ピローの夢の中...
ピロー「あれ...何も起きない...」
ピローは辺りを見渡したが、怖いものも嫌いなものも何も見当たらず、ただ綺麗な野原にいた
ピロー「もしかして...悪夢を見なくなったのかな！？やったーー！！」
ピローは楽しくなり辺りを走り回った
すると...
ピロー「あ！あの後ろ姿は...！」

彼が見たのは少し前にここたまタウンを去ったスコープの後ろ姿だった
ピロー(もしかして...戻ってきてくれたのかな...！？)
ピローはスコープの元へ駆け寄った
ピロー「スコープーー！！」
スコープ「近寄らないで」
ピロー「え...？」
スコープ「君は僕に撮って目障りな存在だよ、もう君とは関わりたくないんだ」
スコープはピローの方を向かないまま淡々と言葉を並べた
ピロー「なんで...？」
スコープ「君はすぐに寝たと思ったら今度は元気になって...どう言う性格なのか掴めないんだよ、散々僕のこと振り回したんだよ？だからもう関わりたくないんだよ」
ピロー「そんな...僕達友達じゃないか！！」
スコープ「友達...？笑えない冗談だね」
スコープはピローの方を向いた、スコープの目はピローと初めて会った時とは別に全く輝いておらず、冷ややかな目でピローの方を見ていた
スコープ「あそこに座った時にここたまであり君がたまたまきたからお話ししようと思っただけだよ、それ以上でもそれ以下でもない」
ピロー「スコープ...」
スコープ「じゃあね、もう二度と会うことはないだろうけど...」

スコープはピローに背を向けて歩き出した
ピロー「待ってよスコープ！」
ピローはスコープを追いかけた
ピロー「うわっ...！」
その途中でピローは転んでしまった
ピロー「うぅ...」
スコープ「...。」
スコープはただ歩いているだけのはずなのにピローはどれだけ一生懸命走ってもスコープに追いつくことができなかった。
ピロー「行かないで...スコープ...！」
彼が叫ぶと辺りに雷が轟き、雨が降り出した
ピロー「うぅぅ...」
ピローはついに泣き出してしまった

現実世界
ピロー「はっ...」
ピローは夢から覚めた
彼の頬には涙が流れていた
外では先ほどの夢の続きになっているかのように土砂降り雨が降っていた
ピロー(僕の...大切な友達...！)
ピローはベッドから起き上がり、スコープと初めて出会った桜の木の下に向かった

ピローが寝る少し前...
スコープ(そろそろこの町を出ようかな...ってずっと思ってたけど...何故だか最近...大切なものを失ったような感覚に襲われる...そのせいでこの町を出れずにいる...この感覚はなんなんだろう...？)
スコープは星占いを始めた
スコープ(『すぐにここたまタウンに戻れ、君の大切な友達が苦しんでいる』...ピロー...？)
すぐさまスコープはここたまタウンを目指して歩き出した
スコープ(僕の...大切な友達...！)

桜の木の下で...
ピローが先に桜の木の下についた
ピロー「スコープ...会いたいよ...スコープ...」
ピローは土砂降りの雨の中眠ってしまった
数分後...
スコープも桜の木の下についた
スコープ(ピロー...魘されてる...こんなに悪い天気の中で...)
スコープはピローを雨に当たらない場所に連れて行った
スコープ「ここなら濡れないかな...」
ピロー「スコープ...」
スコープ(寝言かな...？)
ピロー「スコープ...行かないで...」
スコープ「ピロー...」
スコープ(ピローが僕をどう思ってるかはわからないけど...僕の寂しさの原因はピローがいないからだ...僕...ピローがいないと...ダメなのかもしれない...)

ピロー「ん...」
ピローが目を覚ました
ピロー「スコープ...！？」
スコープ「ピロー...」
ピロー「スコープ...！！」
ピローはスコープに抱きついた
ピロー「会いたかったよぉー！！」
スコープ(僕も...会いたかった...！)
スコープもピローを抱きしめ返した
ピロー「僕ね...君が旅に出た日から...寝る度に悪夢を見るようになっちゃったんだ...さっき見たのは君に嫌われちゃう夢...今まで見た夢の中で1番嫌な夢だったよ...」
スコープ「僕は...君を嫌いになったりしないよ...」
その言葉を聞いてピローは安心しきったかのように溜息をついた
ピロー「でもね...」
スコープ「ん？」
ピロー「スコープと一緒だったら...僕...悪夢なんてへっちゃらだもんね...」
ピローはスコープの胸にもたれて眠ってしまった
スコープ「ピロー...」
スコープはピローの背中を撫でながら考え事をした
スコープ(僕が旅に出た日ってことは...かなり前から魘されてたってことになるのか...)
スコープもピローの頭にもたれて目を閉じた
スコープ(僕も...ピローにとって大切な友達だったらいいなぁ...)
スコープも眠ってしまった

続く