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2002年からの武術エッセイ

技というものは道具だとおもうんです。
おもちゃやフィギアのように、ひととくらべたり自慢したるするもんじゃない。

かっこいいとかわるいとか、古いとか新しいとか、嫡流か傍流か、そんなことは二の次です。
ようは便利かどうか、使い勝手がいいかどうかの問題でしょ。
大工ならのこぎりでもかんなでも自分の手になじむうように工夫して使っているでしょ。
それとおんなじです。
いろんな道具を集めたって、自分がつかいこなせなきゃ意味がない。

それよりは、少ない道具で、こうも使えるし、ああも使える、というぐあいに一つの道具でも、いろいろな役割をはたすことができるようにしたほうが効率的だし、便利だと思うんです。

技を集め自慢することには、私は意味をみいだせない。
いや、見出せるひともいるかもしれないけど、わたしには無理です。

月を指差す指や手の形を愛でるよりも、その先にある月の美しさを愛でたいと思います。

2005年5月記す。

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