たまシャイン「マイナスパワーが見習いここたまの体を乗っ取って暴れ回っているの...」
ユラノ「あいつ...！」
キャリー「ケリー！！」
たまシャイン「お知り合いなの？」
ユラノ「少し前に...」
たまシャイン「何か事情があるの...？」
ユラノ「そんなことよりあいつを止めないと！」
キャリー「ケリー！元に戻ってよ！！」
たまシャイン「近づいてはダメよ！」
キャリーはマイナスパワーに乗っ取られたケリーに腹部を思いっきり蹴られた
キャリー「あぐ...！」
ユラノ「大丈夫かい！？」
キャリー「だ...大丈夫...」
ユラノ「近づいたら蹴られちまうね...」
たまシャイン「ユラノ、あなたの魔法で...彼の意思を揺らがせてちょうだい」
ユラノ「言われなくても...身内の恥は身内でなんとかするよ...！！」
ユラノ『ここんぽいぽいここったま！ゆらりゆられののらったま！』
ユラノが投げた葉っぱはあらぬ方向へ飛んでとくまるに刺さった
とくまる「...何やってるでやんすか！！キャリーがこんなに悲しい思いをしているというのに...それでも男でやんすか！！！」
ムキテツ「ユラノ、安定の方向音痴」
ユラノ「るっさいよ！！！」
たまシャイン(この子単体の魔法だとあのマイナスパワーの元に届けるのは難しい...このとくまるっていう子の魔法は「得か損かを教えてくれる」というもの...今のマイナスパワーに損か得かの判断で行動させるのは危険ね...次にムキテツってこの魔法は...「力持ちにしてくれる」魔法...マイナスパワーの力がさらに強大なってしまうわね...やはり1番安定しそうなのは「意思を揺らがす」ユラノの魔法ね...どうしたらあのマイナスパワーに届くかしら...)
たまシャイン「あなた！」
キャリー「え...？」
たまシャイン「お名前は？」
キャリー「キャリーです...」
たまシャイン「あなたの魔法は？」
キャリー「『想いをキチンと届かせる』魔法です」
たまシャイン(この魔法なら...ユラノの魔法と組み合わせたらマイナスパワーに届くかもしれないわね...)
たまシャイン「ユラノ！もう一度魔法を使ってみなさい」
ユラノ「でもアタイの魔法は...」
たまシャイン「大丈夫、キャリーがサポートしてくれるから」
ユラノ「こいつが...？」
たまシャイン「さあ、やってみて」
ユラノ「ったく...」
ユラノ『ここんぽいぽいここったま！ゆらりゆられののらったま！！』
ユラノはふたたびマイナスパワーに向かって葉っぱを投げた
たまシャイン「キャリー、今よ！」
キャリー「よし...！」
キャリー『ここんぽいぽいここったま！ハピネスどっさりプレゼントー！！』
キャリーは葉っぱに向けて魔法をかけた
するとその葉っぱはマイナスパワーに当たった
キャリー「当たった...」
たまシャイン「さぁ、これでどうなるか...」
マイナスパワーに乗っ取られたケリーは動きを止めた
ユラノ「動きが...止まった...？」
マイナスパワーは光の粒となり消えていった
そして昏睡状態のケリーが後に残った
キャリー「ケリー！！」
たまシャイン「気絶してるみたいね...」
とくまる「大丈夫でやんすか...？」
たまシャイン「分からないわ...」
たませんにん「強大なマイナスパワーが発生していたようじゃが何があったーー！？！？」
ユラノ・とくまる・キャリー「たませんにん！」
たませんにん「ん？こいつは確か...」
たまシャイン「お会いしたことがあるのですか？」
たませんにん「こいつは昔持ち主を見殺しにした見習いここたま...ワシが魔法を使えなくしたんだったんじゃが...まさかこいつにマイナスパワーが...？」
キャリー「なんで...」
たませんにん「んあ？」
キャリー「なんでケリーの話をちゃんと聞いてくれなかったんですか！？」
たませんにん「！？」
たまシャイン「キャリー...」
キャリー「ケリーが...これまでどんなに苦しい思いをしていたか...何も知らないくせに...分かったような態度で勝手なことしないでください！！」
ユラノ「これに関してはアタイもそう思うよ」
キャリー「ユラノ...」
ユラノ「アタイらもアイツの話聞いたけど、明らかにあんたらの対応はおかしいよ！たまシャインとやらもなんで何にも言わないんだい？」
たまシャイン「私は...大変申し訳ございません」
ユラノ「アタイに謝ったってどうにもならないだろ...謝るんならケリーに謝りな」
たまシャイン「この子は...私が看病します」
キャリー「私も連れてってください！」
たませんにん「見習いはここたま界には入れんぞ！」
ユラノ「あ“？」
たませんにん「うっ...特別に許可しよう...」
ユラノ「たまシャイン」
たまシャイン「はい...」
ユラノ「あんたらの仲間に言っときな「昔根拠もなく責め立てた見習いここたまにちゃんと謝りなさい」ってね！！」
たまシャイン「分かりました...キャリーさん、こちらへ...」
キャリー「はい...」
たまシャインはキャリーと昏睡状態のケリーを連れてここたま界に戻った
たませんにん「...。」
ユラノ「何ぼさっとしてるんだ！原因は全部あんたなんだからね！あんたが1番最初にケリーに謝るんだよ！！！」
たませんにん「お...おう...」
たませんにんもここたま界に戻って行った
ユラノ「はぁ...」
とくまる「面倒なことになったでやんすねぇ...」
ユラノ「ふんっ...アイツらと縁を持ったアタイがバカだったよ」

その後ケリーは半年以上昏睡状態から目覚めなかった
たまシャインとキャリーは一生懸命看病したが、なかなかケリーは元に戻らない
ケリーの口や腕、脚から出てきたマイナスパワーの体のせいで口が裂けてしまっていた
その傷は治ってきていた
たまシャイン「なかなか目覚めないわね...」
キャリー「ケリー...」
たまシャイン「傷の方は大分治ってきたけど...」
キャリー「私...もっと頑張ります！」
たまシャイン「ありがとう...キャリー」
キャリー「え？」
たまシャイン「ごめんなさい...私がたませんにんの暴走を止められなくて...」
キャリー「いいんです、たまシャインさんは何も悪くないです、ケリーのことを元に戻す方法を見出してくれましたから...」
たまシャイン「キャリー...」
ケリー「ﾋﾟｸｯ」
たまシャイン「！？」
キャリー「今動いた...？」

ん...俺はいつから眠ってたんだ...
ずっと記憶がない...
確か最後に俺は体調が悪くなって...
ってここはどこだ...？
なんだか見覚えのある場所だ...
...なんで目の前にこいつがいるんだ...？
オマケに一人前ここたままでいやがる...
すっごく嫌な状況だなとっととここから逃げy...
キャリー「ケリー！！！よかったぁ！！！」
ケリー「なんだよ...お前...」
たまシャイン「よかった...目が覚めて...」
こいつら...なんなんだ？
たまシャイン「あなた...マイナスパワーに乗っ取られてたのよ...」
ケリー「マイナス...パワー...？」
あ、例のキノコか...？
キャリー「ケリーが食べてた青いキノコが...マイナスパワーみたいだったね...」
たまシャイン「だから原因がわからなかったけどマイナスパワーが減少し続けたのね...」
ケリー「はぁ...」
たませんにん「目覚めたか！！」
ケリー「っ！」
俺は怖くなって身を縮こませた
たませんにん「なーにそんなに怖がるな、今日はお前に朗報があってきたんだ」
ケリー「朗報...だと...？」
こいつが言う朗報とか嫌な予感しかしないんだが...
たませんにん「今日からキャリーをお前の相棒ここたまに任命する！」
ケリー「は？」
キャリー・たまシャイン「え！？」
キャリー「聞いてないんですけど...」
たませんにん「そりゃそうじゃ、たった今決めたんだから」
たまシャイン「相変わらずですね...」
たませんにん「お前の本来の魔法とキャリーの魔法が非常に相性が良さそうでの」
ケリー「俺の魔法とこいつの魔法が...と言うか、お前が俺から魔法を奪ったから俺は自力で魔法を編み出したんだろうが...」
たませんにん「ハッハー！まあ過ぎたことじゃろ」
ケリー(反省の色が見えねえ...)
たませんにん「キャリーの「想いをキチンと届かせる魔法」とお主が本来持ち合わせていた「物事の仕上げをきっちりキメる魔法」この二つの魔法が合わされば怖いものなしじゃ！」
ケリー「まあそれは一理あるな...でもこいつはいいのか？」
キャリー「え？」
ケリー「だって俺...酷いことしただろ...いくらマイナスパワーに取り憑かれていたとはいえ...」
キャリー「ううん...全然気にしてないよ、むしろ心配してくれてありがとう」
俺は大きくため息をついた
ケリー「こいつがいいって言うなら俺も協力する」
キャリー「ケリー...！」
たまシャイン「たませんにん、何か相棒ここたまに関しての活動方法を考えてらっしゃ...る訳ないですよね...活動方法に関しては私から何か提示するわね」
キャリー「分かりました」
ケリー「おう...」

その後、一人前ここたまがゾロゾロとやってきて俺に謝ってきた
正直鬱陶しかったが、謝罪は素直に受け入れた
傷跡が見えるのが嫌だったので口と手脚の末端に包帯を巻いた
ケリー「ふぅ...」
キャリー「ケリー行くよー！」
ケリー「はいはい...」
キャリー「今日も頑張ろうね！」
ユラノ「頑張ってるみたいじゃないか」
ノラたまトリオがコタローに乗って2人の目の前に現れた
キャリー「ユラノ！」
ケリー「またお前らか...」
とくまる「わざわざユラノ姐さんが出向くって言って会いにきてくれたでやんすよ！？もう少しありがたい気持ちを表に出すでやんす！」
ケリー(こいつ...いっつもこうなのか...？)
ユラノ「相棒ここたまだってね、いい響きだ」
ムキテツ「お前らはいいコンビだ」
キャリー「まっあねー！」
ユラノ「じゃあアタイらは食べ物を探しに行くよ、コタロー行くよ！」
コタロー「にゃああああ！！」
キャリー「また会おうねー！」
ケリー「...さあ、行くぞ」
キャリー「うん！」
まさか俺のトラウマから生まれたここたまと相棒になるなんてな...へっ、ここまできたらもうどうにでもなっちまえ、こいつとのここたま活動を全力で頑張ってやるぜ！
俺は無意識のうちに明るくなっていた