ショコランシェ、一人前への道

ショコランシェは一人前ここたまになるために毎日ここたま活動に励んでいた
時は流れ...りのちゃんは中学3年生になっていた
しかし...
りの「もう...学校になんて行きたくない...!」
ショコランシェ(りのちゃん...あたしがしっかりしなきゃ!)
ショコランシェ「ここんぽいぽいここったま!よっこらシェーのどっこいシェー!」
りのちゃんの悩みが大きな錘となってショコランシェの上に落ちてきた
ショコランシェ「ぐ...昨日より重くなってる...がん...ばれ...がん...ばれ...あたし...負け...るな...負け...るな...あたし...!」
ショコランシェは自分の上に落ちてきた錘を投げ飛ばした
りの「あれ...?」
ショコランシェ(りのちゃんの悩みが軽くなったみたい!しゃー!!)
りの「...どうせまたバカにされるよ」
ショコランシェ(ガーン!!)
ショコランシェは倒れ込んでしまった
ショコランシェ(今のりのちゃんの悩みは...あたしが半分にしても重すぎるんだね...もう一回ここトレハウスで修行するしか...)

ショコランシェはひかりの元へ急いだ
ショコランシェ「確か一人暮らしを始めたって...あった!」
ショコランシェはひかりが一人暮らしを始めたアパートの一室の前に来た
ショコランシェ(インターホンの位置高い...でも諦めない!)
ショコランシェはものすごい勢いでインターホンの位置まで登り、インターホンを押すことに成功した
ひかり「誰だろうこんな遅くに...」
ひかりは玄関のドアを開けた
ひかり「どちら様...ってピンポンダッシュか...」
ショコランシェ「ひかり!下!」
ひかり「ん?その声は...!」
ショコランシェ「あたしだよ!」
ひかり「ショコランシェ!久しぶりだね!」
ショコランシェ「久しぶり!あっ、今日はお願いがあって来たんだよ!」
ひかり「お願い?」
ひかりはショコランシェを部屋の中に入れて事情を聞いた

ひかり「そっか...りのちゃんが中学校に行かなくなっちゃったんだね...」
ショコランシェ「そうなの...お母さんが呼んでも全く耳を貸さなくて...同じクラスの替え人に自分の夢をバカにされてから行かなくなっちゃったんだよね...」
ひかり「それは酷いね...お願いっていうのはそれに関する話?」
ショコランシェは小さく頷いてから言葉を続けた
ショコランシェ「まだここトレハウスって残ってる?」
ひかり「うん、残ってるよ」
ショコランシェ「あたし...もう一回修行しなおしたい!」
ひかり「でも...ショコランシェはもうここトレハウスをクリアしてるでしょ?」
ショコランシェ「そうだけど...今のあたしのままじゃりのちゃんを助けてあげられない!もっともっと強くなりたいの!」
ひかり「ショコランシェ...よしっ!ショコランシェの心意気を買うよ!」
ショコランシェ「え?」
ひかり「ここトレハウスをパワーアップさせるね!」
ショコランシェ「パワーアップしたここトレハウスで修行したら...絶対にりのちゃんを助けられるよね!」
ひかり「そう、それね!」

ひかりは1時間足らずでここトレハウスのパワーアップを終えた
ひかり「ショコランシェ!できたよ!」
ショコランシェ「わあ!ありがとうひかり!」
ここトレハウスは前作に比べて部品一つ一つの稼働速度が上がっていて、更に古い戦車のおもちゃを再利用したランニングマシンや自身の腕のみで駆け上がる(足を使うと崩れる)梯子が新たに追加された
ショコランシェ「よーしトレーニング開始!!」
ひかり「無理はしないでね」
トレーニングを開始して2時間が経過した
ショコランシェ「はぁ...はぁ...」
ひかり「そろそろ休んだら?」
ショコランシェ「ダメ...この程度で疲れてたら...りのちゃんを助けられない!」
ひかり「ショコランシェ...」
するとその時...

ライチ「ひかり〜」
ひかり「おぉ!ライチも来た!」
ライチ「“も”って?」
ショコランシェ「ライチお兄ちゃん!?」
ライチ「ショコランシェ!久しぶりだね!」
ショコランシェ「そのパンツ...!」
ライチ「うん!僕は一人前ここたまになれたんだ!」
ショコランシェ「かっこいい!一人前ここたまでもライチお兄ちゃんはあたしの先輩だね!」
ライチ「えへへ〜」
ひかり「ライチもここトレハウスでトレーニングしてく?」
ライチ「え?」
ショコランシェ「ひかりがパワーアップしてくれたんだ!一人前の力量を見せて!」
ライチ「なんでパワーアップを?」
ショコランシェ「それは...訳は後で話すから!」
ショコランシェはライチの背中を押した
ライチ「分かった!分かったから押さないで〜!」
ライチはショコランシェよりも速く新しい器具にも慣れた
しかしショコランシェ以上のスタミナはないらしく、1時間もしないうちにへとへとになってしまった
ライチ「はぁ...はぁ...思ったより疲れるねぇ...」
ショコランシェ「でもさすがだよ!新しい器具にもう慣れてるし!」
ライチ「はは...あ、なんでパワーアップさせたのか聞いてもいい?」
ショコランシェ「それがね...」
ショコランシェはライチに現在のりのちゃんの様子を話した

ライチ「そうなんだ...」
ショコランシェ「だから...もっともっと強くなってりのちゃんを助けたいの」
ライチ「ショコランシェの想いきっとりのちゃんに届くよ」
ショコランシェ「ライチお兄ちゃん...!」
ひかり「あ、ねぇライチ」
ライチ「なに?」
ひかり「他のみんなは一人前になれたのかな?」
ライチ「えーっと...ピコタとポカリンとヒートンはなれてるよ!」
ひかり「おぉ!ここトレハウスの卒業生が続々と一人前になれてるね!」
ショコランシェ「まだ...あたしだけなれてない...」
ライチ「みんなの中で1番遅く生まれたんだからしょうがないよ、気を落とさないで」
ショコランシェ「うん...よし!トレーニング再開!!」
ライチ「切り替えが早い!?」
ひかり「にひひ...」
ひかり(そういえば...小学校卒業して以来こころとのぞみとも連絡とってないなぁ...またみんなに会いたい...)
それからショコランシェはりのちゃんの様子を見つつここトレハウスでのトレーニングに励んだ

そして1ヶ月...
ショコランシェ「よし!今ならもう行ける気しかしない!」
ひかり「頑張ってねショコランシェ!」
ライチ「本当に大丈夫?いざとなったら僕が助けるよ?」
ショコランシェ「ライチお兄ちゃん」
ショコランシェは真剣な表情をしてライチの顔を見た
ショコランシェ「ありがとう、でも今回のことはあたし1人で解決したいの。そうじゃないと意味がないから。」
ライチ「ショコランシェ...うん!僕も応援してるよ!」
ショコランシェ「うん!じゃあ行ってくる!」
ひかり・ライチ「行ってらっしゃいショコランシェ!」

ショコランシェはりのちゃんの家に向かって全速力で卵を転がした
すると...
ショコランシェ「あれ?」
ショコランシェはりのちゃんが登校していく様子を見た
ショコランシェ(りのちゃんが自ら学校に!?あたしが少しずつ悩みを投げ飛ばしてたのもあるかもしれないけど...これは間違いなく大きな成長だよりのちゃん!)
ショコランシェはりのちゃんの後を追うように中学校に入った

教室にて
男子A「あれあれ?りのさんじゃないっすか?」
男子B「将来の夢は確か...小学校の先生の?」
男子C「はっは!いつ聞いても笑えるわ!」
りの「っ!」
りのちゃんは教室を飛び出してしまった
ショコランシェ(りのちゃん...!)
男子A「追うぞ!」
男子B・C「おう!」
りのちゃんは体育館裏に逃げてきた
りの「はぁ...はぁ...」
男子A「おい、何逃げてんだ?」
男子B「本当のこと言ってるだけだよなぁ?」
男子C「俺たち何も悪くないよなぁ?」
りの「私は...」
ショコランシェ(...!)
ショコランシェ「ここんぽいぽいここったま!よっこらシェーのどっこいシェー!」
ショコランシェの体の上にかつてないほど大きな悩みの錘が落ちてきた
ショコランシェ「りのちゃんのために...これまでずっとトレーニングしてきたんだから...このくらいのことで...あたしは負けない...がんばれ...がんばれ...あたし...負けるな...負けるな...あたし...!」
ショコランシェは錘を投げ飛ばした
りの「私の将来の夢は小学校の先生」
男子A・B・C「は?」
ショコランシェ(りの...ちゃん...?)
りの「それの何が悪いの?」
男子A「簡単になれる訳ねえのにそんなにデカデカと言ってるのが面白えんだよ」
りの「簡単に実現できる夢なんてないよ、でも夢に向かって進むことはできる。その時の努力は絶対無駄にならない...私はそう思ってる。」
男子A・B・C「...。」
りの「あなたたちにもあるんじゃないの?将来の夢の作文は白紙で提出してたみたいだけど」
男子A「プロ野球選手...いつかはメジャーに行きたい」
男子B「警察官...この国の平和を守りたい」
男子C「医者...病気の人を治してあげたい」
りの「とっても素敵な夢じゃない」
男子A・B・C「...。」
りの「私はね...。とっても優しい先生になりたい、いつでも生徒に寄り添って、悩みとかがあったら一緒に背負ってくれる、ランドセルみたいな先生」
ショコランシェ(りのちゃん...!)
男子B「お前本当にランドセルが好きだな」
男子C「入学前にあれだけど見せつけてきてたしな」
りの「だって...あの時はすっごく嬉しかったんだもん...今でもずっと大事にしてる...私の将来の夢と同じくらいに...」
男子A「...悪かったな、お前の夢をバカにして」
男子B「俺も...」
男子C「ごめん...」
りの「いいよもう...その代わりさ」
男子A・B・C「?」
りの「約束してくれない?夢は叶わないかもしれないけど実現させるための努力は怠らないって」
男子A「おう!」
男子B「お前もな!」
男子C「約束だからな!」
男子A・B・Cはりのちゃんに小指を差し出した
りの「...うん!」
四人はきっちりと約束した後教室に戻って行った
ショコランシェ(りのちゃん...あたし本当に感動したよ...!)
すると...
教室に戻る途中の4人の胸からハッピースターがそれぞれ一個ずつ(計4個)飛び出した
ショコランシェ「っしゃーーー!!!」
ショコランシェは大急ぎでひかりの家に向かった

ひかり「よく頑張ったねショコランシェ!」
ライチ「やったね!」
ショコランシェ「ううん、あたしは少し力を貸しただけだよ」
ひかり・ライチ「え?」
ショコランシェ「この問題を乗り越えることができたのは、りのちゃんの力があったからだよ」
ちょうどそこに雲に乗った紙が出てきた
ショコランシェ「なにこれ?『ランランのシェアするわのみことを一人前ここたまに任命します』!?!?」
ひかり「おぉ!ついにショコランシェも一人前になれたんだ!」
ライチ「おめでとう!ショコランシェ!」
ショコランシェ「う...うぅぅ...」
ショコランシェはしゃがみ込んでから空高く飛び跳ねた
ショコランシェ「っっっしゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

おしまい

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