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自宅で美少女を参拝している話

天使ちゃんを買う

四艶少女画展」良さそうですね。日本は萌え絵を描ける人が膨大にいるうえ、Pixivの興盛を見ると“絵を絵としてそのまま楽しむ”土壌もありそうですから、複製画を作者から直接買うのは全然アリだよなーと思います。イラストに対価が支払われる新しい形になればよいのですが。

僕は妻と一緒に、この展覧会の前身にあたる2013年に開かれた大槍葦人さんの個展『大槍葦人*少女画展』で、作品を1つ購入していました。これ面白いから1つ買おうよと相談して、迷ったあげく、ポスターにもなっている羽根を背負った女の子の絵を選びました。

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少女騎士団と大槍葦人のブログ。」より

もちろん絵に惹かれたのが一番ではあるのですが、キャンバス出力した絵に「本人がニスを塗って質感を付与する」という手法がとても興味深く、可能性を感じたことも大きいです。

ただ、絵そのものはとても気に入ったものの、どう見ても萌え萌えしく、しかも結構な大きさの美少女絵を家に飾るのに、正直多少の葛藤もあり……1年以上も開けずに保管されてしまっていたのですが、最近引っ越してからようやくしっくりくる場所ができたのでした。我が家では「神棚」と呼ばれています。

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(窓際ですが陽はあたりません。直射日光は絵によくないので注意です)

家に「モードが違う場所」を導入する

実は、引っ越す以前の家にも、僕と妻のあいだで「神棚」と呼んでいる場所がありました。もちろん作法に則った正式な神棚というわけではなく、単に少し高い場所に据え付けられた棚というだけのものでしたが、お守りやちょっとした記念のものを置いておくのにとても重宝していました。

そして引越し後、せっかくだから今度こそあの絵を飾ろうと、あちこちに試し掛けしながら探したところ、窓際の少し入り込んだ場所がとても具合が良さそうでした。あわせて小さな机を目の前に設置すると、もともと絵柄が天使っぽい女の子であることも相まって「なんだかこの場所、礼拝堂っぽい感じあるよね……」「じゃあ、ここを例の『神棚』にしようか」という流れに。

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机の上にあるのは、いわゆる縁起物……お守りや絵馬のほか、灯明(とうみょう)がわりのアロマキャンドルを置きました。夜中にここに火を灯すと、想像以上に何やら荘厳な雰囲気が漂ってきます。いい匂いもするし。

また、人からいただいたプレゼントや記念品、お祝いの品なども数日間ここに置いてから使いはじめたりもします。いただきものは、どうしても自分が普段選ぶものと雰囲気が違いますから、どこか余所余所しさがあるものですが、数日置いておくと何となく家に“馴染む”感じがしてくるのが不思議です。

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以前、音楽家のレイ・ハラカミさんが亡くなったときは夫婦ともどもかなりショックを受け、勝手ながら追悼の気持ちを込めて「神棚」にしばらくのあいだ氏のCDを何枚か飾っておきました。何をするでもありませんが、ふとしたきっかけでCDが目に入るたび、故人を偲んでいたものです。

こういった、「ここは少し日常とはモードが違う場所ですよ」という特別なスポットが家の中にあるのは、最初に想像していた以上に良いものでした。思いつきで始めたものではあるのですが、家の中に「なんちゃって神棚」を設置すること、かなり自信を持ってお薦めできます。

追記

ちなみに絵に描かれたこの子、我々のあいだでは「天使ちゃん」と呼ばれ親しまれております。何か大きなイベントの前には「どうかお守りください」などと拝まれていたり……これ、もちろんお遊びではあるのですが、この八百万の神の国においては、むしろ純粋な信仰といっても過言ではないのではないでしょうか。2次元美少女はただ可愛いだけで信仰の対象たりうるのです。

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神棚の上に飾る「雲文字」の考え方が好きだったので、どうせならすこしモダンに作ってやろうと思い、カッティングシートで「雲」の字を切り出して貼り付けました。概念としての空、細い文字が目に心地良いです。

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