードラを使用したXunYu選手のヒロパからも金ゼラス。なんと3連続でユードラヒロパが金ゼラスというまさかの珍現象。ゼラスを引いた時の3人の表情は是非見てほしいです。

3連続で同じミニオンが出現するというのは、確率を考えるとさすがに何かしらのバグを疑うべき事案ですが、結局真相は分からずじまいでした。あれは一体何だったのか……。

長期戦、そしてあっけない幕切れ

今回のDay2はかなりの長期戦となりました。最初の4戦を終えてチェック者なし、最終的に7戦で決着。誰が優勝してもおかしくない激戦でした。

さて、そんな長期戦となったDay2は、思わぬ形で決着します。7戦目、チェックをかけたKidFive選手と、未チェックのRibapusa選手が1対1の状態に。そこで当時発生していた「『大暴走リロイ』に聖なる盾が付与されていると、リロイの断末魔が『リロイを破壊したミニオン』ではなく『リロイに付与された聖なる盾を剥がしたミニオン』を破壊してしまう」というバグが勝敗を決してしまうという事態になってしまいました。

このバグは当時から勝敗を大きく左右するとして問題になっていましたが、このLL本戦まで修正されず、公式からバグについての声明や詳細な説明もされていませんでした(上記のバグ内容も、有志による検証から推測されたものです)。例えるなら「サッカーでオフサイドのルールがいつの間にか変わり、選手に一切告知されていない」ようなもので、eスポーツを名乗るゲームとしてはいかがなものか、と思いました。

若干のモヤモヤが残る結末ではありましたが、優勝したKidFive選手の歓喜の雄叫びが全て吹き飛ばしてくれた感じがします。やはりワイプで選手の喜怒哀楽が見えるのは良いですね。

第5回:アゼロスの魔法(9/4〜9/5)

大会結果

優勝:rimgosu
出場日本選手:SeseiSei(2位)、あれっくす(4位)、アリシア(6位)、torisan(8位)、テスラ、ペンギンさん

大味なクエスト環境

前回から約2か月と、かなりの期間があいて始まった第5回大会。バトグラは本実装から「シーズン2」となり、クエスト環境がスタートしてわずか1週間足らずの大会でした。また、当時のクエストはまだ調整が十分ではなく、パワーも凄まじかったためにかなり大味な環境だったと記憶しています。

LL全体を通しての問題として、ラダーと予選と本戦の環境が同一ではないということが挙げられます。特にこの第5回は「クエスト」が新実装されたタイミングとあって、予選と本戦では全く異なる環境であり、これは予選の形式として正しいのか?という意見が散見されました。

出場者の新環境への適応期間が短すぎるという点は相変わらずですが、以前からスタンダードの大会でもその傾向があり、HS競技シーン全体の方針なのかなあ、と思います。

過去最多の日本勢

今大会は日本勢の躍進が目立った回でもありました。過去最多の6名が本戦進出、さらにそのうち4名がDay2に進出。Day2進出者8名の半分が日本選手という、支配的と言っても過言でない成績を残しました。

本戦初出場のプレイヤーも多く、アリシア選手はスマホ勢、torisan選手は前シーズンヒーロー選択が二択の状態でLL予選権利獲得など、個性にも富んだ面々でした。日本人初のLL制覇がついに出るか、という期待もこれまで以上に高まっていましたが……

まさかのトラブル

今大会はやたらとインターバルが長く、なかなか試合が始まらない場面が多かったですが、これはこの時期のフレンド戦の卓立てにバグが多かったことが原因のようです。卓立てを担当することの多かったSeseiSei選手は、見えないところでめちゃくちゃ苦労していたらしいです。

さらに5ゲーム目にはまさかの事件が起きてしまいます。この時点で単独チェックをかけていたRibapusa選手が、中盤からクエスト「被害者の亡霊」で超強力なナーガ編成を構築。誰もがRibapusa選手の優勝を確信し、残り3人まで絞られた状態から戦闘フェーズに入ろうとしたその時、戦闘フェーズに入らぬまま3選手全員の通信が切断され、復帰不可能な状態になってしまいました。

公式からは「技術的な問題が発生」という情報がありましたが、この現象はアップデート直後から度々報告されていたもので、「サーバー側でエラーが発生した場合、ロビーの全員の通信が切断され、ノーコンテストとなる」というものです。アプデ直後のコミュニティ大会でも同様の問題が発生しており(筆者もその犠牲になりました)、LLについても不安視する声がありましたが、それが最悪のタイミングで起きてしまった形です。

この後公式からはあくまで「ルール上の裁定」ということで5ゲーム目はノーコンテストとなり、Ribapusa選手の優勝は幻となってしまいました。前回大会のリロイバグといい、Ribapusa選手は何かに呪われているのでは……?

この事件によって配信は荒れに荒れ、多くのプレイヤーから苦言を呈される事態となりました。Day2出場者で、スタンダードの競技シーンでも実績のあるXixo選手が、運営に対して皮肉っぽいコメントをしていたことが印象的です。個人的に、日本語公式配信の蒼汁さんが咄嗟に謝罪をされていたのが、プロだなあと感心したのを覚えています。

最終的に試合は8戦目まで続く長期戦となり、後半でスコアを巻き返した韓国のrimgosu選手が優勝。英語が得意ではないrimgosu選手が頑張ってインタビューを受けている様子が微笑ましかったですね。


力尽きたので一旦ここまで。残りは来年書き上げて投稿します。皆様よいお年を~~~


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