舞台7ORDER

「人間がA~Zにランク付けされた世界」は設定としてわりとベタらしい。昔の少年漫画でありそげな設定だなって思ってたら今の舞台でよくあるらしい。私は長いこと二次おたやってきたので昔はそういう設定ごくごく入ってきたんですけど最近ちょっとついてけなくて「ここじゃないどこかの日本ぽい世界」がむずくて、ラノベ好きの生徒に何度も同じ説明させるんですけど自分から聞いておいて(あー、最近どんな話がはやってんの???)1分くらいしゃべらせたらお腹いっぱいになるっていう(あー、ちょっと設定多くてマジわからんわ)ことを繰り返してきて(でも何度でも説明してくれる)えっ?何で転生すんの?異世界に自分が召喚されるのはだめなの?最近転生ものはやりなんすよやっぱ転生っすね、ほへ~、別の自分になって人生リスタートさせたいってアンタまだこーこーせいじゃん、みたいな。舞台7ORDERの設定、ほんとは少しだけ心配だったんですけど、めっちゃ入ってきました。転生じゃなくて再生だった。

物語を真剣に見るときは職業病で私ならこの作品でどう授業するかな~って考えるんですけど(引いてる)ケンタロウ(主人公)の心情の変化はもちろんここは何か、何でバンドなんだろってところを考えさせたいかな~とか思った。まぁ、ウチの高校は席に着くか着かないかって感じの高校なんですけど(ギリギリ着く)あとどっかの窓ガラスが月1で割れる(割れすぎ)みんな才能あるじゃん!俺らの武器はこれだろ!!って別にバンドじゃなくていいんですよバンドで叫んでた人が昔いたかもしれなくて、昔は音楽があふれてたかもしれないけど、ストーリーの中では別にバンドにたどり着く必要性があんまない。だっていろんな才能があるんだしコントも楽しかったし何なら今やってる演劇の方が(俳優志望のユウマもいるし)全部できる実際やってるし。最終的にいろんな全部をひっくるめて「音楽」やりたいと叫んだ。それで2幕が「音楽」一色になるのは分かりやすいなと思うし胸が苦しくなった。みんないろんな舞台に出ていて素敵なお仕事でもちろん全てに全力でそれもやりたいことの一つなんだろうし、舞台7ORDERはライブではないですし。いつか「ここじゃないどこかの日本ぽい世界」じゃなくても叶うといいなと思ったよ、でも難しいんだな、その折衷案なんだろう、それは言い方が良くない、決して妥協したわけではないんだから、でもそうか脈絡ふっとばして「音楽」やりたいんだろうな。それで、私もそれが見たい。「ここじゃないどこかの日本ぽい世界」で「本人じゃない本人っぽい人物」の姿のまま叫ぶのは苦しいね、苦しい。転生したかったわけじゃないんだから。


舞台7ORDER面白かったです!以下雑感長すぎ済みません。読み飛ばし可です。

物語は主人公のケンタロウがRPGよろしく6人の仲間を集めるお話。hが抜けると座るになっちゃうって全然笑えない、そこのそうこも笑えない、サックスとワックスの一文字違い笑えない、この7人でピースがハマるっていうのは「読みすぎ」って私なら言うけどまぁそれでもいいかなと思った。仲間になる順番はユウマ→ミュート→ショウキ→ケイゴ→アラン→レオ、物語的にミュートとショウキが入れ替わっても違和感がない(最初にT地区に2人で行った時にショウキに会えばいい)ので普通に年齢順にしなかったのは意図があるだろうけど分かんない。ミュートの加入が他のメンバーよりあっさりだったり意外とカギになるセリフを言う役回りだったりしたのでスピンオフの予定は初めからあったのかなぁと思う。最後に裏切る順番はレオ→ミュート→アラン→ケイゴ→ショウキ→ユウマ、レオはケンタロウとの裏切り×裏切りの展開上除くとすると次に続くのがミュートというのはちょっと不思議(ケイゴかアランの方が自然)最後の「もっかいやり直せばよくね!?」は作品の中でも重要なセリフだけどこれを言うのも不思議(尺があればレオが言った方が分かりやすい)(ユウマでもいい)ケンタロウのお父さんが革命で命を落としたのは分かるけどお母さんは?というのは物語では余白としてありがちだからスルーします。これがラノベだったら二次創作でわいわいされるやつだ。ケンタロウ・レオの幼なじみとアラン・ケイゴの昔なじみは作中で対みたいに扱われてるので面白いですよね、働きかけ方もアラン→ケンタロウ、ケイゴ→レオと共に幼なじみに向かってて「ただ生きているだけで価値がある」「無駄死になんかじゃない」ベクトルは「生」「死」と違うけど「存在には意味がある」と同じメッセージを伝えている。これはアランは変わった→ケイゴの裏切り→ケンタロウの介入(暴力)→仲間になるのアランとケイゴのエピソードを伏線にして最後のケンタロウとレオの裏切り×裏切りからの仲直りをさせたかったんだろうけどちょっと説明不足感はあったかなぁ。ケンタロウとレオは同じ意味の言葉をよく言い換えてる(ORDERの説明とか友達だよなのくだりとか)けど、アランとケイゴはそんなことはなかったかな。アランの「痛い→生きてる」とレオの「涙→生きよう」はちょっと悲しい。ケイゴだけ加入前の独白だったけど「逃げたい」がレオとの会話で「変えよう」になったのは良かったな。あと4人で固まっちゃった印象があるからもっとユウマをエピソードに入れる尺があっても良かったかと思う。7人の中でペアらしいペアがいなくていちばんフラットな立場だから。真田くん演技上手いし。でもそこで入ってくるのがミュートだったんだよなぁ。ちなみに私は基本主人公至上主義だからケンタロウ・レオの幼なじみコンビがいちばん好きです。アラン・ケイゴより闇が深くてちょっと歪んでるのもいい。でもラノベだったら(まだ言う)アラン・ケイゴの方が人気でそうですよね、ラノベじゃなくてもきっとそうですよね、2人のキャラ強すぎ。ZベースがZのたまり場と言うより7ORDERの独占秘密基地みたいになってるのは物語上ご都合主義なんだけど「秘密基地」の響きを使いたかったんだよねわかる7ORDER×秘密基地相性がいいにしてもZベース広すぎ。物語があまりに「To Be Continued…」で2幕に7ORDER(本人)が現れるのはリアルの7ORDER自身に続きを託したんだろうと思う。続編たのしみだな。あと今雑感にほぼ出てこなくてわりとマジでびっくりしてるけど私諸星くんのおたくですショウキかわゆい。


手帳に日記をつけているんですけど、2018年11月30日にこんなこと書いてました。

好きなアイドルがこの世から消えてしまった。好きの感情はとどまることを知らず、ずっと応援し続けていたいと願っていた大好きなアイドルが世界から消えてしまった。それなのに時計は無慈悲に回っていく信じられない。この世の終わりにはならなくて、ただ世界は真っ暗で、どうして、というよりも何よりも呆然としてしまった。新しいスタートだろうか、とてもまだそんな風には考えられず、ただ事実だけが目の前に突き付けられて、それはあんまり暴力的だ。

「どんな逆境でも、どんなに苦しくても、例え真っ暗闇で前が見えなくても、いつか絶対にいい方向へ向かうから、いつか夜明けが来るから」

目新しくも何ともないJ-POPにしても今更陳腐な歌詞にしかならない。でもあの時この言葉を聞いていたら私は泣いていたと思う。物語は夜明けの方向に向かって続いて行く、そこには予定調和のセリフも音楽もまだ何にもない。ただまっすぐに続いて行く道だけがあって、朝が来て、夜が来てを繰り返しながら、いつでも夜明けの方向を見据えている。そこではやりたいと叫んだ「音楽」が鳴り響いているんだきっと、本人たちの姿のまま、本人たちの望むまま、私たちの見たかった未来を見せてくれるんだろう。私はただまっすぐに信じていたいと思う。信じていられると思う。幸せだなぁと思う。

ここから、ここから始まる再生の物語、これからも見続けていきたいな!1年でも10年でも、100年でも1000年でも、あ~!長生きしなくっちゃな!!

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