夢とか

櫻坂46のStart over!という曲の冒頭に、
毎回刺される。

「君は何か夢とかあるのかい?」

「うるさいな」と言い返したくなるけど
返す言葉が見つからなくて
私は黙って曲の世界に引き込まれていく。

思い返すと、
高校生の時の方が夢は叶えられると
真っ直ぐに信じていて、
がむしゃらに追いかけていた。
“将来”に近づけば近づくほど
誰からも「諦めろ」なんて言われてないのに
諦めた方が楽だから、
夢はフェードアウトしていって
もしかしたら耳元から聞こえた声の主は
私だったのかもしれない。

未来の私は今の私を嘲笑えるだろうか。
「お前何してんの?」って
罵ることが出来るだろうか。

今みたいに「あの時の方が」なんて
思いたくない。
今の方が少しはマシだと、
そう言い張れる自分でいたい。

この曲に刺された痛みを忘れたら
きっとまたこの痛みを知らない私が生まれるから
私は傷口を塞がない。

開きっぱなしの傷口を笑いながらおさえて
1秒後には今になる未来を、
1秒後には過去になる今を、
血だらけで追いかけたいと思う。

まだ、やり直せるかな。


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