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34歳独身女、海外移住

カンボジア北西部のシェムリアップに初めて足を踏み入れたのは34歳の時のこと。子供なし、夫なし、彼氏なし。四年制の大学を卒業してからの12年間、干支が一周する間に日本で勤めた会社は計7社。履歴書を書く度に、自分はどれだけの市場価値がある人間なのだろうかと突き付けられる。更にCOVID-19という世界を大きく揺るがす出来事が起き、今後の自分はどのようにして生きていきたいのかを問いただされているようにも感じる。

渋谷スクランブル交差点を渡ろうと信号待ちをしていた私に、20代前半位の男女二人組が声を掛けてきた。街頭インタビューだった。「コロナが終息したら、何をしたいですか?」と聞かれた私はその時、深く考えることもなく「海外に住みたいです。」そう答えた。元々、私は海外に全く興味のない人間だった。留学、ワーホリ、バックパッカーという言葉に全くの反応を見せなかった私が、30歳を過ぎた頃から海外に興味を持ち始めた。どちらかと言うと地元大好き、実家大好きだった私。ついつい荷物が多くなりがちな心配性タイプな私は旅行自体が正直、苦手科目といったところ。そんな私が海外に住みたいと思うようになったことが自分でも不思議だった。

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