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起業しよう!Vol.2 アイデアを、ビジネスモデルにしよう。

Vol.1ではアイデアを見つけるヒントを書いてみました。
https://note.com/ritomo21/n/na5ee73d391e9
Vol.2ではそのアイデアをどうしたら、ビジネスモデルに出来るかを考えてみたいと思います。

1. アイデアを、どのようにビジネスモデルに変えていくのか。

起業アイデアが浮かんだら、そのアイデアを具体的にワードやパワポで書いてみましょう。そして何度でも書き直してみます。この作業を行うことで、自分の計画の良い部分と問題点が見えてきます。良い部分をさらに伸ばし、問題点をブラッシュアップすることで、成功の可能性のある事業に変化することが出来ます。

リーンキャンバスー2

ビジネスモデルの事業計画書を作成する場合は、下記の項目に基づいて、詳細にマーケットの調査も行い作り上げていきます。今回はこの事業計画書の作成手順からキモとなる部分をセレクトして、紹介したいと思います。

事業計画書作成手順


2. 最初にコンセプトを書いてみましょう

頭の中にあるアイデアを、Wordやパワポで記載してみましょう。どのような事業をやりたいのかを明確にして、整理する作業です。そして、どこでマネタイズをするのかを考える作業でもあります。ビジネスモデルをチャート化することで、分かりやすくなります。内容をブラッシュアップすることで、事業の可能性がみえてきます。きちんとしたターゲットやコンセプトを決める前に事業開始をしてしまい、ビジネスをする方がたまにいます。でも、大抵は失敗する可能性が高いのです。或いは競合の調査もせずに起業すれば、レッドオーシャンに飛び込んでしまうかも知れません。

さて、コンセプトとは何でしょうか。どのような事業を行い、他社とどのように違いがあるのかを明らかにすることです。簡単に言えば、誰がターゲットで、どこで、何を、誰に、どのように、そしていくらで売るかを明らかにする作業です。所謂6W2Hを書いてみましょう。このコンセプト次第で、コロナ禍で戦える事業となる可能性は高いかの見極めがつくでしょう。

6W2Hを書きだしてみる
  When:いつ 事業開始はいつですか。
  Who:だれが どのような人事構成で臨むのか
  Where:どこで バーチャルなのか、リアル店舗なのか
  Whom: だれに ターゲットは誰か。住環境、所得、ライフスタイル
  What:なにを 商品は何なのか、メニューの詳細
  Why: なぜ どうして、その事業を始めようと思ったのか
  How:どのように  どのようにマネタイズするのか
  How much:いくらで  価格帯、参入価格などの考察

そしてこの事業は競争力があるのでしょうか。例えば下のような表を使ってみるのも良いでしょう。

noteリーンキャンバス

これらを具体的に書くことで、事業のアウトラインと他との差別化や問題点が見えてきます。さらに言うならば、「誰に」は所謂ペルソナと言われている顧客ターゲットですが、単に30~40代女性とだけではなく、どのようなエリアに住んでいるのか、主婦なのか、或いはどのような会社に行って、どのくらいの所得階層で、ライフスタイルはどのようなのかまで、明確にして欲しいのです。

3. 初期投資金額+ラニング費用

初期投資金額
考えている事業を起こす際に、かかる費用はいくらかかるのか。これを算出する必要があります。ECサイトであれば、サイト構築費用になります。店舗であれば、物件取得費用や、内装、厨房設備、什器備品などの資金になります。

ラニング費用
開業してから、利益が出るまでの経費はどのくらい見ておけば良いのでしょうか。利益が出るまでの維持費用になります。事務所や店舗を構えるのであれば、人件費+家賃です。一般的には3か月~6か月と言われてますが、実施する広告によっても、立ち上がり時期は変わってきます。Eコマースならば、ショップが顧客に認識されるまで時間がかかります。その分の生活できる費用を、取っておく必要があります。テック系ベンチャーの場合は所謂「死の谷」を越えるべく、VC、CVCなどの資金調達を考えておく必要があります。副業であれば、その部分の費用は本業の給料で賄えるでしょう。

4. 工程表

エクセルにいつ何をするかを書いてみます。まずは開業の日を決めましょう。そこから逆算して何をやるかを書きます。例えば、最初にコンセプト固め、市場調査、競合調査、資金調達、会社設立、HPの作成、販促の準備、店舗であれば物件探索などもあります。
To Do Listですね。机の前に貼っておきましょう。

5. 市場調査


事業モデルのビジネス化にあたり、市場調査を欠かしては先に進めません。自分の事業がどのくらいの市場規模で、どのような市場環境なのか、現状、将来性、他との違いなどを日本国内はもとより、世界市場を視野に入れて見ていく必要があります。

1) 参入する同業種、同業態の調査を行う。
・同業態の会社の特徴をエクセルで表にして、明らかにします。
・店舗であれば、近隣の同業種、同業態を地図上にマッピングして比較対象とします。
2) 経済白書
経済各分野にわたる総合的分析と今後の経済の動きおよび経済政策の方向を示唆するもので、海外も視野に入れて数値が見られます。

3) 都府県や市区町村の、人口動態や地区の所得階層の資料を参考にします。

4) 参入する業態の「協会」があれば、同業態の売上推移や市場規模などの統計資料を問い合わせて、調べることができる場合があります。フランチャイズチェーン協会や全日本コーヒー協会など。

5) その他ネットなどの資料を、参照するのも良いでしょう。

6. 収支計画書の作成

ネット検索で収支計画書と入れて見れば、ほぼ同じフォーマット形式でみつかります。その収支計画書に、売上、原価、粗利益、経費、営業利益を実際に開業月からでも良いですから、月ごとに1年間数字を入れてみてください。日本政策金融公庫からの借り入れをおこす場合は、2年目も作成します。勿論売り上げは当て込みになりますが、根拠がない数字では砂上の楼閣になってしまいます。それぞれの業種業態の計算方式があると思いますが、記載してみることです。そして営業利益が実際に生活できるレベルに、いつの時点で達成できるようになるかを見てほしいのです。

営業利益が足りない場合は、売上を上げる販売チャネルを他に増やしたり、客単価の高いアイテムを導入する。或いはデジタルとアナログの販促をさらに増やすなど、なんらかの形で売上増を見込める施策を練ることでしょう。

さぁ、アイデアをビジネスモデルにしてみて下さい!


*東京都中小企業振興公社のHPに、事業計画書のフォーマットやサンプル例がありますので、参考にしてください。
https://startup-station.jp/m2/services/consultation/planconsulting/jigyo-keikakusho/


シード・ビジネス・クリエーション 代表 鈴木 博之
商社勤務を経て独立。26年間の会社経営で、イタリア食材輸入販売、飲食フランチャイズも含め16店のチェーン店化、損害保険代理店業務などを手がけた。その後コンサルティング会社に転じフランチャイズ本部構築支援、大手外食チェーンの組織改革に携わる。パソナキャリアではミドル~シニアのセカンドキャリア支援を行い、300名を起業に繋げている。その後パソナのグループ会社として、社内ベンチャーで起業し、役員として起業セミナーの動画配信やWebマーケティングを立ち上げ運営に携わった。現在は再び独立してフランチャイズの本部構築支援を中心としたコンサルティング会社を経営しており、TOKYO創業ステーションStartup Hub Tokyo丸の内のコンシェルジュや、東京都中小企業振興公社のプランコンサルタントでもある。



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