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イギリスの産科医療1:助産師がついた、が…

イギリスでは妊娠したと何かしらの形でNHSに連絡すると、助産師との問診や検査をはじめ、分娩まで続く、antenatal care(妊婦と胎児対象の産科医療)が始まります。


Antenatal care(産科医療)初利用

私の場合、妊娠5週(妊娠判定検査のあたり)に不正出血の件でGPにかかって紹介されたEarly Pregnancy Assessment Unit(「妊娠初期対応班」的な人々)の電話相談とエコー検査を利用したころから、すでに産科医療は始まっていました。

NHS産科医療の仕組み

公共医療機関であるNHSにどこかしら連絡した時点で、あちらは私を妊婦として認識します。
これがどういう意味かというと、antenatal careの名のもとに、妊婦と胎児向けテンプレ医療プログラムに自動で組み込まれるということになります。

具体的には、日本でいう「妊婦健診」にあたるアポが入ります。助産師との定期問診をはじめ、妊婦の年齢や健康状態に応じて一定の時期になるとその時期に推奨される検診を勧められます。

毎月給与から天引きされる国民健康保険料で運営されるNHSのサービス内なので、全てが無料です。が、受診は義務ではありませんし、勧められたことに従う必要もありません。やるかどうか選ぶのはあくまでも利用者側です。

なぜあえてそこを強調するかというと、自分に拒否権があると知らず、言われるがままに不要な医療介入を許したがために望まない結果になるケースが珍しくないからです。

なので、妊婦側は医療提供側の言うことや勧めをすべてうのみにするのではなく、メリットと自分と胎児が受ける受ける影響も考えようという意識だけでも持っておくといいと思っています。

助産師がついた

とはいえ、初めての妊娠、何をしてくれるのかという興味半分、医療提供側=NHSの勧めるがままに最初のステップ、助産師との面談に踏み出しました。

日本だと産婦人科に通って産科医に世話になるのが普通だと思いますが、イギリスではmidwife=助産師がつきます。

私が辿った手順:

  1. Community Midwifery Teamなる地域の助産師チームに連絡

  2. NHSとの連絡用ポータル Badger Notesに招待、アカウント作成

  3. 自分の地区の担当の助産師との初診予約

  4. Badger Notesの問診票入力

  5. 助産師と会う

Badger Notes

面談アポは妊娠10週になる週に入りました。そのまえにNHSの妊婦用ポータルサイトBadger Notesにで問診票フォームに入力。

Badger Notes画面。妊娠の時期に応じた情報が出てきます。

電話で誘導されるままにアカウントを作ったあとで実は作る必要はなかったことを知りました。あちら側はそういうことを言わないんですよね~。わざとというより、やって当然という前提だからだとは思うけど。

くっそ長い問診表フォームに入力する必要もありませんが、あらかじめ回答しなければ助産師との初回面談で口頭で質問されることになるので、面談時間を短縮できるという意味では入力しとくと便利ではあります。

当然ながら、質問に全部答える必要もなし。立ち入りすぎるんじゃない?と思う質問、夫に聞いて同意を得てからにしようと思ってた質問をすっ飛ばして保存したら、入力画面に戻れなくなってたので、「ま、いっか」とそのまま面談に行きました。

助産師と問診1回目

私の住む地区の助産師はかかりつけのGPに毎週木曜に来ています。
妊娠10週、初診には夫も少し長めの昼休みをとって参戦。
アポの時間になると、医師や看護師のユニフォームとは違う、私服の女性が出てきました。

面談内容:

  • 質疑応答

  • 血圧測定

  • 尿検査

  • 血液採取

  • 体重測定(待合室で自分でやったのでスキップ)

基本、感じのいい、プロフェッショナルな助産師さんでした。
質疑応答の前に「問診票フォームの質問の中で、答えたくないものは答えてないので聞かないでください」とことわっておいたにもかかわらず、同じ質問をされたときはむっとしましたが。

血液検査では、血液型・鉄分・性病・稀な血液の病気のスクリーニングが勧められます。性病と血液型の検査はチェコで去年やった結果があるのでお断りして、血中ヘモグロビンとサラセミアだけ検査しました。

助産師担当の仕組みはcaseloading(「担当制」みたいな意味)といって、基本は一人の妊婦に同じ助産師がついて分娩まで面倒を見てくれる…のが理想なのですが、私の担当者はなんと妊娠中。あと数ヶ月で産休に入るそうで、終始同じ助産師が担当することで目指すcontinuity of careがさっそく絶たれるという状況に。
新しい妊婦に対して、周産期までいない担当者をつけるっていうのは微妙。妊娠してない助産師にしてほしかった。

交替を要求できる権利はあるっちゃあるけど、産科医療やケアを切実に必要にしているような状態でもないし、自分より妊娠週数がいってる妊婦の助産師と話すのもまた良しかな、と思って、ひとまずチェンジは保留しました。

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