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マスコミの取材の意味

元日に起きた石川県の地震発生から1ヶ月が経とうとしている。

被災地の方々にとってはとても長い1ヶ月に感じたのではないかと思う。
地震の発生地である能登半島という場所、かつ雪深い真冬であることなど、かなり条件としては厳しいことは間違いない。

道路の復旧や支援物資の運搬、仮設住宅の設置や、そもそも被害を受けた家屋の修理や復旧など、やることは山積だが政府の方針に対する不満が多い方もいるかもしれない。

とはいえ、まだ余震なども考えられる点も踏まえると、なかなか思い通りに進まないこともある。

そんな時に、現地の最新情報や今後の展開などを伝える新聞、ラジオ、テレビなどのマスメディアがあるわけだが、ここ数年のこれらの媒体の質には疑問を感じざるを得ない。

大袈裟な解釈、切り抜きによる誤認識を促すタイトル、記者でなくても入手できる情報をスクープのように報じる、など挙げるとキリがない。

例えば、直近でこんな記事を見かけた。

記事のタイトルを見ると、今回の地震の初動が遅れてるから災害関連死が増える、いう指摘に見えるのではないだろうか。

ただ、記事内容を見てみると、愛媛大学の方が能登の視察を経て、愛媛県のハザードマップをもとに危険な範囲が増えており、初動が遅れると災害関連死が増えるのではないかという警告です。

タイトルだけ見ると、まるで石川県のことのように見せるやり口ではないかと思います。

こういうやり方は好きではない。
結局伝えたいことが、愛媛県の今後の災害に関する情報を訴える内容から、今回の能登地震の政府の初動が遅かったと誤認識させる内容になってるからだ。

読む人によっては、内容を読み込めた上で「政権批判をしているわけではない」と捉える方もいるだろうが、結局は受け取り側の解釈になるので、いかようにも捉えることが出来てしまう。

芸能人のゴシップの感覚で記事を書いて欲しくない。

取材は対象者の思いをプロである記者が読者に対して正確に伝えるために存在していると思っている。
そうでなければ、記者の存在意義は薄れ、それぞれの専門家や読者が新聞社に直接寄稿すればいいだけなのだから。
専門家の意見や町の人の言葉を読者に分かりやすく伝えるプロフェッショナルが記者だと思っている。

仕事をする上で、提出する資料に嘘や誤認識させるものを盛り込んでいたら、通常は怒られたり、却下されたり、顧客との信頼問題に発展することもある。

だが、マスメディアは報じた時点で終わっているし、間違ってても後日お詫び文を載せる程度で終わるが、そこを注意深く読んでる人は少なく、間違った記事はそのまま掲載され続けているのである。

もちろん、全てを完璧に伝えるのは難しいし、間違えは誰にだって起きる。
だが、間違えをあえて起こしてる場合はその限りでない。

今はマスメディア以外でも情報が溢れかえっているなかで、マスメディアが流されずにマスメディアでしか出来ない伝え方で正しく機能して欲しいと願うばかりです。

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