【冬の陽は長くさす】
冬の角度は鋭角で心の奥にまで差し込む
きづかないうちについたきずや到底消えるはずのないと思われたきずも
光をすべて集めれば白になり、まっさらなキャンパスで
自分の色筆をおいてゆける
傷口の中にも宇宙(そら)はあるのかと覗き込むから傷が広がる
冬の陽よここまでおいで部屋の隅あの子のなみだ膝を抱えて
なにもかも夢のにおひに墜ちる時わたしはいない地球の中に
名も知れぬ小びとに会いて踊る午後わたしは消えて小びとがわたし
冬の陽にひかりはすべてしろになり 収束のさき 空の高きに
迷い子の行くみち探し空を見るそんなところにみちはないのに
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