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「語の成り立ち」から考える英単語の覚え方。

 「音の足し算・引き算」に慣れれば、次のような単語はすぐに読み書きできるようになります。

    ice :氷、冷やす ⇔ rice :米、ご飯 ⇔ price :価格
dive:飛び込む ⇔ drive:運転する ⇔ derive:引き出す ⇔ deprive:奪う

 では、その意味はどう覚えたらいいでしょうか?
 私たちは毎日の暮らしの中で、たくさんの英単語にふれています。ここで上げた単語の多くも見覚え、聞き覚えがあると思いますが derive / deprive はどうでしょうか?

 実はこれらの語も、誰でも知っている単語と結びつけることで、より簡単に身につけられます。ポイントは「‘語の成り立ち’を知る」ことです。
「拍手」の「拍」が「⺘:部首」と「白:音記号」から成るように、英単語の多くも語の中核となる部分「語根」と、その前後に付く「接頭辞、接尾辞」の組み合わせから成り立っています。 

derive = de + rive:流れ   deprive = de + prive:奪う

といった具合です。derive rive は発音こそ異なりますが river:川 に通じます。deprive prive private:個人の(←他から離れた、奪った)に通じます。一見なじみのない語も、river / private などと関連付ければ記憶にも残りやすくなりますね。

river = riv(e) + er    private = priv(e) + ate

丸暗記は苦手のもと

 「英語は暗記教科」だという人もいますが、語の意味を丸暗記するような方法はお勧めできません。英単語カレンダーでは訳は簡単にしか載せていませんが、これは多数の中から取り出したサンプルに過ぎません。

 無理に暗記しなくても、次のような文の中で derive が使われていたら、

This word is derived from Greek.

とりあえず「この語はギリシャ語から ディライヴ した」と derive をカタカナ語にしてみましょう。(もちろん、発音までカタカナ語にする必要はありませんが…)

 翻訳家を目指すのでなければ derive をそのまま derive と、英語を英語のままで理解できればそれでも十分ですね。どうしても日本語にしたい…ということであれば、語源から、さらに場面や文脈から語の意味をイメージしてみましょう。ここでは derive が、桃太郎の桃のように、語源から流れてくるような感じでしょうか。

 どうして英語では party:パーティー が「政党」とか、1つの単語でいろいろな意味を表すの? 訳が分かんない? というような声もよく聞きます。けれど partypart:部分 + y で「一部の親しい人や同じ考えをもった人の集まり」だと理解できれば、それも納得できますね。derive も、ただ何も考えずに辞書を引いても、「引き出す、得る、推論する、微分する…」などたくさんのサンプルの中で混乱してしまうかもしれません。

 ここでは「由来する」とでも訳すのがふさわしいかもしれませんが、「由来する」と暗記してしまうよりは、derivederive ととしておいたほうが、あとで … derive its money from trade などに接したときにも混乱せずに済みそうですね。 

 生まれて初めてダイヴィング ドライヴ という語を聞いたとき、辞書で意味を調べた人はいないと思います。最初は「それって何?」と思ったかもしれませんが、いつのまにか「ダイヴは潜水すること以外に、飛び込むことも意味するんだ」などと理解を広げていたのではないでしょうか?

 なのになぜ、英単語は繰り返し練習しても覚えられないのでしょうか?英語は難しい…のではなく、これまでの練習方法が間違っていたのかもしれませんね。

追記

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