街で偶然会った知り合いに即座に満面の笑みで話しかけられるなら、それだけできみの勝ちだと思うよ。

高校3年生のとき、当時同じクラスだった女の子と街中で偶然会ったことがある。
その子は普段からかなりテンションが高く、声も大きく、まさに明るく元気!というかんじの女の子だったのだが、その時もわたしを見つけるなり「あー!」と叫び、わたしの名前を大きな声で呼び、満面の笑みでかけ寄り話しかけてきた。

圧倒された。べつに嫌だったわけではないが、ちょっとした恐怖すら感じた。なにもかもが「違う」と思った。

そもそもわたしは街中で知り合いを見つけても、よっぽど随分かなり相当めちゃくちゃ仲が良くないと声をかけない。わりと仲がいい、くらいでも、自分のほうが先に相手を見つけたら、なるべく見つからないようにする。
会う予定がなかったタイミングでは知り合いに会いたくないのだ。だってその人と会う心づもりができていないから。

それなのに!もちろん仲が悪いわけじゃないけど、席が隣になったとか、なにか用事があるとかでなければ特に会話もしない間柄であるわたしに!偶然会ってこんなに笑顔で話しかけてくるなんて!

一方わたしは、会う心づもりができていなかった人に会ってしまった衝撃にまだ脳が追いついておらず、終始気持ち悪い中途半端な笑みを浮かべることしかできなかった。
その日は夜ベッドに入ってからも、あーー今日のわたし絶対キモかったよあーーーーと唸り続けていた。

そして悟った。コミュ強とは端的にいって「街中で偶然会った知り合いに即座に満面の笑みで話しかけられるような人」であり、わたしは彼ら彼女らに劣等感を感じ続けているのだと。(対応に困ったときのキモくて半端な笑顔はやくやめたい。)

#エッセイ #コラム

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