迎春

大好きな小説を自分の経験をもとに不定期に書きます。好きに書くので好きにコメントやスキを…

迎春

大好きな小説を自分の経験をもとに不定期に書きます。好きに書くので好きにコメントやスキを押してください。

マガジン

  • ショートショート

    2021年頃に書いていた短い作品をまとめています。 1000文字以下程です。興味のある方は是非読んでください。

  • 読書感想文

    本を読んだ感想を書いています。 同じ作品を読んだ方や興味のある本があった方は読んでみてください。

  • 日雇いと愛(連載小説)

    私が感謝したい人達に精一杯のありがとうを伝えました。 もう会えない人のほうが多いけど、今の自分があるのは貴方たちのおかげです。 ありがとうございます。

  • 短篇小説

    短編小説をまとめました。 1000文字から4000字程度が目安です。 是非読んでください。

最近の記事

  • 固定された記事

【連載小説】日雇いと愛(1話)

父が失踪して母親に女で一つで育ててもらった。ただ感謝しているとは思えない。母親は家に仲間を連れ込みお酒を飲み散らかし、部屋はタバコのヤニまみれとなり、僕の知らない男と遊んでいた。僕は将来のことを考えるのを放棄していた。そしていつのまにか高校を卒業してしまった。大学進学するお金も頭もなかった僕は何も考えず東京に上京した。 東京に行けばなにかが変わると思っていた。 一人暮らしは心地よかった。あの嫌い続けた人達が飲んでいた酒も部屋には散らかっていなかった。村社会特有の仲間意識も

    • ショートショート ラムネ炭酸寝顔

      贅沢な女。 私のマンションに住ついて、炭酸風呂が良いと甘えてくる。 どこで買ってきたのか、高級な入浴剤を入れて泡風呂にする。 それだけじゃ足らないのか、お風呂の床にビー玉を大量に敷き詰める。 「ねぇ!!ラムネ風呂!!」 と私に自慢する。 マッチングアプリで出会った私達はすぐに肉体関係となった。 お互いに独身だし、犯罪じゃない。 だが、相手はまだ20歳。 私は28歳。 大学通ってるんか。 行ってないだろうな。 俺と別れたらパパ活とかするんかな。 拾った

      • ショートショート トラネキサム酸笑顔

        舞台袖。 相方の喉の調子が良くならない。 うちの相方は緊張したり、つまらないネタをするとき、お客さんが重いとき、喉の調子が悪くなる。 「喋れる??」 相方は小さく首を振る。 ただ今日だけはなんとか頑張ってもらいたい。 今日の舞台はお笑いグランプリの決勝なのだ。 幼馴染でコンビを組んでから下積み12年。 ようやく掴んだチャンス。 ただ相方がこの痛みを発症して、ウケた試しがない。 ネタ合わせもできずに、本番の時間が迫る。 私は最終手段を使うことにした。 ポ

        • ショートショート 雪解けアルペジオ(573文字)

          「アルペジオ上達方法は繰り返し練習することです」 ギター教室の先生が私に教えてくれるのは基本的なことばかりだった。 期待はずれだったかも。 私は心の中でこっそり呟く。 先生がピックを持ってギターを弾くと手がまるで別の生き物のように動いている。 ギターもそれに応えるように素敵なメロディを奏でる。 それに比べて私のギターはなんて不恰好な音を鳴らしちゃうんだろう。 なんとなく新しい趣味を始めたかった私は「春に音楽を始めませんか」という大型スーパーの掲示板の広告が忘れら

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        【連載小説】日雇いと愛(1話)

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        • ショートショート
          23本
        • 読書感想文
          13本
        • 日雇いと愛(連載小説)
          10本
        • 短篇小説
          5本

        記事

          ショートショート 春ギター(410文字)

          大型スーパーの3F。 本を買う帰り道。 掲示板の広告に「春に音楽を始めませんか」とキャッチコピーを見てしまった。 少し離れたところの防音室で50代の女性がギターを練習していた。 「ギターか…」 私は独り言を呟いた。 冴えない独身男性がギターを始めてもな。 心に湧いた何かを諦めるように帰ろうとすると防音室の向こうから微かにメロディが聞こえる。 F6・・G・AM・・F6・・G・AM・・F6・・G・AM 聞こえてきたのは拙いが心に染みるようなメロディーの春よ、来い

          ショートショート 春ギター(410文字)

          【読書感想文】 ことり

          ことりを読み終えた。 深。 プロの作家ってこういうことだな。 心に染みる素敵な作品だな。 ありのままが素敵で自由だな。

          【読書感想文】 ことり

          「で」と「が」 ※この記事は1分で読めます。

          先日、業務部にシールを1枚欲しいと頼んだ。 机の引き出しごとに、なんの筆記用具が入っているか書いておきたかった。 優秀な業務部は私に一枚シールを渡してくれたのだけど、そのシールは私が欲しかったシールのサイズより少し大きかった。 するとたまたま近くを通りかかった局長がタックインデックスを持っていた。 私は「これで良いです。いやこれ……. が ………良いです」 と普段は出さない大きな声を出してしまった。 業務部の人も局長もなぜか満足気だった。 話し言葉でも助詞っ

          「で」と「が」 ※この記事は1分で読めます。

          【読書感想文】 夜明けのすべて

          自分が心から何が好きかを問いかけてくる作品に感じたな。 パニック障害、PMS、他のにも世間には知られてないけれど、本人がしんどく感じる病気ってたくさんあるんだろうな。 やっぱり小説読むと心が楽になるな。

          【読書感想文】 夜明けのすべて

          ショートショート オバケレインコート

          自然豊かな小さな片田舎。 山の奥地にオバケレインコートが出没すると噂があった。 中学生になったは良いが田舎で何もやることもなかった。 退屈すぎた日常を変えたくて俺は友達を誘い森に行くことにした。 大人達には絶対に入ってはいけないと何度も言われたが関係ない。 ここより先立ち入り禁止。 おばけレインコート出没。 赤文字で書かれた看板は少し怖い。 友達はやっぱり帰ると、泣きそうな顔で走って帰ってしまった。 いくじなし。 俺は好奇心に勝てない。 看板の文字を無視

          ショートショート オバケレインコート

          ショートショート 花冷え全員集合

          「花冷えの季節が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」 久しぶりに届いた手紙には高校の同級生全員集合して花見をする旨が書かれていた。 卒業して5年だぞ。 断る勇気があればな。 花見は嫌いだ。 お酒を飲みながらワイワイと騒ぐ。 うるさくて、下品だ。 儚く散る桜は美しいかもしれないが弱々しい。 いや….一番弱いのは俺か。 群れていると自分が自分じゃなくなる。 ちょっとランニングしてこよう。 好きな音楽を聴きながらランニングするのは良い。 走るのは好き

          ショートショート 花冷え全員集合

          葉桜の季節に君を思うということ

          学歴に自信がない男ならみんな大好きな本だと信じたいな。 こういう熱くて前向きな小説を読むと今すぐ誰かに紹介したくなる。 けど、周りの知り合いに小説の話できる人なんていないだよな。 特に男ってもう小説読まないのかな。 スマートでモテたいから読む小説じゃなくて、女性から嫌われてもいいから熱苦しくて燃えるような小説が好きなんて人少ないんだろうな。 2003年には発売されていたらしく、20年前の作品だけどやっぱ面白い本は面白いな。 けど普通の小説好き人にはあんまり好かれな

          葉桜の季節に君を思うということ

          モカ入り卒業式【毎週ショートショートnote】裏お題

          高校の卒業式  マドンナ先生は変なことを言い始めた 「ここに半分注がれたコーヒーがあります。このコーヒーを見て君たちはどう思いますか」 コーヒーだったけ ドラッカーの思考実験だった気がする コップの水がもうからまだに変わったときにイノベーションの機会が生まれるんじゃなかったけ 私は手を上げた 「私はコーヒーはまだ半分と思うと思います」 先生は優しく微笑んでくれた 「やっぱり君は優秀。けどこれは水じゃなくてコーヒーよ」 何が言いたいのだろう 「女性がコーヒ

          モカ入り卒業式【毎週ショートショートnote】裏お題

          【ショートショート】深煎り入学式(412文字)

          47年前 大学受験から逃げた私は、地元の工場に就職した 大学に行かない理由を、家が貧乏だと言い訳した 本当は落ちたときに周りからバカにされるのが怖かっただけだ 背負った学歴コンプレックスは凄まじかった 苦い人生を歩んだ シワの増えた顔を鏡で見るたびに苦労したと思う あのときに受験したらどんな人生だったのだろうか 今の私には恥を晒せる友達すら周りにはいない 先日、息子が私にMacBook airを定年祝いで買ってくれた パソコンは操作できるが理由がわからなか

          【ショートショート】深煎り入学式(412文字)

          【ショートショート】錦鯉釣る雲

          一人、釣り堀で空を見ているとストレスが解消される 曇り空を見上げながら一向に餌に食いつかない鯉に餌は食べられ続けた もう退職届を出そう 辛い すると見上げいた曇り空から1本の後光の光が差した 光は目の前の釣り堀に一直線に光を放っている 目の前にいた大量の錦鯉が光を通して雲へ向かって泳いでいる 起こっている状況が理解できず呆然としていた私 釣り堀の店長はキレながら錦鯉を池に戻そうとする しかし錦鯉は構わず光の川を泳いで雲に向かっていく 錦鯉に執着した店長は錦

          【ショートショート】錦鯉釣る雲

          【読書感想文】 猫を処方いたします②

          読み終えちゃった。 なんか自分も悩んだりしたら猫買おうかにゃ。 にゃんにゃんだね。 猫を飼ったことある人とかにはブッ刺さる作品なのかな。 かなじゃなくてかにゃか。 仕方ないけど小説読む人って少ないよな。 コスパ悪いもんな。 …そこが好きなんだけど。

          【読書感想文】 猫を処方いたします②

          【ショートショート】命乞いする蜘蛛

          木の上には大きな蜘蛛の巣があった。 その巣を大きくしようと懸命に仕事をしている1匹の蜘蛛がいた。 トカゲの俺は蜘蛛に気づかれないように、そっと木に登り蜘蛛の背後に忍び寄ることに成功した。 振り返って俺を見た蜘蛛は驚いた表情をしている。 蜘蛛は何を思ったのか急に土下座の姿をした。 そして糸を左右に垂れ流している。 滑稽だな。 命乞いをしている蜘蛛は笑えてくる。 散々自分だって蝶や蝿を食べて生きてきたくせに。 コイツはいつまでも捕食者の立場でいることができると高

          【ショートショート】命乞いする蜘蛛