Love-tuneの未来に期待しかない話。

その日は3学期実力テストの成績処理の日で、無機的に並んだ数字の羅列を眺めながら、あー、予想を裏切らないラインナップだなぁなんて思っていた。上位下位ほぼ固定で、意識の差か能力の差か両方か、集団が変わればまた個々の芽の伸び具合に変化はあるんだけど、集団の中でいったん無意識的に落ち着いてしまったポジションってあんまりくつがえされることがない。働きアリの法則とは確かにその通りで、私はどこにいるのかなぁなんて考えることがよくある。

ジャニーズ事務所に所属しているある程度名前の知られた人たちに、努力の点において優劣があるとは考えにくいと私は思っている。みんな頑張っている、なんて、つまらない言葉だけど事実だと思う。それが働きアリの2割だって言うならそうなのかもしれない。でもその結果が、全て個人の資質によるかと言えばきっとそうではなくて、環境や偶然にも依拠していたのは間違いないと思う。だからそのよく働く2割に入っていないからと言って、個人の資質において著しく劣る、ということもないのだろうし、集団が変われば、環境や偶然が味方をすれば、また何か違ったのかもしれない。

Mr.KINGとPrinceがKing&Princeでデビューする、というニュースを私が目にしたのは、成績処理の合間、ミスが発覚した後処理が終わるのを待っていた時だ。え!?と思わず口に出して、忙しくて誰も気にしてなかったけど、私は前のめりでスマホを見ていた。どうして今日??あっ、阪神淡路大震災の日だ。そうか、そっかぁ。ぼんやりして、何を言うのも適切ではない気がして、どこか気持ちがふわふわして、ミスの修正後一覧に並んだ数字を眺めてはいろんな人の顔を思い浮かべた。年頃の子どもたちを選抜する、される、という点においては日常茶飯事で、あと数点で志望校に合格だったね、と大学から提示された詳細な得点通知を眺めたこともある。努力不足か実力不足か、本人の資質によるものだろうか、そういう時、それはそうだねと受け取る他に進む方法はなかったように思う。合格者の方が、選抜される際に何かにおいて優れていたのだ、それは間違いなくそうなんだろう。同僚がクラス順位1位常勝の女の子の名前を挙げて「この子、このクラスでよかったなぁ。」と言った。他クラスであればその子の結果は変わっていたような気もする。環境や偶然に左右される可能性もある、またそれも事実なんだろうと思う。

パキッと並べられた数字にでさえ、いくらでも懐疑的になることはできるのだから、大切なのは結果として現れた事実なんだろうと思う。合格者は褒められるべきだし、結果が出たことは素直に認めるべきだと思う。だからすごい。語弊のある物言いかもしれないけれど、デビューを勝ち取ったKing&Princeはすごい。とてもとってもすごい。彼らの努力が実を結び、望んでいた未来に近づけたことを祝福したい。本当に、あんまり書くと必死に嘘をついているみたいに見えるかもしれないけど、何度だって言いたいから、本当にすごい、本当におめでとうって。でも私は他担なので、やっぱり、選抜されなかった多くの人たちに何か劣った点があったのだとは思いたくなくて、それでいて、今回ばかりは環境や偶然のせいにするのも言い訳じみている気がして、どういう風に未来を描こうか少しだけ迷ってしまった。その日は成績処理が済んだ後も何となくすぐには帰りたくなくて、職員室で名簿と数字を眺めながら実にならない話をした。何百の少年少女がたどり着く未来を想像し、私になど到底分かるはずがないのだとも思った。

Twitterを開くといろんな意見があって、言葉のるつぼみたいなこの世界では、法に触れる発言でなければどの意見も「間違ってはいない」として許容されるものだと思う。だからどんな否定的な意見であれ、それは「間違っていない」。そんな中で私が目を止めたのは「ついに変化が訪れた」というものだった。ついに変わった、やっと動いた、これでようやく、新しい未来が描ける!というものだ。私はまだジュニア担ド新規で、正直序列とか何となくしか分かっていない。確かに妙な閉塞感みたいなものはあったし、キンプリさんは別格だなという意識もあった。だからそこに変化が訪れたことがそこまでセンセーショナルなことだと気づけなかった。そうか、新しい風が吹いたのか。そうかそれは、すごく、すごくよかったなぁと、ぼんやりと思った。

ある集団に属していることがプラスに働くこともあればマイナスに働くこともある。全ての人にとって良好な環境というのは存在しなくて、個人にとって合う合わないがある。今勤めているヤンチャな高校も、合う子には合うし、それこそここでようやく息ができたみたいな子だっている。もちろんその逆もいて、別の道を選択する子もいる。できることなら多様な環境に適応できる力をまだ学生のうちに身につけてほしいと思うのだけど、実際難しい場合も多い。集団の性格というのはたぶん私が認識しているよりもずっと強くて、自分自身もときどき集団の性格に飲まれているなと自戒することがある。無意識的に作り上げたポジションから逃れることができない。それが、変わる。もちろんプラスに作用することもあればマイナスに作用することもある。でも変わる。これからどうするかなんて、どこを目指すかなんて決まっているんだ。その切符をようやく手に入れたのかもしれない。そこにたどり着けるかどうかなんて分からないけれど、今スタートを切るチャンスを、手にしたのかもしれない。もしかしたらもう誰かがジェット機に乗っちゃってるかも。でも、それでも走りたいって言ってくれているように思うから、じゃあ一緒に走りたいなって、ふと未来へ向かう道筋が見えた。

今の少年少女がどうなるかなんて予言できないけれど、予想を裏切らないラインナップが、集団を抜けて入れ替わり、各々の未来に進んでいく姿を見たことはある。えっ!?まさか海外に行くなんて!ええっ!?まさか教育実習に来るの!?って。きっかけを手にして道を切り開いたのは「自分」だっただろう。Love-tuneはその点において、ずば抜けた能力を持っていると、私は信じているんだ。セルフプロデュースの天才だと思っているんだ。環境や偶然を言い訳にするのは似合わないから、自ら未来をつかみ取りに行くくらいの荒々しさで走ってくれるって、私は期待していたいんだ。すごく不思議なんだけど、急に元気が湧いてきて、彼らの姿を見続けていきたくてたまらなくなって、アイドルの応援をするのって楽しいなぁなんて思ってしまった。

私はド新規の地方のオタクなので、知らないことや分からないことの方がずっとずっと多い。でも今ひとつだけ、これだけは確かだなって思っていることがあって、Love-tuneには期待しかないって、きっと未来は明るいなって。勝敗や優劣をただのオタクが語るのは筋違いでしかないことを承知で、でもほら、目指している場所を、私たちは知っているから、そこにたどり着ける日が来たら、それはやっぱり勝ちなんだと思う。横並びの教育が長らく続いてきた昨今、普段はあんまり使わないけど、Love-tuneにはそういう言葉の方が似合うような気がする。

最後に!キンプリさん改めてデビューおめでとう!羨ましいし悔しいよ!けど確かに、そういう集団で、そういう順番だった。だからこれから訪れる変化に私は期待してやみません。これ書かなきゃほかのブログは書けない気がして書きました。次は書きかけのLove-tuneの好きなところ完成させます!!まだまだたくさん、Love-tuneの好きなところを言いっていきたいな。

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