時刻は18:30。 チリリリン、チリリリン。と店内によく響くドアベルが鳴れば、それぞれお仕事をしていたメイドさんたちが一斉に扉に向かって振り向く。あるものはコースターにスタンプを押す手を止めて、あるものは手持ち無沙汰にカウンターに置かれたアルコール瓶たちの向きを揃える手を止めて。 「おかえりなさ〜い!」 「あ、おかえり〜」 「おかえりなさいませ〜」 それぞれの挨拶が飛び交う中、ひとりの少女が音の鳴る方へとすぐさま駆け出して行った。翻った白いエプロンやふわりと広がる