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[万物は変容する]元に戻ろうとしなくても良いというお話


「めっちゃ懐かしい〜🩷。」

誰のセリフでしょう?


答えは
久しぶりに幼稚園を訪ねた
小学一年生でした。


「まだ1月たってないじゃん。」
なんて言ってはいけません。
可愛い話ではありませんか。



人は、過去にいた場所に戻ると
自分に起こった変化を
敏感に感じとるのかもしれません。

そして、多分その場所の変化にも気がつきます。
例えばこのエピソードでは
「新しい幼稚園の先生がいる。」
とかです。


産卵のために鮭は川を登ります。
その時、卵から生まれた稚魚は鮭になっています。
産卵場所もまた変化しています。


年老いてからふと郷里に帰ります。
自分はもう子どもではありません。
思い描いていた懐かしい景色はそこにはありません。
知らない店や建物が建ちならんでいるでしょう。
郷里にも時は流れているのです。
知り合いも少なくなっているでしょう。
たとえ知り合いに会っても誰だかわからないかもしれません。
知り合いもまた変わっているのです。

懐かしい想い出の食べ物を口にする時があります。
食べ物自体は同じであっても
「これこれ!この味。」
ということはなかなかありません。
味わう貴方が変わっていますし、
「この味」というのはその時その状況下の味なのです。

今日、家族でお鍋をつついたとしましょう。そのお鍋は今日その味なのです。

浦島太郎の帰還した
故郷は座標的には間違いなく
浦島太郎の故郷でした。

ところが、
竜宮での暮らしを体験した
浦島太郎は
かつての浦島太郎ではなく、

故郷もまた、時が流れすぎて
浦島太郎の知っている
かつての故郷ではなかったのです。

浦島太郎のお話は
普段私達の身の回りで起こっていることを極端に表しているだけです。

焦った浦島太郎は玉手箱を
開けます。

玉手箱を開けると、故郷の時間が
巻き戻るのではないかと思ったのではないでしょうか?

実際は、玉手箱を開けると、浦島太郎が早送りで歳をとりました。

タイムラグの調整が行われたのです。

世の中には元に戻ろうとしない選択肢があることを覚えておくと良いかもしれません。

「そうか。俺はここで生きてゆくのだな。」
と、ただ現実を受け入れるのです。

そして、
「それならどう生きようか。」
と、好きな未来を思い描くのです。

今一度、竜宮城へ行こうとはしないほうが良いでしょう。

もう一度竜宮城にたどり着いたとしても、そこもかつての竜宮城ではないはずです。

今を受け入れ、
これからを生きるのです。

他人ごとのように読んでいる
そこのあなた。

「行ってきます。」
と出て
「ただいま。」
と帰ってきたその家は
出て行った時の家とは別の家です。
帰ってきたあなたも
出て行った時のあなたとは
別のあなたなのですよ。
おかえりなさいと迎える妻も
朝あなたを送り出した妻とは別人です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

おかえりなさい。

なんにも怖くはないですよ。
「そうか、この家で暮らすのか。」
と思って下さい。



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