誤字を愛でる18 小さい「っ」のありか

今日もまた、いつものスーパーで買い物です。今日の特売品なのでしょう、パンコーナーのワゴンに、食パンがいっぱい置かれています。

デニシッシュ食パンプレーン

なんだか、これを見たら力が抜けちゃったんですよ。
デニッシュ、っていう名前はもう市民権を得てると思っていたんですけど、まだまだ難しいのかも。

冷凍食品のエリアには、

だだっちゃ豆福

駄々っ子みたいになってますが、正確には「だだちゃ豆福」。だだちゃ豆の入った大福のようです。私の住んでいる地域は「だだちゃ豆」に馴染みがないので、こうなっちゃったんでしょうね。こちらの方言で語尾に「っちゃ」と付けるので、その影響もあるのかな。

ここで、ふと考えたんです。この二つに共通しているのは小さい「っ」です。もしかしたら、この「っ」が、誤字が起こりやすいポイントの一つなのかも?

パスタの置いてあるコーナーに行ってみました。確か、この店はスパゲッティの表記が間違っているところがあったよな...ああ、あった、あった。

有機スパッゲティ

同じ棚には、別な商品で「スパゲッティ」や「ママースパゲティ」もあります。ママースパゲティは商品名そのものなのですが、同じパスタの種類を表すのに3種類の表記が仲良く並んでいるところが面白い。

(余談ですが、前にも書いたと思いますが、私の母は昔「スパゲチ」と発音していました。スパゲッティ、意外と難しいらしい)

このスパゲッティのように、「ッ」の置き場所って、意外と覚えるのが難しいんじゃないでしょうか。例えば、モッツァレラチーズは「モッツァレラ」の表記が多いですが、「モッツァレッラ」の方がイタリア語の発音に近い気がしますし、「モツァレラ」と書いてあるのも見たことがあるような気がします。なんだかあやふやで、よくわからない。「ッ」の置き場所もよくわからない。そんな感じなのかもしれません。

新しい言葉が、「ッ」の置き場所も含めてしっかりと日本語の中に定着するまでには、かなり時間がかかるものなのかもしれませんね。

コミュニケーションがコミニュケーションと誤記されることが多かったのも、元々の英語の綴りや発音に馴染みがなかったために、発音がよくわからなかった、小さい「ュ」の置き場所がよくわからなかった、ということなのかな、とも思えるのです。

まあ、考えてみれば、今時のスーパーは大変ですね。いろいろな外国語由来の商品の名前を札に書かないといけないんですから。フランス語、イタリア語、韓国語などの、全く聞いたことのないような外国の食べ物の名前を、正確に書くのは大変な作業です。日本の食品でも、聞き慣れないお洒落なカタカナの名前をつけてるのもありますし。お店の方々のご苦労も大きいでしょうね。

そう思いながら、成城石井の「カマンベール ヴィーポルシュ」と値札に書いてあるチーズを手に取りました。

ひっくり返して商品名を見ると、正しくは「カマンベール ヴーポルシュ」でした。難易度高すぎでしょ...。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?