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奈良バーガーという質的優位

 値段が視界に飛び込んできた瞬間、さすがに躊躇した。

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 「1,000円かあ。」

 この4ケタという数字は、スタグル(スタジアムグルメ)としては破格である。1,000円を超える商品が無いわけではないが、そういうものはセット品であったりメガ盛りであったり、何かしら4ケタやむなしのエクスキューズがあるものだ。単品で1,000円となるとちょっと敷居が高い。
 そもそもスタグルを楽しむのに出費が【1,000円/人数】を下回ることは稀だろうが、それは焼きそばと唐揚げだったり、焼き鳥とビールだったり、複数購入するからである。やっぱりいろいろ食べたいじゃないですか。。。

 どうしようかなーと思いつつも、某氏から「スタグル食えや」圧力が掛かっているので名物を食べないいわけにもいかない。

※スタグル営業をするGMの図

 それにホテルの朝食バイキングで食べ過ぎてしまったので(すまんな)、ハンバーガー1個くらいがちょうどいいかもしれない。よし、バーガーに並ぼう。

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 おお、何やら旨そうなのが出来上がっているではないか。
 幸いなことに、隣りのカレーは大行列ができているが、高すぎるからなのか?ハンバーガーには誰も並んでいない。チャンスだ。

 「すみません。注文が溜まっていまして、お待ちいただけますか。」

 なんとガラガラなのではなくて、製造が追いつかなくて受注をストップしていたのだという。とりあえず整理券をもらい、調理風景を眺めながら待つことに。

N.バーガーの材料(見た感じ)
 ◇バンズ
 ◇パテ
 ◇トマトスライス
 ◇ソース

 材料はいたってシンプルだが、作り置きではなく注文ごとに1個1個調理している。パテはさすがにその場でこねるわけにもいかずに、事前に仕込んだ冷凍状態のようだが、火を通す前の状態。パテを焼くのに合わせて、バンズも鉄板で焼いている。しなしなパサパサのパンではなくカリカリの食感でいただけるのは嬉しい。
 待つこと10分弱、大量の注文がはけてようやく私の奈良バーガーが出来上がった。

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 焼きたてのハンバーガーに、同じく揚げたてのポテト。フライドポテトが添えられたことで、価格へのハードルがぐっと下がった感がある。1,000円といってもそう高くないかもしれない。

 しかし肝心なのは味だ。果たして値段に見合う価値があるのか…?


 モグモグ…。


 ひとくち目で確信した。


 あぁ!お客様!お客様ー!あっ!あー!ハンバーガー!あっ!お客様ー!あー!お客様ー!美味い!

 なんだろうこれ。パンと肉は言わずもがな!このソース!タルタルソース?!なんなんすかこれ。タルタルソースに入っているピクルス!本当にお前さんたちはねえ!粗みじんのこの漬物がねえ!さっぱりしてて良いんじゃないですかねえ!美味い!!!これは奈良漬かな?!

 奈良漬でした。

 いやあ本当に美味かった。これでポテト付なら1,000円でもぜんぜんお釣りが来ます。1,000円以上の価値ありです。東京の小洒落たお店だったら1,800円は取ってますね。

 またこのハンバーガーを食べるためだけに奈良へ行ってもいいかもしれない、そう思わせるくらいの質的優位でした。奈良バーガーはゲームモデルである。現場からは以上です。

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