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ガソリンスタンド経営者が気を付けるべきコストカットのポイント

1.ガソリンスタンド経営者が気を付けるべきコストカットのポイント

 今回の記事は2020年8月9日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。LINEのおともだちに登録されると、このようなロードサイド店舗の経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。


安易なコストカットは逆効果につながる

 先日、NHKの「逆転人生」という番組で、40億円の借金を16年で完済した居酒屋経営者について紹介されていました。この事例から、ガソリンスタンド経営者は、以下のことを学ぶことができます。

 この居酒屋経営者は、借金を返済するために、人員削減を含めたコストカットを強化した結果、接客も料理の味も悪くなり、従業員の士気も落ちました。売上、利益が激減し、借金の返済はさらに厳しくなりました。この事例から、安易にコストカットをすると、状況が悪化するリスクがあることがわかります。

 その後、この居酒屋経営者は、考えを改め、ちゃんとした接客、美味しい料理、高い士気を取り戻すべく、従業員を新規に採用し、以前よりもその数を充実させました。すると、現場から様々な改善提案が出てくるようになり、その結果、売上も利益も大きく伸びました。この事例から、人材こそが競争力の源泉であることがわかります。

セルフサービス化の目的は?

 私がガソリンスタンドの運営会社に勤務し始めた頃は、セルフサービスのガソリンスタンドは存在せず、顧客の車両に店舗スタッフが給油をしていたものですが、この形態がどんどんセルフサービスに転換し、現在は多くのセルフスタンドがあります。

 なぜセルフサービス方式にしたのかというと、スタッフから給油という単純作業を排除し、より生産性を高めるためでしょう。ところが、あるガソリンスタンド運営会社は、この「生産性向上」を「人件費削減」に置き換えてセルフサービスへ転換してしまいました。

セルフサービス化によってタイヤ販売が倍増した事例

 同店は、店頭にスタッフが1名、多くても2名しか配置しないという体制で運営を続け、来店した顧客がセルフサービスでの給油や洗車の仕方が分からずに、質問しようとしても、対応できないケースが多く、顧客からの不満が募っていきました。

 また、当然のことながらタイヤやエンジンオイルなどガソリン以外の商品(油外商品)を販売する余裕がなくなり、結果として客単価が低下、客数は増えたものの、ガソリンの利幅は大して取れなかったことから、業績が悪化してしまいました。

 そこで、フルサービス時代ほどではないものの、スタッフ数を増やし、顧客が給油中に空気圧点検をお勧めしたり、クレジット会員の勧誘を行ってキャッシュレスで高額品を買えることをアピールしたりしたことによって、タイヤの販売本数が倍増しました。よって、安易なコストカットはするべきではないと言えるでしょう。

なぜ「押し売り」と言われるのか

 「ガソリンスタンドに行くと押し売りされる」という顧客の声がかねてからあります。ですが、「押し売り」という認識は、購買の納得度が低いからこそ出てくるものです。

 セルフ化することで、スタッフ数を適正なものとして、より丁寧に油外商品の説明を行い、当該商品購入の納得度を向上させていくことによって、顧客満足度を高めていけば、おのずと「押し売り」という認識は薄れていくのではないでしょうか。

 セルフサービスでガソリンスタンドを運営することによって、顧客満足を高めていかなければ、フルサービスから転換した意味がなくなってしまいます。ガソリンスタンド経営者は、この事例から学んだことを、自社の経営に活かして、業績を向上させていきましょう。

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