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リファレンス入力のないKi Proにリファレンス入力はある!

禅問答のようなタイトルになってしまったが、映像レコーダーAJA Ki Proの Genlock (ゲンロック)について書きたい。

Genlockとは「ジェネレーターロック」の略で、複数の映像の各フレームが立ち上がる瞬間を一致させ、そして同期するために使用される信号。プロ用の映像機材にはGenlock端子、あるいはREF端子と呼ばれる端子があり、ここにGenlock信号を入力することで複数の映像機器がその信号に同期して駆動するのだ。

なかなかKi Proを使っている友人が身近におらず、この感動をわかり合えないのだけど、REF端子の無いKi ProにもGenlockを入れられるよ、ということをお話したい。

REF端子の無いKi Pro

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これがKi Proの背面だ。残念ながら「REF」と書いた端子は無い。

REF端子のあるKi Pro Rack

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一方こちらは、ほぼ同時期に発売されたKi Pro Rackの背面。Ki Pro Rackはラックマウントができること、AESの入出力が8ch分ついていること、そして、ストレージモジュールが2個装着される点が(無印・初代)Ki Proと違う点だけど、中身はだいたい一緒という感じだ。しかしよく見ると「Ref Loop In/Out」という端子が付いている。

そうKi Pro RackにはGenlock信号を入れることができるのだ。

REF端子のないKi ProにGenlockを入れる裏技

それでは(無印・初代)Ki ProにはGenlock信号を入れることができないのかというと、実はできる。これが今日のnoteの本題。

面倒でも説明書を読もう。説明書のGenlockのところには以下のように記載してある。

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CMP Y コンポーネント Y 信号をゲンロックソースとして使用します。

なになに?「CMP Y」とはこの端子のことだ。

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HD映像時代に、コンポーネント端子の使いみちはないと思っていたけど、ここがリファレンス入力として使えるらしい。

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シンクジェネレーターからCMP Y端子にGenlock信号を入力して

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説明書に書いてあるとおり、Genlockを「CMP Y」に設定する。すると、ちゃんとCMP Y端子に入力したGenlock信号にロックしているようだ。

本当にロックしているのか不安なので、線を引き抜いてみると、

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「Genlock信号を喪失した」とエラーメッセージが出た。ちゃんとGenlock信号にロックしているようだ。

以上、リファレンス入力のないKi ProにもGenlockを入れられるよ、というお話でした。もし、周囲に困っている人がいたら教えてあげてください。

Ki Pro関連リンク

AJA Ki Proについてはいくつかnoteを書いていますのでよろしければ。


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