「感情論」は「論理」ではない件(2)脅迫や暴力を正当化する社会

▼「あいちトリエンナーレ」に脅迫=暴力が殺到した事件について、2019年8月15日付の毎日新聞から。

〈脅迫770通 県が被害届〉

〈国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が抗議の電話やメールなどが相次ぎ中止となった問題で、愛知県は14日、芸術祭実行委員会などに届いた「県庁等にサリンとガソリンをまき散らす」などと書かれた脅迫メール770通について、県警東署

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「新聞」は「旧聞」が大切な件 靖国神社の異常事態

▼定期的に「新聞」は、じつは「旧聞」が大事だ、ということを書いているが、今回は靖国神社について。

2019年8月13日に共同通信が配信した記事。「新聞」を知るには「旧聞」が必要であることがよくわかる記事だ。適宜改行。

〈宮内庁、靖国の陛下参拝要請断る 創立150年で昨秋〉

〈靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に2019年の神社創立150年に合わせた参拝を求める極めて異例の「行幸請願

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福田淳氏の「芸能ムラ」論 日本のテレビは江戸時代の女衒(ぜげん)である

▼「村」には「村」のよさがある。しかし、「ムラ」と表記される時は、たいてい「ムラは悪いものだ」という含意がある。筆者はすべての「ムラ」論に賛成するわけではないが、下記の「芸能ムラ」論には両手をあげて賛成する。

2019年8月14日付の毎日新聞に、スピーディ社長の福田淳氏が登場した。適宜会長。彼の主張はネットでたくさん出ているので、興味のある人は探してみてください。

テーマは「芸能人と芸能事務所

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感情論は論理ではない件(1)日韓両政府の面子(めんつ)問題

▼よく「それは感情論だよ」とか言うが、厳密にいうと、「感情論」は「論理」ではない。「感情論」はただの「感情」である。

2019年8月14日付の各紙に載った、共同通信の記事。

〈日韓輸出規制/報復合戦で消耗戦に/企業不安視、打開策なく〉

〈輸出規制を巡り、日韓両国が報復合戦の様相となってきた。韓国で輸出管理上の優遇国から外されることに日本側は平静を装うが、出口の見えない消耗戦を企業は不安視。さ

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【図説】ひきこもりと日本社会

ひきこもりがよく世間からかけられる声をわかりやすく図にまとめてみました。

全体図

①ひきこもり当事者

②ひきこもりの両親と兄弟姉妹

③ひきこもり関連ニュースを見た第三者

④地域若者サポートステーションや精神保健福祉センターの方

⑤企業の人事

⑥マスメディア

⑦とにかく明るい人

【おまけ】ひきこもり当事者が見たら……

ひきこもり当事者がこの画像を見たら、吹き出しに何も台詞が入って

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テレビが王様だった時代が今年で終わるかもしれない

もう誰もが今が激動の時代であることを疑わないほど転換点を迎えていますが、まだイントロが終わってAメロに入ったくらいで、この先にサビや大サビを迎える頃には、見える景色が大きく異なるでしょう。

テレビもスタート当初は、スポーツの日テレとかドラマのTBSみたいに色分けとか棲みわけみたいなものがありましたが、現在では目立った特徴はないし、特に差別化はできていません。
これはどの業種にも言えることですが、

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日本は優生思想に寛容である件(5)無知でデマを騒ぎ立てる人が多すぎる

▼2019年7月13日付の読売新聞の「論点スペシャル」で「犯罪に負けない社会のために」という特集が組まれていた。

その記事を読むと、犯罪に負けない社会をつくる以前の問題に言及せざるを得ない状況が浮かび上がる。

▼筑波大学教授の原田隆之氏(臨床心理学と犯罪心理学)いわく、

〈犯罪に至る可能性がある「危険因子」は予防につながる重要な視点だ。ただ、加害者の状況や傾向を一つ二つ取り出し、それをあたか

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日本は優生思想に寛容である件(4)「病気は自己責任」論との危ない関係

▼ただの紙切れにすぎない紙幣(しへい)をめぐって、世界中の人々が左右され、動かされているように、「思想」というものは目に見えない力を持つ。

資本主義の思想は紙幣に体現されており、この文章を読んでいる人の誰もが、たとえばコンビニで買い物をして、赤の他人に紙幣を渡して、お釣りの小銭をもらう、という一連の行為が成り立っていることに、ふだんは1ミリの疑問も持たない。

これが思想の力だ。

▼「買い物」

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日本は優生思想に寛容である件(3)必要なのは「死ぬな」というメッセージ

▼東京都練馬区で父親が息子を殺した事件について、前回は、〈断言するが、この殺人の背中を押す力のいくぶんかは、あなたの発した何げない「1人で死ね」の声だ〉という精神科医の斎藤環氏の言葉を紹介した。

▼今回は、2019年6月14日付の朝日新聞に載った同氏の声。適宜改行。

〈元事務次官の事件への反応では、二つのことが気になります。一つは「誰かを守るための殺人だったなら仕方ない」と肯定する議論です。

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