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#82 人生で17歳は2回来る。

 昨日学生から17年以上続く友人と久しぶりにお酒を飲んだ。何も気を遣うことのない本当の友達と呼べる数少ない友人の一人。実家の建設業を継いで収入や資産は十分で、もう働かなくてもよいくらい稼いでいると思うが、働いている。昨年買ったポルシェ911を乗ってきてもらって峠で走らせてもらった。(年に3回程度しか乗らないらしい)

 そんな彼にも悩みはあった。結婚だ。ここ数年何人かの人と結婚しようと思ってお付き合いしたらしいが、相手の家の素性だったり、結婚相手の掃除の出来なさだったり、なかなか踏ん切りがつかなく別れたらしい。選びたい放題に思うのだが、釣り合う相手がいないというのも大変だなと思った。

 サラリーマンを辞めて、建築設備設計の道に進むべきか相談してみた。いろいろな意見をくれた。やめた方がいいとも言えないし、やった方がいいとも言えないというのが彼の結論。

やった方がいいと思う理由
・経営者の視点に立てる。
・設備設計の仕事はくいっぱぐれることは少ない
・私の設計者としての素性が向いていると思う
・自動車産業の未来も不透明

やめた方がいい理由
・今やっている人の地盤を完全に引き継げるとは限らない
・売上を新規にとってくる大変さがある。

私が学生時代から自動車が好きだったのを知っている友人だけに、本当に自動車を辞めていいのか?というのを問いかけてくれた。そして、私がいつかチーフエンジニアになって、車両を開発してその車に乗るのを楽しみにしてくれていたことも語ってくれた。素直にうれしかった。ただ、その思いを聞いても、あまり自動車の仕事に未練は感じなかった。

一緒に行ったバーのマスターに起業のことを相談してみた。マスターは帝国ホテルに勤めて、10年ほど前に独立した方だった。何年ホテルに勤めたのか?と聞いてみた。17年という答えだった。今の私の自動車産業に携わった17年と奇遇にも同じだった。

子供のころからの憧れた自動車という商品。それに17年も携わることができたことは本当に幸せだった。ただ、育ててくれた親元から18歳で巣立っていく青年が多いように、社会人になっても17年という月日は一つの区切りなのかもしれない。

17歳は2回くる。山田ズーニーさんという好きな作家さん。高校性の時に知ったが、17年前高校生の自分には早すぎると思って思って読まなかった本を今読んでみようと思う。

山田ズーニー

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