瓦割りの裏側
♯30
ふとテレビを観ていて、
「これを見て今どんな気持ちなんやろ...?もうやめたって!!」と思ったことが。
テレビ番組で空手の師範代や、空手小学生チャンピオンが紹介される時に、"いかにその人が凄いか"を表すために必ず用いられるのが
「瓦割り・バット折り」
そりゃ拳ひとつで瓦を20枚割ったり、回し蹴りで木製バットを真っ二つに折る姿は素晴らしいし、その人の怪力さや強さがインパクトが十分に表される。
観ている自分も「すごい!手とか足は痛くないんかな?」と圧倒される。
でも、よくよく考えたらこの一幕にはものっすごい悲しいことがありました。
「割られた瓦」や「折られたバット」を
作っている職人さん
雨や雪を防ごうと人々の暮らしを支える瓦作りの職人さん。
野球選手、もしくはプロを夢見る野球少年たちを想って、
一本一本丹精を込めて作るバット職人さん。
こんな素晴らしい方々が一生懸命作ったものをインパクトを表すために、それも一瞬で「えいっ!!!」で真っ二つに。
「母さんよ。よく聞いてな。
バットっていうのはな"アオダモ"って木からできてるんや。でもこのアオダモは成長が遅くてなぁ、バットになるまでに70年以上かかるんや。ほんでこれ見てみ。
こんな一瞬で折られてしもたわ。」
たぶんこのテレビを見ていて、バット職人さんはこう考えるでしょう。泣けてきた。
このテレビを見ている時に
「すごい!手とか足は痛くないんかな?」って思ってた自分が恥ずかしい。
職人さんの心が一番痛いわ。
これ以降、"瓦割り"、"バット折り"の演出があれば
「もうやめたって!!」と視聴者センターに電話すると決心しました。
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