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微妙なカルヴァン主義者 その1

ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ―自己発見のためのエニアグラム」春秋社 より
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■1(改革者・外向的思考型)のウイングをもつタイプ9(調停者)
タイプ9の特性と1のウイングの特性は、互いに補強し合う傾向をもつ。 タイプ9は、その平和を維持するために感情を抑圧し、タイプ1は、その自制 心を維持するために感情を抑圧する。このサブタイプにあっては、人々は、他のサブタイプの人々よりも感情面で統御されていて、ずっと冷静であることがわかる。とはいえ、彼らも怒りや道義的な憤りを見せることはある。

このサブタイプの健全な人たちは、きわめて尊厳高く、しっかりとした主義をもつ。彼らは、その優れた常識によって、特に他の人たちに関して賢明な判断をする。彼らは、行動することやある状況を判断することを求められるときは、公正さ、客観性という問題に警戒を怠らない。1のウイングは、このサブタイプに思考する要素を加え、タイプ9の自己を意識しない受容的な定位と平衡をとる。このサブタイプの健全な人々は、自分の知識を分け与えることに関心があり、他の人たちの考えや発見を正当に評価する。彼らは、教えることを楽しみ、精神的指導者となり、自分を手本にして最も効果的に教える。タイプ9の開放性が、タイプ1の客観性と結び付いている。一その結果、他の人たちに対しては誠実で悪意なく、自分自身に対しては穏やかで節度がある。

このサブタイプの通常の人々は、なんらかの運動擁護者となることがある。というのは、彼らには理想主義的なところがあり、そのため、自分にできるどんな方法ででも、世界をよくしようと思うからである。彼らは自分の意見を確信しており、そしてたいていの場合、その基本的な信念に触れるすべてのことに関し、伝統的、保守的な考えを定めている。 このサブタイプの人 々は、秩序を守り、自制心があり、特に、8のウイングをもつタイプ9ほどはあからさまに怒りっぽくなく、感情面ではより統御されている。彼らは環境を組織したり、他の人たちによるその組織化を計画したりしてきわめて忙しいこともある。

しかし、その間も、通常のタイプ9に特徴的な感情面での遮断は保ち続ける。彼らは自己満足し、離脱しているため、個人的な葛藤と敵対をすべて避けたがる。しかし、このサブタイプには短気といらいらしたところがあるので、彼らは簡単に怒りに駆られることもある。彼らは自分の論拠を強めるために、都合のよい理屈づけをしたり、道徳的に論じたり、政治的、階級的、宗教的イデオロギーに訴えたりする

また彼らは、他人を無視するとき、驚くほど非人間的に無情になるが、 これは、 このサブタイプの通常の人々は、自分の理想とする概念を大事にして現実世界から非常に遊離しているからである

このサブタイプの不健全な人たちは、他の人たちに対し懲罰的になることがある。彼らは非常に細分化されたやり方ではあるが、大いに立腹することがあり、まったく出しぬけのように衝動的に行動する。彼らは、8のウイングをもつタイプ9よりも怒りっぼく、悪や不正に対していら立つ。1のウイングをもつ不健全なタイプ9は、きわめて専横的になることがあり、ふだんの行動と矛盾した行動をとる

彼らの強迫神経症的な諸々の傾向は、その神経症的な特性の一部であり、自分の衝動的な行動や現実の問題から自分を切り離している間でも、このサブタイプの不健全な人々は、自分の明白な心配事に対して強迫観念にとりつかれることがある。彼らは、たとえば、それまで自分の強迫観念の焦点であ ったものを、まるで何事もなかったかのように忘れてしまおうと決心することもある。

その防衛機制は、もう一つのサブタイプにおけるよりも包括的でないため、 このサブタイプの神経症は、葛藤をより強く感じる傾向があり、そのため、彼らは非常に不健全になると、厳しい感情面の問題や衰弱をより抱えやすくなる。




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