「全国旅行支援」の活況を目にして思う「景気回復」と「インフレ」について

以前書いた「景気後退と高配当株について考えてみる」について、部分的に認識を改めましたので、そのことについて語ってみたいと思います。(物事を多面的に捉える重要さと反省に・・・)

前回のブログがこちらです。

このときは「景気後退」➡消費減、による企業利益の減少から「減配」の可能性について言及しています。
その根拠は、インフレ、隠れ増税(社会保険料等)などで、現実の私の生活圏ですでに消費力の減退を実感していたからでした。
スーパーでの「牛肉」の明らかな売れ行きの落ち込み(やたら値引きシールが目立つように)や、友人たちの買い物内容の変化など、生活実感としてこのことを感じていました。

・・・そんな現実が確かに存在する中でも、日本で「景気後退」どころか、「景気回復」の兆しすら感じる体験をしたので、そこで感じたことをベースに考えてみたことを書いてみます。
「減配」どころか「増配」の可能性が読み取れるところを感じられるかも・・・です?

すでに「増配」は現実化していて、友人から先日、伊藤忠株で増配発表を受けた報告を受けて私も反省しきりです・・・
円安で上場企業の3割が過去最高益、という現実は知っていましたが、ちょっと減配予測は安易でしたね・・・

・・・

「コスパ」の良いところにお金は動く、という視点

「全国旅行支援」の実施を受けての最初の土曜日。
友人との会食で、1ヶ月ぶりに大阪なんば、通称「ミナミ」を訪れました。

この地域は、前回のインバウンド消費で全国トップクラスの恩恵を受けた地域でしたが、その後のコロナ騒動で最も反動の大きかった地域と思われるぐらい、人が消えてしまいました・・・。
ドラッグストアの雨後のタケノコ的な出店のあとの撤退ぶりはもはや苦笑いしか出なかったですね・・・

そんな閑散としたミナミを2年以上見続けてきましたが、昨日の土曜日に訪れてみると・・・
観光名所の道頓堀には溢れんばかりの人、人、人・・・
隣にある関西有数の歓楽街「宗衛門町」も、「なんじゃこりゃー!!」と思うぐらい、お祭り状態の人の群れ・・・
飲食店もかつての勢いを取り戻すかのような活況でした。

もちろんこれは、「全国旅行支援」の効果ですね・・・!!
どうやら日本は、人流を止めていたこれまでから「人を動かす」方向性にシフトしたようです。

この活況を見て逆に不安を覚えたのは「インフレ下の経済成長って大丈夫なのか?」ということだったのですが・・・
そのことについて考えるきっかけにつながりました。

そうして辿り着いた視点が、
「インフレだろうがなんだろうが、コスパのいいところには人はお金を動かすよな・・・」でした。

そして今日、いつものごとく山の中で緑に浸りながらそのことについて考えを巡らせていくと・・・

・・・

「富裕層」にとってのコスパに思い至る

これまでは金融緩和の恩恵で「株」などの金融商品を持つほうが、汗水たらして経営したり働いたりするよりも優位な状況が続いてきました。

その結果、膨れ上がった金融資産の評価額は「〇京円」という結果に・・・

中央銀行が刷り続けたお札で起きたインフレは「金融資産バブル」すなわち「金融資産インフレ」でしたね。

ところが現実の経済がインフレになりだして起きたことは、「金融資産の値下がり」すなわち「金融資産デフレ」です。

こうなると富裕層の人たちにとってコスパのいいお金の移動先はどこか・・・ということにつながると思うのですが、
現実の経済がインフレ➡ものの値段が上がる流れにつながるなら、そちらに移動したほうがコスパがいい・・・

そんな兆しが生まれつつあるのかも・・・と。

ビルゲイツさんが以前からアメリカの農地に投資している話は有名ですが、これからの世界的な物価高による恩恵を想像すると・・・

同じような視点で富裕層の巨大なお金が動いていく可能性は無視できない要素のように思えます。

金融資産から実物資産への移動の可能性、というものです。

そして現在、「インフラが整備された、ものの価格が安いのに高品質」な上に、「通貨安」の国がこの世界に存在します。
海外の富裕層は、この国にコスパの良さを感じたときにお金を移動してくるのでは・・・?

・・・

インバウンドと海外投資家の土地買収に思うこと

インバウンドが段階的に進んでいく中で思うことはいろいろあるのですが、ここでは「外人の消費の感覚」に焦点を当ててみたいと思います。

アメリカ人が今、最高紙幣の100ドル札を10枚に少しプラスすると、円の最高紙幣1万円札が15枚手に入ります!
お金持ちになった気がしますよね(笑)
一般の観光客でも、「消費量」はいつもの旅行より多くなると思います。

そして、富裕層の「旅行体験」の感覚を理解するには、この動画がおススメに思えます。

「ラーメン1杯1万円で提供する意味」が途中で語られています。相当ぶっ飛んだ内容ですが、今の円安と富裕層の消費力や体験の価値観を考えると、これからの「ど真ん中企業」になる可能性が垣間見えます。なかなか見ごたえのある、面白い動画です。(従業員全員外人なのでグローバルで通用するかも?)
インフレ下のインバウンドにおける投資先選定のヒントになり得るかもですね?

ほかにもインバウンドのテーマとしては、宿泊、リゾート地、飲み屋、体験、観光地の土地、移動手段・・・ほかいろいろ考えられると思います。

・・・

そして外国人の土地買収については、以前からずいぶん問題にもなっていますが、そんな中でもやはり3月以降の円安進行から、土地買収は加速している、とのことです。以下、比較的最近の記事です。

地価もインフレの兆しですね・・・

・・・

こうして海外からの資金流入が加速すると、経済にお金が回る要素になり、いろいろな波及経路を経て景気回復とインフレは進むことになる、と思います。
この流れは銘柄によっては「増益」になりますね・・・

・・・

(余談)

インフレ、について少し。

「コロナ対策のバラマキ」効果が切れても、各国中央銀行の金融引き締めが進んでも・・・
ごく一部の富裕層の持つ巨大すぎる金融資産から現実経済にお金がシフトすると、果たしてインフレは止められるのか・・・?

もし止められない場合、引き締めを進めるほどに金融資産から現実経済への「インフレの輸出」が続くような構図になる可能性って・・・?
(金融取引のレバレッジ精算で現実資産の売り出しもあるでしょうが)

そしてイギリスであった「年金破綻回避のための部分的金融緩和」は、金融危機発生時には中央銀行が緩和を優先するサインだったとしたら・・・?

「インフレが続いたら」
今一番優先順位を上げて考えるべきテーマに思えます。

通貨の価値、という視点で見ると、将来はこんな流れに?

景気回復でインフレ加速➡賃金が遅れて上昇するとたとえば、

100円のものが200円で販売されて、お給料は15万円➡30万円に。
どちらも2倍になりましたが・・・
15万円のときは所得税も住民税も社会保険料もちょっとでしたが、30万円になると納税額は2倍では済まない・・・

年金受給額はマクロ経済スライドで増えても物価には追いつかない・・・

前者はインフレで起きる税収増、貨幣価値半減による実質的な国の債務減少、
後者は公的年金の持続可能性は増しますね・・・(ひどい話ですが)

国にはインフレにする動機があるように見えます。

・・・FP(ファイナンシャルプランナー)さんに相談されている方は、回答の中身をもう一度見直す必要がありそうです・・・?

・・・

(追記)

エネルギー供給が限られている点と富裕層の高級ホテル宿泊を結びつけて考えてみると、こんな姿に・・・?

高止まりする電気、ガス代に国から要請されるのは「家庭への節電要請」・・・どのみち光熱費が高騰すると節約するのですが。

こうして国民は節制に励む裏側で・・・

高級ホテルではとんでもない額の宿泊費を請求することで光熱費を吸収しつつ、
そのとんでもない額を何事もなかったように支払う富裕層の宿泊客は電気ガスを使い放題・・・

この姿に、途上国の姿が重なる気がするのは気のせいでしょうか・・・?





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