見出し画像

香港スープ

おそらく広東語での呼び方はちゃんとあるのだろうけれども、香港通の日本人に「香港スープ」と言えば通じると思う。私の場合、最初出会ったのが、香港スープの典型的なもので、しかも衝撃的なものだったので、印象に残ったし、今では逆に癖になっている。それはそれで幸運な出会い方だったのかもしれない。
TOPの写真のとおりである。なかなかの見た目である。言い方は悪いが、まるで残飯スープである。実際、トウモロコシが入っているが、煮えてなくて、食べられたものではない。梨の皮(だと思い込んでいたが、後で調べたら冬瓜だった)が浮いている。後は、汁の中に沈んでいるが牛骨とか人参とかが入っている。具材には期待してはいけない。入っている具材は出汁を取るためのものと割り切るのが良い。汁の上澄みを飲むと、ほのかな甘みがあって美味しい。そういうスープである。

香港の定番料理のようで、お店によってレシピとか見た目が異なっている。こちらのはショッピングモールの中に入っていた店のもの。生煮えのトウモロコシは無くて、牛骨というよりちゃんとした肉の塊が入っていて、汁を飲むだけでなく具材も食べるということを意識したものになっている(写真↓)。

画像1

こちらのお店では、上澄みだけを供している(写真↓)。これだと、普通にスープとして飲める。
だけれども、こんなふうにお上品にされてしまったスープだけだったら、中に何が入っているかには興味は持たなかっただろうし、これが香港独特の食べ物という認識もなかっただろう。生煮えのトウモロコシと冬瓜の皮と牛骨が入っていた最初の出会いがあってこそ、こんなふうに「進化」していったこともわかるのである。

画像2

食べ物ひとつとっても、旅先での出会いというのは奇跡的なものがあるのだなとしみじみと思う。ああ、また海外旅行行きたいな。いつになったら行けるのだろう(コロナ禍の2021.09.04記)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?