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親友だった同僚が他界した話

外資系に転職した 30 歳前後の頃、私は仕事に没頭していた。平日は寝る以外ほぼ会社にいるような生活で、あの頃は仕事が自分の人生の大半を占めていた。
その中で、同じチームに所属し、仲良くなった同僚がいる。
歳は離れていたが、不思議とウマが合い、金曜はほぼ毎週仕事帰りに飲みに行っていた。

仕事に対する向き合い方や、何よりその気遣いとコミュニケーション力をとても尊敬していた。

毎日職場で終日一緒で、週末は飲みに行っていたあの頃。

そんな彼女が突如会社を休みがちになり、1 年も経たずに他界してしまった。(後から聞いたら癌の Stage4 だったという話だった)

彼女らしく、最後まで病名どころか、病状が良くないこともあまり教えてくれないままで、感謝の言葉もお別れの言葉も言えないままだった。

私が最後に送った LINE、何の変哲もないメッセージだったけど、未読のままで数年経ち、私は彼女のアイコンを忘れられずにいる。

以来、たくさんの同僚に恵まれたけど、彼女を超えるほど仲良くなれてはいないし、超えることはもうないかもなとどこかで思っている。
結婚も出産もする前で時間に余裕があって、仕事に全リソースを振れてきたあの頃ならではの関係性だったとも言える。(リモートワークも当時はほぼなかった)

今月はその親友の月命日で、恒例のお墓参りに行った。

近況を伝えて、ケラケラ笑って楽しそうに聞いてくれる姿を想像しつつ。

でもさ。未熟だった私の想像力が足りなかったせいではあるけど、さよならも言わせてくれないなんて水臭いじゃないの。

人生には死があり、永遠の別れがあるということを知ったよ。
今でも油断すると、風化することない寂しさが押し寄せて、涙が出そうになる。

死の直前まで仕事をしていた彼女のことを思い出す。
ダイビングが趣味だったことを知って、綺麗な海の写真を見てまた泣けた。

あの頃のあなたの年齢に近づいてきている。
私は今も仕事もプライベートも右往左往しているよ。また来年近況報告できるように精一杯生きたい。

#ジブン株式会社マガジン
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