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私の理想のお父さん

私の実父の話はさておき、タイトル通りのことをいきなり書こうと思う。

今、テレビに大地康雄さんが写っている。

私は特に「刑事鬼貫八郎」を演じている、大地康雄さんが好きだ。ドラマの中では超がつくほどの糖尿病の持ち主で、奥さん、娘さん、相棒の刑事さんがタッグを組み、甘い物を食べさせないように阻止されてもいるのである。

それでも隠れて、ちゃっかり甘い物を食べる。その動作が可愛らしく、憎めないのだ。

そして、幾ら何度となく甘い物を取られても、決して憤慨したりしないところが、私は好きだ。

このドラマの主演ではない時の大地康雄さんのことも、チェックしている。

最近、お年もめしあまりお仕事をすることもなくなり、私が最後に見た、北王子欣也さん主演の「事件18」に検察官の役で加害者が判決を言い渡されているシーンで、大地康雄さんは目に涙を浮かべていた。

役者人生で生きてきて、何か想い詰まるものが胸をよぎったのかもしれない。

私はその時、一緒に涙した。

「刑事鬼貫八郎」から大地康雄さんとテレビドラマというものを、私は共に歩んできたからだ。

私は1度、ロケ最中の大地康雄さんを生で見たことがある。

それはそれは、驚いた。
私は遠巻きに、そのロケ風景をずっと見ていた。

大地康雄さんは意外と体格が良く、背が高い。実はその時、宝塚を退団し女優として駆け出したばかりの、天海祐希さんとお二人は撮影していた。

なので、今、思い返すと2001年NHK版の「凍える牙」という作品だった。

雑談だが、天海祐希さんは大地康雄さんより背が高い。

話を元に戻そう。

「刑事鬼貫八郎」で事件に行き詰まると、自宅でうんうんと思考している鬼貫八郎に、奥さんが水割りを持ってきて「一杯だけ。」と渡す、お決まりのシーンがある。そして、鬼貫八郎は、犯人のアリバイを一気に崩すのだ。

そこがまたたまらなく良い。

奥さん演じる、故・左時枝さんと本当の夫婦なのではとさえ、錯覚を起こすのだ。

例え、鬼貫八郎を演じている大地康雄さんが、本当の大地康雄さんではなくても、私はこの人が理想のお父さんの1人なのだ。

あと、もう1人いる。

どちらかというと、この人が本命である。

「はぐれ刑事純情派」の「安浦吉之助刑事」を演じている「藤田まことさん」だ。

「安浦刑事」と私のテレビの付き合いは、本当に長い。

よく「私の人生半分以上SMAP」という人を見かけるが、私には藤田まことさんがその1人にあたる。

ほとんど全話の「はぐれ刑事純情派」を網羅している。

ここで気づいたのだが、私は刑事が好きだなと(笑)
ならば、刑事と結婚すればよかったのだが、それはもう時すでに遅し。見つけたとしても、ほとんどの人が定年退職しているだろう(笑)

話をまた戻して、「安浦刑事」は家庭では娘たちから、総攻撃を受けている。でも、そこそこ怒り返すぐらいで、とても寡黙なのだ。マイペースというか。私はおしゃべりな男は嫌いなので、寡黙な男にとても憧れる。あとは、怒り狂わない男。要するに、器の大きい男に惹かれるのだ。

だから、父親にもそうあってほしいのだ。

「安浦刑事」の藤田まことさんも好きだが、「岸谷五朗さん」が演じた「藤枝梅安」の「胴元」を演じた藤田まことさんも、すごく魅力的だ。静けさの中に、怖いくらいの闇があり、品格もある。だから、「藤枝梅安シリーズ」は、岸谷五朗さんのシリーズが1番好きだ。
惜しいのだが、このシリーズはたった2作品しかない。

「藤田まこと版」の「剣客商売」なんて、素晴らしすぎる。所作が美しいのだ。

今は毎日「必殺仕事人」で、藤田まことさんに合わせてもらっている。

とにかく何をやらせても、凄すぎるのだ。

本当はどんな性格の人なのかは、存じあげないが、私の理想のお父さんは藤田まことさんなのだ。

こんな偉大な人を亡くしたことは、本当に惜しいし悲しい。

だが、たくさんの作品を残して逝ってくれた。

それだけで、私は有難いと思っている。

こうして今でもテレビで、会うことができるのだから。

今度は、私の理想のおじいちゃん編も書いてみたいと思っている。