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【宝塚】宙娘とは何ぞや

こんにちは、唐梨です。
各組娘役の「らしさ」について語るこちらのシリーズ、ついに最終回。
最後はやっぱりこの組、宙組ですっ!

過去シリーズはこちら。



一番新しい組だけれども

考えてみれば「宙組らしさ」についてはまだしも「宙娘らしさ」について、確固たるイメージを持って語られることは、他組に比べるとあまり少ないのではないでしょうか。「花月雪星以外の、一番新しい組の娘役さん」という消去法な印象が強いというか。

宙組は19995年にできた一番新しい組です。ゆえに一番歴史が浅いので、宙娘の系統を判断する材料が他組より少ないわけですが、それでも、もうすぐ25周年間近。やはり振り返ってみると、確かに「宙娘らしさ」が醸成されているように思うのです。



宙娘らしさを表すキーワードとは

では、その宙娘らしさとは何なのか?キーワードで表すならば「現代的」「スタイリッシュ」「洗練されてる」「大らか」「多文化」「ダイナミック」「肝っ玉が据わってる」「度胸がある」が浮かびました。


「現代的」「スタイリッシュ」「洗練されてる」「大らか」「多文化」

まずは前半のキーワードである「現代的」「スタイリッシュ」「洗練されてる」「大らか」「多文化」から。

宙娘って、特にトップ娘役は、星風まどかさんが就任するまで生え抜きが全くいなかったくらいに、様々な組から異動して来られた方が非常に多いです。

だからこそ、前述の宙娘らしさがあまり醸成されない状態になったとも言えますが、もはやそれ自体、すなわち「様々な組みから様々な人が来ていて、ひとまとめに言えない多文化っぽさ」そのものが宙娘らしさに繋がっているのではないか、と私は思うのです。

宝塚に限らず何事においても、歴史と伝統を重ねるほどに「らしさ」は醸成されますが「らしさ」があるということは、裏を返せばそれだけ「らしくない」こともあるということ。メリットとしては、確固たるブランドイメージが着くことで分かりやすく伝えやすい、つまり広まりやすかったり、誇りやアイデンティティを持ちやすいことがあります。デメリットとしては「らしさ」を逸脱することに対して抵抗感が生まれやすい、マンネリ化があります。

どちらか良い悪いという話ではありませんが、宙組ひいては宙娘の持つ、現代的で伸び伸びとした空気は、良い意味で歴史が浅く一番新しい組みだからこそのもので、今やそれ自体が一つの「らしさ」になっているのではないかと思うのです。


「ダイナミック」「肝っ玉が据わってる」「度胸がある」

続いて後半のキーワードである「ダイナミック」「肝っ玉が据わってる」「度胸がある」について。

個人的にはとても腑に落ちています。そのために、まずは宙組の歴代トップ娘役を遡ってみましょう。

初代から順に花總まりさん、紫城るいさん、陽月華さん、野々すみ花さん、実咲凜音さん、星風まどかさん、潤花さんですね。

このうち私が宝塚にハマってからリアルタイムで見ていた娘役は実咲凜音さん、星風まどかさん、潤花さん。なので、特にこの3人を見ていて思うのが、娘役だからとか、仕事中だからとか関係なく、ご本人の資質的にカラッとしてて、あっけらかんとしてて、舞台度胸があって、潔い面があるなぁと。

これらは『宝塚カフェブレイク』でのトークや『波瀾爆笑!?我が人生』の漫画を見てて何となく感じたことで、受け身じゃなくて自分の責任で意思決定してる、やっぱり現代的な感じがするんですよ(他組の娘役が責任ないって意味では決してなくて、あくまで比喩としての意味です)。

この現代を生きるディズニープリンセスっぽい感じは、星娘にも当てはまる要素なのですが、星娘が二次元的な持ち味なのに対して、宙娘は三次元っぽい持ち味な気がします。


潤花さんのトップ就任で確信

これら「ダイナミック」「肝っ玉が据わってる」「度胸がある」の要素は、潤花さんが宙組に異動して、トップ娘役に就任されたあたりで確信しました。

私は、潤花さんが太陽のような笑顔でニッコニコしながら喋るところ、自然体でしかもリアクションが大きいところが大好きなのですが、そのトークを見ていて、

「あれ?潤花ちゃんの物怖じしなくて底抜けに明るいところ、そういえばみりおんも素はあっけらかんとしててサバサバしててカラッと明るいし、まどちも控えめに見えて研2で堂々たる新公ヒロインを務めて名声を博すくらい舞台度胸抜群だよな...。
ていうか、3人とも割と下級生の頃から早々に抜擢されまくってきたタイプだけど、そのプレッシャーに負けることなくちゃんと成果にしてきたし、もし仮に押しつぶされそうになっていたとしても、そんなこと表向きにはおくびにも出さなくて全く感じさせないし、めちゃくちゃ肝据わってるやん...!」

と思ったのです。たまたま私がリアルタイムで見ていた娘役が彼女たちだけだったから、というのもあるかもしれません。でも、なんとなく初代から醸成されてきた宙娘らしさが流れている気がするのです(なんなら初代の花總まりさんこそ、お花様として早期抜擢から始まり12年ものトップ在任期間でしたし)。



トップ以外の娘役さんも素敵

さて、トップ娘役だけを書いてきましたが、宙組には他にも魅力的な娘役さんがたくさんいらっしゃいます。

ここ数年だと純矢ちとせさん、愛花ちさきさん、花音舞さん、結乃かなりさん、桜音れいさん、遥羽ららさん、天彩峰里さん、などなど。

なんだろうな、確かに可愛いし紛うことなき美少女なのだけど、ブリブリしてないんですよね。あんまり宙組にレースやフリルやリボンのゴテゴテしたイメージが浮かばない(逆に星組は盛ってナンボなイメージが浮かぶ)。娘役だから、絶対レースもフリルもリボンも身につけてるはずなのだけども。そのへんやっぱりスタイリッシュな宙組らしさを感じます。



最後に

そんなこんなで、宙組らしさ、ひいては各組らしさの連載も終わりとなりました。実際に書く過程で、自分でも長年頭の中に断片的に眠っていた思いを整理することができました。やっぱり言語化するってかなり大事。

そんな宙組も、今は潤花さんを新たにトップに迎えた新生宙組として、大劇場公演も2作目の真っ只中!ますます目が離せません!

全組通して、皆様が宝塚に興味を持つきっかけに少しでもなれば嬉しいです。

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