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「ピンクのクマの過去・現在・未来」(稲毛礼子さん・その2)

 るーるる、るるる、るーるるー 「りら子の部屋」です。前回に引き続き、ゲストは稲毛礼子(あやこ)さん。ピンクのクマに変身し、人々の幸せを引き出していく、「まちの作業療法士」さんです。

 前回の記事は、こちらです。

作業は人を元気にする


― 稲毛さんが、ピンクのクマになろうとしたきっかけや経緯を教えていただけますか?

 最近辞めた病院で働き始める前に、作業所でボランティアしていたことがあるんですよ。その話をしますね。

 私、身内を自死で亡くしたんですよ。それで落ち込んでメンタルのバランス崩して。心配した母親の勧めで犬を飼って、散歩するのに家を出るようになって。で、散歩の途中にあった、障害者の方の作業所でボランティアをするようになったんですよ。そこで、「作業は人を元気にするんだ」と実感したし、自分も元気になったから。地域で障害者が元気で暮らせることって、大切じゃないですか。だから、恩返しみたいな気持ちですね。

垣根はあるけれど…


 でも、地域でみんなと一緒にやっていると、メンタルヘルスに携わっていたというと、ちょっと引かれる感じがあって(笑)。「メンタルの仕事?大変だねえ」とか(笑)。

 まあ、病院にいた時にも、垣根はあったんですよね。患者さんと一緒に活動している時には楽しかったんだけど。患者さんとスタッフとは、距離がある。まあ、仕方ないんですけど。でも、自分がいつそっち(患者さんの)側になるか、分からないじゃないですか。

※この“距離感”について、映画「オキナワへいこう」(大西暢夫監督 2019年)で、精神疾患で病院に長期入院している患者さんの「死ぬまでに一度、沖縄に行ってみたい」という願いを、皆で叶えようとする、というストーリーが引用されたのですが、私は既に酔い始めていて、前後の文脈が分からなくなっています。失礼!

 クライシスがあって、そんな時にいろいろ助けられた。そういう助け合いは、結構起きているんじゃないですか。強がって、助けてと言わないだけで。でも、自然に助けたり助けられたりするのが、当たり前だと思う。

写真・クマでない稲毛さん。

”まちの作業療法士”のこれから


― 最後に、これからの活動についても教えてください。

 私、銭湯友だちができるくらい、お風呂が好きなんですよ。リラックスできるし。それでクマになって足湯をやるようになったんですけど。今後、足湯に入れるカフェとかしたいですね。ケアラーズカフェみたいな、ケアする側が癒される場所。

 ホスピタルアートにも興味がありますね。(スマホの写真を見せて下さる)病棟をつなぐ通路が、アートで癒しの空間になっているんですけど、患者さんだけでなくスタッフも癒されるんですよ。病気の患者さんも辛いけれど、医療スタッフも、必ずストレスとか葛藤があるじゃないですか。どちらにも癒しになるのがいいんですね。

― 私も「街の心理士」を名乗っているんですが、稲毛さんは「まちの専門職」の大先輩じゃないですか!ついていきます(笑)!いろいろ教えていただきました。

 そんなんじゃないですよ(笑)。でも一緒にやりましょう。

― ありがとうございました。

ー インタビューの2時間は、あっという間に過ぎました。辛い経験もおありになる中、終始“前向きな”コメントを聞かせていただいたことで、私にも喝が入った感じです。

 「りら子の部屋」、そろそろお時間のようです。またお目にかかりましょう。ごきげんよう。

 らーらららー♪

※このインタビューは、東小金井駅前の居酒屋さんで、軽く飲みながら行っています。そのため、録音できず、会話を逐語で起こすこともできません。この記事は、私のメモ(と記憶)から、再構成したものです。あしからずご了承ください。

(おわり)

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