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読書感想(Audible版) 加藤俊徳さん『一生脳がよくなり続けるすごい脳の使い方』

 脳は、死ぬまで成長し続けるというのがここ数年の常識のようです。
 研究が進んできたからなのか、国民の平均年齢が50歳の日本では、そういうことにしておかないと本が売れないのか、その辺は分からないですが、青年期を超え中年になった身としてはこのまま衰えていく一方ではないというのは希望でもあります。

 複雑な脳を大きく8のエリアに分け、それらを"脳番地"として定義していたので以下に示しておきます。
 
思考系脳番地
→思考や判断に関係する脳番地

感情系脳番地
→感性や社会性に関係する脳番地

伝達系脳番地
→話したり伝えることに関係する脳番地

運動系脳番地
→体を動かすことに関係する脳番地

聴覚系脳番地
→耳で聞くことに関係する脳番地

視覚系脳番地
→目で見ることに関係する脳番地

理解系脳番地
→物事や言葉を理解するのに関係する脳番地

記憶系脳番地
→覚えたり思い出すことに関係する脳番地

 これらがお互いにお互いを刺激し合うということでした。
 年齢を重ねていくと関節が痛いなどの理由もあり身体を動かすのが億劫になったり、耳が遠くなったり、老眼になって小さな文字を読むのが大変になったり、経験してきたことが多くなるから感動することが減ってしまったり、顔を合わせる人に変化がないので最小限の言葉のやり取りで通じてしまったりと様々な刺激の減少が起こり得ると思いました。
 それらが積み重なって、脳に刺激がなく、衰えていくというのは、身近なお年寄りを何人か見てきたので、体感として、大変納得しました。

 巷ではChatGPTを始めとする生成系AIの進歩が目覚ましく、とんでもないスピードで精度をあげています。近い将来、手塚治虫さんの『火の鳥 未来編』に出てくるハレルヤや、ディズニーピクサーの『ウォーリー』に出てくるオートのように、人が機械に支配されてしまう日がきてしまうかもしれません。
 「人は考える葦である」とはパスカルの言葉ですが、考えることを辞めた人間はただのひ弱な存在ということですので、死ぬまで思考していきたいものだと思いました。


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