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コーダあいのうたのログラインは素晴らしい!

遅ばせながら『コーダ あいのうた』を見てきました。

アカデミー賞主要3部門受賞、サンダンス映画祭の4冠に輝いた評判の作品ですね。

原作はフランス映画の『エール』で、それをリメイクしたようです。

正直この映画って、「見なくても面白いだろうな」っていうのがわかりました。前評判とか関係なく見たいと思わされます。

というのもログラインが秀逸すぎるんです。


ログラインとは作品の説明を一行で表現することです。

noteで何回か書いているんですが、このログラインが作品の面白さを決定づけます。

このログラインで、「見たい」「読みたい」と思わせないとダメなんです。漫才でいうつかみです。

これまでもログラインは重要な要素だったんですが、最近はさらにその重要度が増えました。何せ現代はコンテンツ大洪水時代ですからね。

映画やドラマを倍速で見る人が増えるほど、みんな時間がないんです。もうログラインで面白いと感じてもらえないとスルーされてしまいます。

ログラインの重要性が今は8割ぐらいになってるんじゃないでしょうか。

コーダのログラインは『聾唖の家族を持つ女子高生が歌の才能を認められ、音楽学校を目指す』というものですね。

素晴らしいログラインです。

他にも最近秀逸だなと思ったログラインは、マンガの『パリピ孔明』です。ログラインは『天才軍師・諸葛孔明が現代に転生し、シンガーソングライターの軍師になる』というものです。

「えっ、どういうこと?」ってなるじゃないですか。ログラインで興味を持ってもらえたらツカミは成功です。

コーダのログラインの良さを分析してみます。

コーダはジャンル的には『歌もの』です。歌ものって外れ率が低いです。

映画って実は音が想像以上に大切なんですよね。映画監督によっては、映画の面白さは音で決まると断言する人もいるほどです。

その中でも歌ものって歌の魅力でひっぱれるじゃないですか。普通の映画よりも一個魅力が増すんですよ。

特に最近はその傾向が顕著かなと。『ボヘミアンラプソディー』なんかまさにそうでしたよね。人間ドラマに歌という魅力がかけ算されています。

コーダは歌ものなので、それだけで期待値が高いんですよね。

あと歌ものは音響のいい映画館で見たいというのもあります。映画館に人を呼びやすいコンテンツなんですよね。

そこに『聾唖の家族』という設定です。

聾唖という音楽とは真逆の要素が入っている。良いアイデアとは組み合わせです。異質なものと異質なものを組み合わせる。これが『組み合わせの法則』です。

異質なもの組み合わせの中でも、『真逆要素』はいいものが産まれやすいです。混ぜるな危険ではないですが、真逆のものを混ぜると爆発してくれるんです。

『歌』という外れのないキラー要素に、真逆の『聾唖』という要素。

さらに真逆の要素を入れるとインパクトかつ『主人公の葛藤』も作りやすいんです。葛藤ってドラマには絶対に必要なものですからね。

そこに家族ものという感動系の要素も入っている。

家族というキーワードも最近のヒットコンテンツには欠かせないです。

ログラインだけで、「これは見なければ」と思うのは当然じゃないですか。

そして実際見てきたんですが、本当に素晴らしかったです。

『作品はログラインで決まる』


この法則は本当だなと改めて感じた映画でした。

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