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読書・映画の感想文

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たれながすことばとこころ
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記事一覧

読書メモ29「累犯障害者」

善と悪というものは 抽象的な概念である。 というのを前提に考えてないと ちょっと躓くかも。 私が知的障害のある人たちと接して分かったのが 彼らは抽象的な概念を理解するのが非常に難しいということ。 なので、算数で言えば 分数あたりから概念になるので躓くのだ。 時間も多分、健常の人が分かるほどには分かっていないようだ。 だから、約束の時間の「3時間」早く来たりする。 乗り換えサイトをプリントアウトしていてもだ。 コミュニケーションの問題は 言語の獲得にもよるのだが、 オウム

映画メモ68「City Hunter」

忘れとった。 配信後速やかに見たのに!! 私は歌舞伎町っ子なので 歌舞伎町が舞台の作品はやっぱり嬉しくて見てしまう。 興味なくても軽くは見てしまうけど シティハンターは原作持ってたしね! 見ますよ! マンガを映画化すると結構ロクなことないこと多いので 恐る恐るフランス版シティハンター(以下CH)見たことがあるけど 原作への愛に溢れすぎて なんだよ完コピかよ!大好きかよ! と嬉しくなる出来栄え。 それと、Netflixは「カウボーイ・ビバップ」でコケてはいるが(ジュリア

映画メモ67「ある男」

なぜか妻夫木聡の演技が苦手で、 昔ちらっと観た何か以来、敬遠してた。 が、今回「観ようよーー」と言われたので 何となく渋々観た。 あれー、年取ったのか、いいじゃん妻夫木聡ぃ。 キャストが曲者揃いなのに しっかり役者さんになっているじゃないか。 これからは敬遠せずに観ることにする。 好みの役者さんばっかりだったので 何度も観たいなー面白そうだなーと思いつつ 敬遠してきていた(妻夫木聡)。 そう、なんなのこの豪華キャスト。 小説が原作で、原作は平野啓一郎。 この人の本を

映画メモ66「ダニー・ザ・ドッグ」

すみません、ジェット・リー。 ふと思い出した名前。 「リーリンチェイっていたよなあ、確か…」 とググったら出てきたのが ジェット・リー。 お前バグってんの? と思ったら さーせんっしたー。 さてダニー。 ダニーが今度は良い人に拾われたんだね。 「レオン」みたいだなあと思いながら観てて 血のつながりなど家族の条件ではないよねって しんみりと思った。 私はきっと息子達を、血がつながらなくても 赤ちゃんの頃から暮らしてたら今と同じように 大好きなんじゃないかなと思う。 だ

読書メモ28「あのころはフリードリヒがいた」

先日「死すべき定め」をブックオフで買ったので取りに行ったところ ワゴンに載っていたのがこの本。 パラパラ見て、100円だしなーと購入。 「死すべき定め」は読み始めてもいないんだけど とりあえず児童書だしねと思い、まずこちらから読み始めた。 ヒトラーが政権を取ってからのドイツの普通を ドイツ人少年「ぼく」が ユダヤ人少年フリードリヒとの日々を通して 描いている。 ユダヤ教のことなどが注釈に細かく書いて補足されているので 分からないことの多いユダヤ人の日々の暮らしの理解にも役

映画メモ65「男はつらいよ(1)」

彼氏が寅さんを見たことがないと言うので 寅さんを師と仰いではいないが全シリーズを 小学校低学年のうちに見終わっている末息子が 「見なくちゃ」 となり、とりあえず1作目を流し見。 流しておいていいんだよ、寅さんは。 ベタベタでいいの。 おばちゃんがポンポンポンポン気味の良いテンポで 寅ちゃんあんたはまったくと言い、 タコ社長が若いな、おい。 おいちゃんは心臓が悪そうだが、おいちゃん自体は長生きする(俳優は変わっている)。 さくらは・・・やばいな、超かわいい。 なんだあれは。

映画メモ64「マッド・ハイジ」

ちなみに私は「アルプスの少女ハイジ」の原作を読んでいる。 アニメの方は記憶が怪しい。 こないだ池袋の東武百貨店でアニメのハイジ展やってて ゆきちゃんのぬいぐるみ欲しくなった程度。 なので、原作を読んで「ああなるほど」となることが多かった。 児童文学は大人になってから読むとマジで沁みるのであるが 子どもの時分はあまり響かない。 大人が読んで「読めええええ」と子どもに勧めて 「えー」となるのが何ターンも続いてるんだろう。 いい例としては国語の教科書だ。 私はこういうのに心打たれ

映画メモ63「プー あくまのくまさん」

え、イーヨーなんだ・・・? 私だったらピグレットいくよ。 てかまあ、普通のスプラッター。 北海道その他のクマ駆除に電凸するような 脳みそお花畑ピーポーは、これ見たらいいと思うよ! クマ、走る姿とかマジでやる気しかないし 勝てる気しないし。 ブタはまあ行ける気もしなくもないが(爪先立ちだし) しかしイノシシと同じ種なので案外勝てないと思う。 たまにイノシシにやられて人が亡くなってるよね? しかし、ティガー来たらまあ、やばいよね。 トラじゃん・・・ あくまのくまさん、

読書メモ27「花の慶次-雲のかなたに-」

行くぞ米沢! 数十年ぶりに読みたくなりメルカリで購入。 息子が 「僕は北斗の拳も好きだから花の慶次を読まなきゃいけないんだろうか」 と言いだしたからでもあるんだけど。 感想も何も 傾奇者のかっこよさを これでもか!と 叩きつけてくるだけなので いいに決まってんだろ、です。 大体さあ、ほんとかよ?みたいな 少しの史実をこんな膨らませる隆慶一郎よ。 こちらは原作。 読んだことないけど、読んでみるかな。 突然のカミングアウトすれば捨丸が本当に嫌いなので 数十年読まなかっ

読書メモ26「方法序説」

言わずと知れたデカルト先生。 「我思う、ゆえに我あり」 Je pense, donc je suis. Cogito, ergo sum. で大変に有名で、学校出てない私も知ってる。 名前も知ってる。 でも、読んだことがなかった。 薄いし、読んでみよう!と思い立ち買ってみた。 けどなかなか読み進まなかったのは時代背景と 科学の進歩のリンクが今ひとつ分かってなかったから。 小さい頃に布団に入って考えた。 「死んだらどうなるんだろう」 みんな考えるやつ。 死ぬって、心臓止まっ

映画メモ62「鹿の王」

偶蹄目シリーズ。 https://amzn.to/3PWxVtn こちらは狂犬病についての勉強(にはならない)ついでの鑑賞。 本のシリーズは面白そうだけど長いので映画で見てみよう!と ズルをしたのが悪かったんだなすみません、というのが感想。 ハリー・ポッターだって、映画にすると小さなところが どうしても端折られちゃって寂しかったじゃないの。 そんなこと言ったら指輪物語だって3部作にしても寂しい。 というわけで同じような反省をしてしまったのだった。 読んでから見たらいい

映画メモ61「LAMB」

偶蹄目ウィークエンド。 偶蹄目 このグループは、奇蹄目と共に、四肢の先端に蹄(ひづめ)をもつことを特徴とする。偶蹄目と呼ばれるように、偶蹄目の特徴は、2つに割れた蹄である。(Wikipediaより) ラムといえば肉。子羊の肉。 子羊、などとググってはいけない。 かわいいものだらけだ。 あんなものがプルプル立ち上がろうものなら ハートを鷲掴みにされてしまう。 しかもあいつら、ぴょんぴょん跳ねちゃったりして か、かわええ・・・。 「ユキちゃん!」 と言いたくなる(アルプスの

映画メモ60「マレーナ」

モニカ・ベルッチ、さすがな美女っぷり。 好きで美人に生まれてるわけでもないのに 注目を浴びたり 男が寄ってきたり そのことで嫉妬されたり。 嫌よね。 ・・・わかるわ。 嘘です、言ってみただけです。 思春期ってキラキラなんて本当はしてなくて 下半身だけで生きている時期で 映画では直球過ぎてるけど、こちらが事実なんだろうと思う。 パパがもう本当に面白くて 「うああああ、俺にも覚えがあるんだよおおお!」 と言わんばかり。 マレーナを引き立てるように、 他の女には色がない。 家

読書メモ25「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」

久しぶりに純文学、山田詠美。 小学生の頃に大好きで10代の頃はよく読んでた(子育ての傍ら)。 ポンちゃんシリーズは最初の夫のお気に入りで よく音読してあげてた。 ふたりで一緒に笑うには音読っていいよね。 私は恋人がやっぱり突然亡くなっているので こういうお話はできるだけ避けてきた。 泣いてしまうからね。 だって 「誰かの死は、すべて遭遇した人の初体験なのだ。千人いれば千通りの死の受け止め方がある。」(文庫版P.95) なんて書かれてしまっては、 「結婚してたわけでもな