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サトノダイヤモンド配合考【2022主要新種牡馬 Half-year Review - 配合分析編】

イントロダクション

前回投稿した「2022主要新種牡馬 Half-year Review」から、各種牡馬の配合を分析するシリーズを始めようと思います。第一回はサトノダイヤモンドを取り上げます。

2歳戦のパフォーマンスサマリー

このダッシュボードで示されているデータのとおり、サトノダイヤモンド産駒の中央競馬における2歳戦の成績は、産駒デビュー前の世間の期待感と比べると、ちょっと微妙な結果だったのではないでしょうか。

主だった産駒の傾向は、以下の3点であると考えます。

  1. 牝馬の成績が芳しくない(牝馬の勝馬率が11%にとどまる)

  2. 距離はマイル以上(マイル未満は未勝利)

  3. 勝鞍すべてが坂コース(平坦コースは未勝利)

なお、平坦コースで未勝利だった点については夏競馬でのデビュー馬が少なかったことが影響していることは考慮する必要があります。

牝馬の成績が奮わない点については、出走頭数26頭のうちノーザンファーム(NF)生産馬が7頭+NF以外の社台グループ生産馬3頭 = 合計10頭という点も考慮したうえで、「期待外れな結果」というのが公平な評価になるでしょう。ただし、阪神JF 2着のシンリョクカを輩出した点から、クラシック候補生を出すポテンシャルは十分にあるということも言えると考えます。

走る配合パターンは?

中央競馬の2歳戦勝馬率を目的変数とした繁殖牝馬の血統パターン分析から、以下の4つの配合パターンに分けることができました。便宜上、そのパターンをP, Q, R, Sと分類しています。最も勝馬率が高いパターンPは46%、一方パターンSは0%という結果になっています。

※あくまでも配合パターンの分析であり、繁殖牝馬のファミリーラインのクオリティは一切考慮していません。

パターンP = 母父が持つHyperionの本数が多い&祖母がMenowを持つ
パターンQ = 母父が持つHyperionの本数が多い&祖母がMenowを持たない
パターンR = 母父が持つHyperionの本数が少ない&祖母がMenowを持つ
パターンS = 母父が持つHyperionの本数が少ない&祖母がMenowを持たない

Hyperionの本数のカットオフ値は「6以上/6未満」という結果になりました。

配合パターンPの傾向

シンリョクカや札幌2歳Sのダイヤモンドハンズが該当するパターン。牡馬3頭、牝馬3頭が勝ち上がり、勝鞍すべてが芝コースである。

配合パターンQの傾向

牡馬4頭中2頭が勝ち上がる一方で、牝馬5頭は未勝利で終わっている。勝利はすべて芝コースで挙げたものである。

配合パターンRの傾向

20頭中牡馬2頭のみが勝ち上がり、牝馬は未勝利。ダートで2勝を挙げたモンドプリュームが、このパターンに含まれる。
※今年に入り2頭の牡馬が未勝利戦を勝ったが、いずれもダート戦

配合パターンSの傾向

全13頭が出走し、2歳戦の成績が【0-0-2-23】という成績。現時点においても、まだ勝ち上がった馬はいない。

まとめ

POG、クラブ馬への出資という観点でいえば、【パターンP】を狙うのが現状ベストな選択と言えるでしょう。また、もう少し産駒の傾向を観察していく必要はありますが、【パターンR】の牡馬はダートでの活躍馬が出てくる可能性があると思います。

【パターンS】は、現状の成績から解釈するとネガティブニックスでしょう。


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