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私の右はあなたの左

右と左をどうやって覚えたか、

思い出せますか?

これ、けっこう難しいと思うんです。




私は「右手」「左手」を先に覚えたと思う。

その時、右手にあった傷から

「傷があるのが右手」と覚えたのが記憶にある。




ところが、保育園の時、

みんなで手を繋いで輪を作って「右に回るよー」と先生が言う時、

私は右の方に動くが、向かい側にいる人は、

私から見た左の方向に動いていくではないか。

それが不思議でたまらなくて、じーっと考え始めた。




まず、私の右手は右。

でも右手を繋いだ隣の人の手は、その人の左手なのかもしれないと知る。

右方向にあるのに、左手…。




そうなの?




なんで?




右なのに左??




ここが第一難関だった。




次に同じようにその人の右はその次の人の左手と手を繋いでいて…

と繰り返すと、確かに全員が右の方向に動いている。

それでも幼い私は、

なぜ反対側の人の右手は自分と反対の位置にあるのかを

理屈だけでは納得できなくて、

「自分と反対側に立つ人は右と左が入れ替わる」と

覚えようと思って覚えた記憶がある。




自分の手の左右、自分から見た左右がわかっても、

他人にも左右があり、

それは自分のそれとは必ずしも一致した方向ではないと学ぶことは、

客観的思考に通じているところである。

今となっては当たり前のことだが、

「私にとっての右は、あなたにとっての左」ということは、

学んで得られた視点なのだと気づく。




方向は絶対的ではない。




とわかっているのに、

私はいまだに、北の方へずっと歩いて行けば、南に辿り着くのだから、

南北って何なの?と思っている。

私たちより北にいる人の北は私たちの南なのか?と思って

不思議でいっぱいなのだ。(笑)

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