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ビーリアルだかなんだか

金曜日の夜、電車に乗る。
今日の西武拝島線は当たりだ。
汗をかき、悪臭を放ちがちなおじさんがビタビタの距離で服をパタパタしてないし、なんといっても不快感とは無縁の配列。

平日を乗り越えた私を祝福してくれている。
そうに違いない。
と思い、西武線に感謝をするなどした。

電車の雑音を消すためヨルシカを流しながら、仕事終わりに購入した長濱ねるの、たゆたう、を読む。

乗り換えの駅を確認するため、ふと横を見る。

年下の女の子が「ビーリアル」とやらを撮影している。

当たりの電車、ヨルシカ、長濱ねる
珍しい3点セットだが華金に相応しい時間を生きていた私の視界に「ビーリアル」とやらを撮影する女の子が入った。




私はこのアプリを嫌っている。
単純に流行りに疎いのもあるが、一番の理由はラーメン屋で「ビーリアル」とやらを撮る女に遭遇してしまったからだ。

ラーメンという芸術品を撮影する気持ちは分かる。美学なので。
だが「ビーリアル」とやらを撮影している女は、ラーメンが提供されているのにも関わらず、違いの分からない決めポーズをしながら何度も撮り直していた。

ラーメンを放置してまで「ビーリアル」とやらを撮影する姿、ラーメンが好きなのではなく、ラーメンを食べている「私」が好きなだけなんだと思うと無性に腹が立った。

この行為はあまりにもラーメンに失礼だ。
なぜか悔しかった。
ラーメンと向き合いたかったのに、どうしてもビーリアル撮影女が視界に入ってしまう、あの日のラーメンは美味しくなかった。

そんなこんなで「ビーリアル」とやらに執着する人を冷めた目で見ているが、「ビーリアル」とやらを純粋に楽しめる人の心は澄んでいて、きっと人生は華やかなのだろう。
そう思うとふたたび悔しかった。

ここまで嫌いなものを語る私は、悪臭を放つおじさんよりも心が汚れているし気持ち良いぐらい愚かだ。
完璧3点セットを持ち合わせた環境でもなお、負の感情を優先してこんなnoteを書いてしまっている。
悔しい。

電車で気が散ってしまい読むのを止めたたゆたうの続きを読みたいので、オチも中身もないnoteを強制的に終わらせる。

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