#3 やりたいこと、やれること、求められること

サラリーマンという職業はないという記事を書いたが、同じように会社員という言葉も日本特有な言葉に感じる。日本は就職というが、実際には就社(会社に就く)というイメージではないだろうか。私は自動車系のエンジニアをしているが、同じ業種で競合他社に転職したという話はあまり多くは聞かない。

就社かどうかは国民性もあるが、景気が悪くなった時に会社が労働者を解雇できる制度かどうかがマインドにも大きく寄与している気がする。よく、北米などのIT企業が何千人解雇というニュースが大きく報じられることがあるが、日本ではそんなことは起こったことがない。日本では解雇するには相当の理由が必要で、解雇する前に配置転換で社内で何とかしてねという制度になっているからだ。

その結果何が起こるかというと、変化の時代であっても会社の規模を維持するために新しい仕事を作っていかなければいけない、新しい事業をやらなければいけないというインセンティブが働き新規事業部なるものが社内にできて、社内リソースを使って新規事業を始めることが多い。ただ、自社のビジネスの周辺事業なら多少上手くいくが、全く新規の事業が急成長したという話は自分の周りでは聞いたことがない・・・

個人の視点から見ても、日本の労働環境は下記の不満を生みやすいと思う
・やりたいことがあって入社したのにやりたいことがやれない
・やれることは増えるがやりたいことに直結しない
・社内で求められることはやりたくないがやらなければならない

会社員にありがちな不満だが、経営者視点でいえば、どれも嫌なら辞めてくださいの一言で終わる話だと思う。では今の会社を辞めて、やりたいことに近い会社に移った時にやりたいことがやれるか?と想像したときに自分の答えはNoだった。もう自分でやりたいことをやるしかないかなと思った。

やりたいことなんだろう的な18歳の受験生や22歳の就活生の様な悩みを38歳で抱えることになった私。。。世間的には中年の危機とも呼べるかもしれないが、そこまで衰えてもいない気もする。やりたいこと、やれること、そして何より社会から求められることの真ん中に自分の生活の中心が来るように、少しあがいてみようと思う。

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