言わずとしれた声優の緒方恵美さんの自伝的エッセイです。

　書籍は文字で読む方が頭に入りやすいと思っているのですが、せっかくサブスクで月額料金払っているのだし、新しい書籍はKindleUnlimitedよりAudibleの方が早く出ることが多いので、とりあえず内容を知りたいという意味合いで普段Audibleを利用しています。
　しかし、この書籍に関しては、著者である緒方さんが朗読しているので、是非とも「聴く読書」していただきたいです。

　週刊少年ジャンプで連載されていた『幽☆遊☆白書』がアニメ化されるというのも、本誌でリアルタイムで知ったというような世代なのですが、小学生だったので、声優が誰とか全く気にしていませんでした。漫画では黒髪の蔵馬がアニメだと赤髪になるってところに違和感があったくらいで、すんなり受け入れていたように思います。まさか、あれが緒方恵美さんのデビューだったなんて、全く知りませんでした。しかも、女性声優が担当することで非難があったというのも驚きでした。

　緒方さんのお名前を意識したのは、やはりエヴァだと思います。しかし、同じエヴァ声優の林原めぐみさんや宮村優子さんのご尊顔は当時見た記憶があったのですが、緒方さんは記憶になかったのですよね。とはいえ、声優ブームというものがその時にあって、一般メディアへの対応を迫られ、それがまたたくさんのご苦労をされたというのですから、どの世界でもパイオニアは苦労が多いのだなと思い知らされました。

　ご家族の事や仕事やご自身のお身体のことで様々な苦難を乗り越えて、第一線で活躍し続ける姿にとても勇気づけられました。読後は、さあ頑張ろうと思えるので、ちょっとお疲れの方にもおすすめの本です。