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インタビューをしながら学んだこと

某アルムナイグループ向けのインタビューシリーズを担当して、インタビュアーとして50人ほどのアルムナイへのインタビューを経験してきました。こうしたインタビュー記事はnoteを通じて公開しています。

元々自分にインタビュアーの経験があるわけではなく、またその才があるわけでもないのですが、担当する中で手探りで試行錯誤しながら進めてきたところ、振り返ってみるとある程度ノウハウといえるようなものが見えてきたことに気付きました。相変わらず毎回右往左往してはいるものの、ここはこうしたら良いかもとか工夫の余地が出てきて、少しづつですがブラッシュアップしてきているように思います。

そこで、アマチュアインタビュアーとして、参考に成りそうな点をまとめてみることにしました。プロのアナウンサーなどの方からすると天賦の才がある上に経験を多く積む中で、足元にも及ばないレベルの方々が多くいることは承知していますが、あくまでインタビュアーとしてはじめてインタビューに臨む方がいるとしたら、そうした方々に参考に成れば良いと思っており、以下では、シリーズ性をもって複数インタビュー記事をマガジン化する前提での解説をしてみたいと思います。

1.コンセプトを決める

アルムナイ向けのインタビューなのか、趣味の同好の士へのインタビューなのか、といったようにインタビュー相手の属性とインタビュー記事のコアにしたい部分を予め想定しておく。

2.相手を見つける

コンセプトにあったインタビュー相手を見つける方法としては、①紹介を受ける ②自ら見つける といった選択肢があるが、後者については①候補者リストを作る ②案内文を作成する といったことが必要。

3.相手になってもらう↔相手を知る

インタビューに応じてほしい相手に受けてもらうためには、事前に相手のことを知ることによって、依頼の仕方にも工夫の余地が出てくることがある。そこでOKをもらう前に相手のことを知っておくことは有効。
ウェブ上に相手の公開記事があったり書籍を執筆している等の場合は、事前にその情報を知った上で、OKをもらった後は丁寧に読み込むことも必要。

4.何を聞くか決める

標準的な定型質問項目を検討して用意しておく。更に個々の相手用には相手のトピックにフォーカスした質問も付加して質問リストを用意する。

5.前もって質問を投げる

質問リストは、事前に相手に提供しておくことで、相手にとっても安心につながる。

6.前もって回答を得る

相手の了解が得られるならば、質問リストの回答をテキストレベルで入手しておくと良い。もし相手に余裕がない場合は、当日質問リストに沿って質問することを伝えておく。

7.インタビューは1時間で終える

質問リストの回答を事前に得ている場合は、当日は同じ質問ではなく、より深掘りをした質問に絞り込む。事前には回答を得られていない場合は、リスト上の質問に加えて臨機応変に追加質問を行う。

インタビュー時間は1時間を原則として超えないようにする。また冒頭に録画録音の了解を得ておく。

なお、前掲3の「相手を知る」の項で触れた入手済の相手の情報については、インタビューの際に敢えてその情報を知っていることを前提にインタビューをすることは避ける。これは例えば「貴方は○○会社にその後勤められたんですよね」とか「趣味は映画を観ることですよね」と聞くパターンに当たる。この聞き方はインタビュー相手に取っては不自然ではないが、記事の読み手に取っては相手に聞く前にインタビュアーが詳しい情報を知って話していることに違和感を感じるから。この典型例は「徹子の部屋」に見られる。(あくまで個人の感想なので、この点は意見の分かれるところ)

8.文字起こしをする

文字起こしは、当日のインタビュー内容の忠実再現を過剰に意図しないようにする。その理由は、忠実再現をしようとすると文字起こしボリュームが膨大になるのと、当日インタビュー自体がロジカルに展開していない場合に、文字起こし段階でストーリー性を失ってしまう危険性があるから。
したがって質問リストの回答を骨組みにしつつ、当日インタビュー内容で肉付けするようにする。
なおプロ級のインタビュアーの方の場合は、当日インタビュー自体がストーリー性もあり、ロジカルに展開していることが想定されるので、それ自体の再現性を求めることで記事品質は担保されるとは思う。
この場合には、文字起こしツールやChatGPT等を活用することが効果的と言えそう。

9.ボリュームはWord5〜7ページに

インタビュー記事の読み手にとって、記事が冗長だと感じさせないボリュームとしてはWordで5〜7ページ程度とするのが望ましい。

10.素案を推敲し相手に提示する

文字起こしした初稿を相手に提示し推敲校正を依頼する。

11.加筆修正を受ける

相手本人が初稿記事に違和感を感じるようであれば遠慮なく手を入れてもらうようにする。

12.投稿記事イメージを提供する

推敲校正後の記事原稿が戻ってきたら、公開予定のメディア媒体上での投稿イメージを確認できるように下書き入力を行う。

13.投稿公開する

相手の最終了解が得られたら投稿を行う。

14.最後に

最近出版された新刊本に「日本人のための『書く』全技術」というものがあります。そこに書かれた重要ポイントについても最後に触れておきたいと思います。

A.企画に関する情報を集める

  1. 「多く」の情報を集める

  2. 「新しい」情報を集める

  3. 「正確な」情報を集める

B.質問項目は必ず事前に相手に渡す

C.質問は「広げる」「進める」「深める」

D.情報が足りないときは追加取材をする

E.なくても意味が通じる言葉を削る

F.「型」に当てはめて書く

G.読んでもらえるかはタイトルで決まる


インタビューの進め方や文字起こし等については、他にもウェブ上には複数の参考サイトがありますので併せてご覧いただき、より良いインタビュー記事の公開が実現できることを願っております!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!




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