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小説 むかしむかしの宇宙人

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時は昭和31年。家事と仕事に追われる19歳の水谷幸子の元に、宇宙人を名乗る奇妙なイケメン男性があらわれる。とびきりコミカルでキュートなノスタルジックSFラブストーリー。 毎日7時… もっと読む
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記事一覧

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』最終回

→前回の話(第84話) →第1話 ひっくひっくとしゃくりあげながら鍵を開ける。長らく立ち…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』84話

→前回の話(第83話) →第1話 「では、その二つの光を掛け合わせましょう。幸子、ゆっく…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第83話

→前回の話(第82話) →第1話 高尾山の帰り道で「ラングシャックを見つけた」とバシャリ…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第82話

→前回の話(第81話) →第1話 星野さんと荒本さんと入れ替わるように、お父さんと健吉が…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第81話

→前回の話(第80話) →第1話 17 バヤリースオレンジの栓をぬきつつ、あたりを見回した…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第80話

→前回の話(第79話) →第1話 バシャリが続ける。 「髪形が二カ所鋭角な少年の効果は絶…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第79話

前回までのあらすじ 時は昭和31年。家事に仕事に大忙しの水谷幸子は、宇宙人を自称する奇妙な青年・バシャリとひょんなことから同居するはめに。バシャリと幸子はラングシャックを探すため高尾山に向かう。 →前回の話(第78話) →第1話 光の筒も見当たらず、世界が闇に浸っているみたいだ。足に刻まれる激痛の感覚が、じわじわと短くなっている。 そのとき右側の上空がぱっと光った。ぼんやりとダイダイ色の光が見える。バシャリのいる場所だ。 まさか、本当に空飛ぶ円盤があらわれたの? 

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第78話

→前回の話(第77話) →第1話 バシャリが続けた。 「荒本との会話でそのことを思い出し…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第77話

→前回の話(第76話) →第1話 「便利なものね……」その光を眺めていると、願望が口から…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第76話

→前回の話(第75話) →第1話 「本当かい?」と、荒本さんが興奮した。 「間違いありま…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第75話

→前回の話(第74話) →第1話 「おおっ」バシャリの表情が明るくなった。「たしかにそれ…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第74話

→前回の話(第73話) →第1話 お母さんの誕生日会の翌日、わたしは杉本学園に赴いた。窓…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第73話

→前回の話(第72話) →第1話 「私が教えたのですよ」 バシャリが代わりに答えた。 「…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第72話

→前回の話(第71話) →第1話 15 数日後、わたしは目黒川沿いの道を歩いていた。銀行から帰っているように装うためだ。 バシャリが出迎えに来ることもあるかもしれないと、退職した翌日からこうしている。 近頃は職さがしを中断していた。公園をぶらついたり、図書館で本を読んだりして時間をつぶしている。仕事を見つけなきゃ、と焦る気持ちはあるのだが、どう頑張ってもその気力が起こらなかった。 「おおっ、奇遇ですね。幸子ではないですか」 バシャリがわざとらしく駆けよって来た。